高桑 慎一郎(たかくわ しんいちろう、1928年8月30日[1] - 2011年4月6日[2])は日本音響監督。『チキチキマシン猛レース』日本語吹き替え版の演出で有名。息子は音響監督の高桑一

たかくわ しんいちろう
高桑 慎一郎
生年月日 (1928-08-30) 1928年8月30日
没年月日 (2011-04-06) 2011年4月6日(82歳没)
国籍 日本の旗 日本
職業 音響監督
演出家
ジャンル カートゥーン
アニメーション映画
実写映画
活動期間 1950年代 - 1990年代
著名な家族 高桑一(息子)
主な作品

テレビアニメ

アニメーション映画

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吹替の創生期から活躍し、海外番組の日本語吹替演出の第一人者でもあった。

経歴・人物

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東京都麹町出身[2]。幼少時に歌舞伎を見たことがきっかけで演劇の道を志し、早稲田大学に在学している頃から一座を結成して全国を回っていた。その後、文化放送の演芸番組(ラジオ・コメディ)で演出を勤めてからフリーの演出家となる[2]

1963年に放送されたハンナ・バーベラ・プロダクションのアニメ『ドラ猫大将』で演出を担当。これが高視聴率となり「ハンナ・バーベラ(作品)だったら高桑」という評価を得たため、『スーパースリー』『宇宙怪人ゴースト』『怪獣王ターガン』といった数多くのハンナ・バーベラ作品で演出を担当する。特に1970年放送の『チキチキマシン猛レース』は代表作となり「人気ナンバーワン」と呼ばれた[2]

1971年には谷岡ヤスジ原作の劇場版ポルノアニメヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』の演出(監督と同義)を担当し、後年カルトムービー化する。

1990年頃には日本コロムビアがバーベラと提携し、ソフト販売を行った[注 2]。この際に使用された吹替版は『チキチキマシン猛レース』『スカイキッドブラック魔王』『スーパースリー』『宇宙怪人ゴースト』『大魔王シャザーン』『怪獣王ターガン』『ドボチョン一家の幽霊旅行』『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』を除いて高桑を再登板させて制作した新録版となっており、キャラクターの名前などは原語版に沿った物になっている[4]

2011年4月6日に死去。82歳没。

キャスティングについては「多方面の異色な役者さんを声優としてどんどん起用していこうという考えが強くありました」と本人の意向もあり、声優のみならずコメディアンやミュージシャン、バンドマスターなど様々な分野で活躍する人々を起用することが多かった[2]

海外アニメの演出では「日本人の子供が見るんだから子供にわかりやすいものでないと」という意識を持っており、オープニング曲を作り替えたり、日本向けにキャラクター名を独自に設定することがあった。また各声優には個性を出すことを求め、キャスティングした人物の個性に合わせてキャラクターまで原語版から大胆に変えることもあった[注 3][2]。『チキチキマシン猛レース』ではそれらの大幅なアレンジが注目され、日本での人気が本国アメリカ以上になったという[5]

主な参加作品

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※ 特記のない限り全て演出・音響監督としての参加

海外アニメ

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海外ドラマ

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洋画吹き替え

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国産アニメ

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劇場アニメ

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著書

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  • ケンケンと愉快な仲間たち(1995年 イーハトーヴ出版)

脚注

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注釈

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  1. ^ 2022年4月現在、ターナージャパンも含むターナー・ブロードキャスティング・システムの資産はワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が所有し、その後、同年6月22日ワーナーメディア・ジャパンは、ディスカバリー・ジャパンと統合し、ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパンとして新体制に移行したため[3]、日本コロムビアにおけるハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売提携を終了することになった。
  2. ^ ただし、日本コロムビアにおける一部のハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売によっては「Turner Home Entertainment International英語版」レーベル及び「ターナー・ピクチャーズ・ワールドワイド・ディストリビューション英語版」レーベルとして取り扱っているため、提供はターナージャパンが担当している。これは、2019年1月1日にターナージャパンがターナー・エンタテインメント・ジャパン・ホールディングスを吸収合併したからである[注 1]
  3. ^ 台詞を全く話さないキャラにも台詞を与えることもあった。
  4. ^ ビデオソフト版を除く。

出典

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  1. ^ 高桑慎一郎『ケンケンと愉快な仲間たち』イーハトーヴ出版、1995年
  2. ^ a b c d e f 作り変えた男 【訃報 高桑慎一郎】”. 唐沢俊一 ホームページ. 2019年8月30日閲覧。
  3. ^ WBDiscoveryより新体制のご案内”. ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン (2022年6月22日). 2022年7月1日閲覧。
  4. ^ 今の子供はカタカナの方が馴染み易いという判断による物である。なお、『クマゴロー』『宇宙家族』『原始家族』『どら猫大将』の4作に関しては後にテレビ放送時の音源を使用したVHSソフトが発売されている。
  5. ^ 高桑慎一郎『ケンケンと愉快な仲間たち』イーハトーヴ出版、1995年、602頁

外部リンク

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