Kyash
Kyash(キャッシュ)は、株式会社Kyashがサービス提供するiOSおよびAndroid向けの送金・決済アプリである。
Kyashアプリ
編集2017年4月より提供されており、当初は個人間送金アプリとしての側面が強かった[1]。アプリを利用すると「Kyash残高」にチャージ(入金)することができ、残高を使って個人間送金などを行う。アプリからはバーチャルプリペイドVISAカードを発行することができるため、残高はスマートフォンの画面上に表示される券面情報を使用して、ネットショッピングなどの決済に使用できる[2]。登録はメールアドレスとパスワード、SMS認証、またはFacebookアカウントによって行い、与信審査などは行われない。KyashはプリペイドVISAカードではあるが、クレジットカードやデビットカード情報を登録しておくと、残高0でも不足分を自動チャージ出来るため、手動でチャージすることなく使用できる[1]。銀行振込やコンビニエンスストア、セブン銀行ATMでチャージした残高は現金に戻すことが出来るが、それ以外の方法でチャージした場合現金に戻すことはできない。
2018年6月からは実店舗(国内のみ)で使用できるプラスチック磁気カードである「リアルカード」の発行が開始され、VISAでの買い物に2%のキャッシュバックが付くようになった。
2018年10月からは「Google Pay」に対応した[3]。これによりリアルカードなしでもバーチャルカードをGoogle Payに登録することで「QUICPay」による実店舗での決済が可能になった。また、セブン銀行ATMからのチャージが可能となった。
2018年12月からはクレジットカードによるチャージで、従来の自動チャージに加えて、金額を指定しての手動チャージにも対応した。
2019年4月、VISAプリペイドカード発行ライセンスを取得したことで、それまでVISA提携イシュアである「すみしんライフカード株式会社」を通じて発行していたKyashリアルカードを自社で発行できるようになった[4]。
2019年10月からは「Kyashポイント」がスタートした。ポイントは、バーチャルカード使用時0.5%、リアルカード使用時1%になり、リアルタイムに付与される[5]。
2020年5月1日より、海外実店舗での決済にも対応した新カード「Kyash Card」発行に伴い、従来のリアルカードは「Kyash Card Lite」という位置づけになり、ポイント還元率は0.5%となった[6]。また、発行手数料は300円必要になる。新カード「Kyash Card」はICチップを内蔵、暗証番号やVISAのタッチ決済へ対応し、ポイント還元率は1.0%となる。また、カードの発行手数料が900円必要になる[7]。
2020年8月28日付にKyashの資金移動業登録完了[8]。
2020年9月7日より、資金移動業登録の完了に伴いKyashに銀行口座を登録することで新カード「Kyash Card」を発行する際に必要になる本人確認書類不要で発行ができるようになった[8]。
また、それと同時期に銀行口座入金サービスが開始し、最初は10行で開始されたが[9]、10月19日に三菱UFJ銀行口座に[10]、11月24日にジャパンネット銀行(現:PayPay銀行)口座に[11]、2021年2月4日に住信SBIネット銀行に対応し[12]、2021年6月3日にソニー銀行と群馬銀行に対応し[13]、現在は15行使える。
銀行口座出金サービスも開始し、決済や送金、出金に利用できる残高を出金手数料220円を払い日本国内にある銀行に出金ができる[14]。
さらに不正利用補償制度も開始し[15]、開始前までは規定により補償不可だったが、本人確認アカウントに限り一定の条件下で不正利用の補償サービスを開始できるようになった。
2020年11月17日よりKyash Cardユーザーに限り3Dセキュア(VCAS)機能の実装し、これにより3Dセキュア必須の加盟店等で利用可能になった[16]。
2020年12月1日に、入金された残高に対して1%のKyashバリューを付与するサービス「残高利息」を同月8日から開始すると発表した[17]。しかし、当初は想定していなかった混乱が生じる懸念があるとして、金融庁や提携企業との協議のうえ、同月7日にサービスのリリースを一旦中止し、サービス名及びその内容を見直すことを発表した[18][19]。
2021年5月11日には共有口座がスタートし、新たにアプリ上でパートナーや家族、友人と支出や残高の共有が可能な「共有口座」が作成できるようになった[20]。
同年5月31日には従来のプリペイドカードでは支払うことができなかったガソリンスタンドでの支払いが[21]、7月6日にはサブスクリプションサービスでの支払いがKyash Cardで可能になった[22]。
同年7月13日から後払いタイプの入金方法「イマすぐ入金」機能の提供が開始された[23]。
株式会社Kyash
編集種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒107-0061 東京都港区北青山1丁目2番3号 青山ビル12階 北緯35度40分23秒 東経139度43分23秒 / 北緯35.67306度 東経139.72306度座標: 北緯35度40分23秒 東経139度43分23秒 / 北緯35.67306度 東経139.72306度 |
設立 | 2015年1月23日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 9011001103831 |
