1950年の映画
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出来事
編集世界
編集→「1950年 § できごと」も参照
- 米国、テレビの普及率が高まり、映画人口30億人に減少[1]。
- 4月 - 米国、米国最高裁で再審が却下されて、ハリウッド・テンに対し、禁錮・罰金の実刑が確定[2][1][3]。
- 11月3日 - イタリア、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の初の長編劇映画『ある恋の記録』[4]公開[1][5]。
- 12月 - イタリア、フェデリコ・フェリーニ監督のデビュー作『寄席の脚光』公開[1][6]。
- 月日不詳
日本
編集→「1950年の日本 § できごと」も参照
- 1月
- 2月
- 3月
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 東京通信工業(のちのソニー)、日本初のテープレコーダーを発売[14]。
- 7月1日 - 帝国劇場、東宝から独立[15]。
- 7月10日 - 大映、ディズニーおよびサミュエル・ゴールドウィン・プロと輸入配給契約締結[7][12]。
- 7月18日 - 毎日NBCテレヴィニュース〔ママ〕新登場、大映委託配給扱い[12]。
- 7月24日 - 京都市左京区・松竹下加茂撮影所、フィルム倉庫から出火、大正12年以降の貴重なネガフィルム、ステージ1棟のほか建物1,200平方メートルを消失[18][19]。
- 7月28日 - 日本映画監督協会、対東宝非協力声明を撤回[15]。
- 7月31日 - 松竹から独立した吉村公三郎・新藤兼人・絲屋寿雄が近代映画協会設立[20][14][8][注 1]。
- 8月
- 9月
- 10月
- 東和商事、三映社、東映社が主にフランス映画の輸入配給をする新外映配給創立[8]。フランス映画の輸入隆盛[1]。
- 10月1日 - 大映、近代映画協会と契約締結[12]。
- 10月13日 - 政府、GHQの承認を得て1万90人の公職追放解除を発表[8][22]。城戸四郎、森岩雄ら公職追放者29名全員が映画界に復帰する[8]。
- 10月14日 - 米俳優ボブ・ホープ、日本および朝鮮前線の国連軍慰問のため来日[12]。
- 10月16日 - 新東宝、経営難打開のため、2億3000万円の負債棚上げ決定[12]。
- 10月23日 - 東宝、模造品の流通、劇場入場時の不正使用が横行し、社員バッチ使用禁止を通達[24]。
- 11月
- 12月
- 大映、〔米軍統治下の〕沖縄へ戰後初輸出、『遙かなり母の国』[25]・『妻も恋す』[26]・『火山脈』[27]の3本[12]。
- 12月1日 - 入場税の滞納・脱税が多かったので、東京では票券(チケット)を東京都が映画館に供給するようになる[24][28][10][22]。大阪は翌1951年8月1日から[28]。
- 12月14日 - シナリオ作家協会設立[29][24]。
- 12月22日 - 『偽れる盛装』(吉村公三郎監督)、NHK映画委員会選出1950年度ベストテン邦画第1位に選出[12]。
- 12月25日 - 東宝、映画製作面の強化のため、本社に企画本部を設置、本部長に文藝春秋新社社長佐佐木茂索を委嘱[24]。
- 12月27日 - 『腰抜け二挺拳銃』(ノーマン・Z・マクロード監督)公開[30]、ヒット[1]。主演のボブ・ホープが人気となる[1]。
- 12月28日
周年
編集- 創業55周年
日本の映画興行
編集各国ランキング
編集日本配給収入ランキング
編集順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 宗方姉妹 | 新東宝 | 8378万円 |
2 | 自由学校 | 大映 | 8000万円 |
3 | 佐々木小次郎[34] | 東宝 | 7845万円 |
4 | 続佐々木小次郎[35] | 東宝 | 6732万円 |
5 | 帰郷 | 松竹 | 6037万円 |
6 | 紅蝙蝠[36] | 大映 | 5881万円 |
7 | 月の渡り鳥[37] | 大映 | 5870万円 |
8 | 自由学校 | 松竹 | 5823万円 |
9 | 銭形平次[38] | 大映 | 5400万円 |
10 | おぼろ駕籠 | 松竹 | 5335万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、80頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 白雪姫 | 大映洋画部 | 7323万円 | |
2 | 黒水仙 | 英国映画協会=NCC | 6518万円 | |
3 | ジャンヌ・ダーク | セントラル | 6502万円 | |
4 | サン・アントニオ[39] | セントラル | 5983万円 | |
5 | 情婦マノン | SEF=東宝 | 5873万円 | |
6 | アラビアン・ナイト[40] | セントラル | 5497万円 | |
7 | 征服されざる人々[41] | セントラル | 5394万円 | |
8 | 海の征服者[42] | セントラル | 5382万円 | |
9 | ドン・ファンの冒険[43] | セントラル | 4863万円 | |
10 | カリフォルニア[44] | セントラル | 4637万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、81頁。ISBN 978-4873767550。
日本公開作品
編集→詳細は「1950年の日本公開映画」を参照
受賞
編集- 第23回アカデミー賞
- 作品賞 - 『イヴの総て』 - 20世紀フォックス
- 監督賞 - ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ - 『イヴの総て』
- 主演男優賞 - ホセ・フェラー - 『シラノ・ド・ベルジュラック』
- 主演女優賞 - ジュディ・ホリデイ - 『ボーン・イエスタデイ』
- 助演男優賞 - ジョージ・サンダース - 『イヴの総て』
- 助演女優賞 - ジョセフィン・ハル - 『ハーヴェイ』
- 第8回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 - 『サンセット大通り』
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ホセ・フェラー - 『シラノ・ド・ベルジュラック』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - グロリア・スワンソン - 『サンセット大通り』
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - フレッド・アステア - 『土曜は貴方に』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジュディ・ホリデイ - 『ボーン・イエスタデイ』
- 監督賞 - ビリー・ワイルダー - 『サンセット大通り』
- 第12回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 『裁きは終りぬ』 - アンドレ・カイヤット監督、 フランス
- 第1回ブルーリボン賞
- 第24回キネマ旬報ベスト・テン
- 第5回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『また逢う日まで』
誕生
編集- 1月23日 - でんでん、 日本、男優
- 1月24日 - ダニエル・オートゥイユ、 フランス、男優
- 1月25日 - 森田芳光、 日本、映画監督
- 1月30日 - トリニダード・シルヴァ、 アメリカ合衆国、男優
- 2月12日 - マイケル・アイアンサイド、 カナダ、男優
- 2月18日 - シビル・シェパード、 アメリカ合衆国、女優
- 2月18日 - ジョン・ヒューズ、 アメリカ合衆国、映画監督・プロデューサー・脚本家
- 2月22日 - ジュリー・ウォルターズ、 イングランド、女優
- 2月25日 - ニール・ジョーダン、 アイルランド、映画監督
- 3月6日 - 鈴置洋孝、 日本、声優
- 3月11日 - ジェリー・ザッカー、 アメリカ合衆国、映画監督・プロデューサー
- 3月13日 - ウィリアム・H・メイシー、 アメリカ合衆国、男優
- 3月16日 - ケイト・ネリガン、 カナダ、女優
- 3月18日 - ブラッド・ドゥーリフ、 アメリカ合衆国、男優
- 3月20日 - ウィリアム・ハート、 アメリカ合衆国、男優
- 3月26日 - マーティン・ショート、 カナダ、コメディアン・男優
- 3月30日 - ロビー・コルトレーン、 スコットランド、男優
- 3月31日 - 舘ひろし、 日本、男優
- 4月4日 - クリスティーン・ラーティ、 アメリカ合衆国、女優
- 4月13日 - ロン・パールマン、 アメリカ合衆国、男優
- 4月16日 - デヴィッド・グラフ、 アメリカ合衆国、男優
- 4月29日 - フィリップ・ノイス、 オーストラリア、映画監督
- 5月6日 - 中野良子、 日本、女優
- 5月12日 - ガブリエル・バーン、 アイルランド、男優
- 6月8日 - キャシー・ベイカー、 アメリカ合衆国、女優
- 6月12日 - ベリンダ・バウアー、 オーストラリア、女優
- 6月24日 - ナンシー・アレン、 アメリカ合衆国、女優
- 7月26日 - 萩原健一、 日本、男優
- 9月6日 - 市毛良枝、 日本、女優
- 9月21日 - ビル・マーレイ、 アメリカ合衆国、男優・コメディアン
- 9月28日 - ジョン・セイルズ、 アメリカ合衆国、映画監督・脚本家
- 10月1日 - ランディ・クエイド、 アメリカ合衆国、男優
- 10月5日 - 辺見マリ、 日本、女優
- 10月12日 - 鹿賀丈史、 日本、男優
- 10月13日 - 磯部勉、 日本、男優・声優
- 10月13日 - 大和田獏、 日本、男優
- 10月17日 - ハワード・ロリンズ、 アメリカ合衆国、男優
- 10月31日 - ジョン・キャンディ、 カナダ、コメディアン・男優
- 11月9日 - 梅沢富美男、 日本、男優
- 11月12日 - 田中秀幸、 日本、声優
- 11月12日 - 由美かおる、 日本、女優
- 11月28日 - エド・ハリス、 アメリカ合衆国、男優
- 12月6日 - 久石譲、 日本、作曲家
- 12月21日 - 神田正輝、 日本、男優
死去
編集日付 | 名前 | 出身国 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 3日 | エミール・ヤニングス | スイス | 65 | 男優 |
12日 | ジョン・M・スタール | アメリカ合衆国 | 63 | 映画監督・プロデューサー | |
22日 | コリンヌ・リュシェール | フランス | 28 | 女優 | |
3月 | 10日 | マーガレット・ド・ラ・モット | アメリカ合衆国 | 47 | 女優 |
4月 | 7日 | ウォルター・ヒューストン | カナダ | 66 | 男優 |
10月 | 23日 | アル・ジョルソン | リトアニア | 64 | 男優・歌手・エンターテイナー |
28日 | モーリス・コステロ | アメリカ合衆国 | 73 | 舞台・映画男優 | |
12月 | 28日 | ウィリアム・ガーウッド | アメリカ合衆国 | 66 | 男優 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h 石原良太 1986, p. 67.
- ^ 「ハリウッドテン」『改訂新版 世界大百科事典』 。コトバンクより2024年8月4日閲覧。
- ^ 筈見有弘 1991, p. 182.
- ^ “アントニオーニ”. 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2023年9月10日閲覧。
- ^ “Cronaca di un amore (1950) - Release info” (英語). IMDb. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “寄席の脚光 (1950) - Release info” (英語). IMDb. 2024年8月5日閲覧。
- ^ a b c 筈見 1956, p. 96.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 谷川 1993, p. 116.
- ^ a b c d e f g h 東宝 1982b, p. 55.
- ^ a b c d 松竹 1985, pp. 677–678.
- ^ a b c d 山川 1987, p. 199.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 大映 1951, §大映十年と社会・映画界の動き.
- ^ 斉藤 2009, p. 55.
- ^ a b c 東宝 2010b, p. 205.
- ^ a b c d e f g h 東宝 1982b, p. 56.
- ^ “新愛染かつら : 作品情報”. 映画.com. 2024年5月26日閲覧。
- ^ 東映 1992, p. 11.
- ^ 松竹 1985, p. 260.
- ^ “松竹下加茂撮影所”. 京都映像文化デジタル・アーカイヴ マキノ・プロジェクト. 立命館大学. 2023年5月30日閲覧。
- ^ “会社案内”. 近代映画協会. 2023年7月2日閲覧。 “創立 昭和25年7月31日”
- ^ 春日 2012, p. 52.
- ^ a b c d e f g h 東宝 1982b, p. 57.
- ^ “映画アニメ 白雪姫 (1937)について”. allcinema. スティングレイ. 2023年9月9日閲覧。
- ^ a b c d e f 東宝 2010b, p. 206.
- ^ “遙かなり母の国 : 作品情報”. 映画.com. 2024年5月29日閲覧。
- ^ “妻も恋す : 作品情報”. 映画.com. 2024年5月30日閲覧。
- ^ “火山脈 : 作品情報”. 映画.com. 2024年5月30日閲覧。
- ^ a b 斉藤 2009, pp. 55–56.
- ^ “団体概要 沿革”. www.j-writersguild.org. シナリオ作家協会. 2023年7月2日閲覧。
- ^ “映画 腰抜け二挺拳銃 (1948)について”. allcinema. スティングレイ. 2023年9月9日閲覧。
- ^ 角川春樹、藤岡和賀夫、阿久悠『ザ・ブーム』角川書店、1982年1月25日、192頁。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “佐々木小次郎(第一部)”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “続佐々木小次郎”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月18日閲覧。
- ^ “紅蝙蝠”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “月の渡り鳥”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “銭形平次”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “サン・アントニオ”. allcinema. 2018年10月20日閲覧。
- ^ “アラビアン・ナイト”. allcinema. 2018年10月21日閲覧。
- ^ “征服されざる人々”. allcinema. 2018年10月22日閲覧。
- ^ “海の征服者”. allcinema. 2018年10月22日閲覧。
- ^ “ドン・ファンの冒険”. allcinema. 2018年10月22日閲覧。
- ^ “カリフォルニア”. allcinema. 2018年10月22日閲覧。
参考文献
編集- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 春日太一『仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル』新潮社、2012年3月20日。ISBN 978-4-10-610459-6。
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 大映 編『大映十年史』大映、1951年。doi:10.11501/2460993。全国書誌番号:52009699。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。全国書誌番号:21785703。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 筈見有弘『ハリウッド・ビジネスの内幕 : 映像ソフト王国の全貌』日本経済新聞社、1991年7月。ISBN 4-532-16023-5。
- 筈見恒夫『写真映画百年史』 補巻、鱒書房、1956年6月。 NCID BA32272354。NDLJP:2478782。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。