事業内容 | ウォレットアプリ「Kyash」の運営 |
代表者 | 鷹取真一(代表取締役CEO) |
資本金 | 27億7,493万円 |
主要株主 |
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外部リンク |
kyash |
三井住友銀行出身の鷹取真一が古巣である三井住友銀行や伊藤忠商事の出資を受け2015年1月に創業[26]。Kyash VISAカードの決済による加盟店手数料やチャージ残高の運用益を主な収益源としている[2][27]。
脚注
編集出典
編集- ^ a b “人気送金アプリ、復旧の目途は? Kyashのオートチャージ機能制限、発生6日目”. J-CASTニュース. (2018年11月8日) 2019年6月15日閲覧。
- ^ a b “個人間送金アプリ「Kyash」 手数料ゼロの理由とは?”. 東証マネ部!. 株式会社東京証券取引所 (2017年4月22日). 2019年6月15日閲覧。
- ^ 『「Kyash」本日より店舗でGoogle Pay 対応』(プレスリリース)株式会社Kyash、2018年10月9日 。2019年6月15日閲覧。
- ^ “Kyash、企業が自社ブランドのVisaカードを即時発行できる「Kyash Direct」をローンチへ——Fintechファストトラックプログラムにも参加”. BRIDGE. (2019年4月25日) 2020年9月20日閲覧。
- ^ 『本日より「Kyashポイント」がスタートします』(プレスリリース)株式会社Kyash、2019年10月1日 。2020年9月20日閲覧。
- ^ 『Kyashポイント還元率のご案内』(プレスリリース)株式会社Kyash、2020年3月18日 。2020年5月5日閲覧。
- ^ “4月以降もずっと1%還元のKyash Card、アプリから発行申込開始”. BCN+R. (2020年2月25日) 2020年5月5日閲覧。
- ^ a b “【重要】一部サービス変更を伴うアップデートのお知らせ”. 株式会社Kyash (2020年8月28日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “本日より銀行口座からの入出金に対応”. 株式会社Kyash (2020年9月7日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “三菱UFJ銀行からの入金に対応しました”. 株式会社Kyash (2020年10月19日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “ジャパンネット銀行からの入金に対応しました”. 株式会社Kyash (2020年11月24日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ 『ウォレットアプリ「Kyash」へのチャージ機能提供のお知らせ』(プレスリリース)住信SBIネット銀行株式会社、2021年1月26日 。2022年7月20日閲覧。
- ^ “ソニー銀行・群馬銀行からの入金に対応しました”. 株式会社Kyash (2021年6月3日). 2021年7月15日閲覧。
- ^ “銀行口座からの入金、出金について”. Kyash HELP. 株式会社Kyash. 2021年7月15日閲覧。
- ^ “不正補償制度がはじまります”. 株式会社Kyash (2020年9月7日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “本人認証サービス(3Dセキュア)に対応しました”. 株式会社Kyash (2020年11月17日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “Kyash、残高に年利1%の利息を付与する「残高利息」を提供へ”. CNET Japan (2020年12月1日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年12月7日). “Kyash、年利1%の「残高利息」をサービス開始前日に中止”. Impress Watch. 2023年5月29日閲覧。
- ^ “スマホ決済Kyash、残高利息を見送り 開始時期は未定”. 日本経済新聞 (2020年12月7日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ “「共有口座」スタート!大切なひとと、支出や残高を共有しよう”. 株式会社Kyash (2021年5月11日). 2021年7月15日閲覧。
- ^ “ガソリンスタンドでKyash Cardが利用可能になります”. 株式会社Kyash (2021年5月28日). 2021年7月15日閲覧。
- ^ “サブスクリプションサービスの決済でKyash Cardが利用可能になります”. 株式会社Kyash (2021年7月6日). 2021年7月15日閲覧。
- ^ “欲しいものはイマ、お支払いは後で。「イマすぐ入金」の提供開始!”. 株式会社Kyash (2021年7月13日). 2021年7月15日閲覧。
- ^ “Kyash、銀行介さぬ法人送金 ギグワーカーの報酬支払いプラットフォームに”. ITmediaビジネスオンライン. アイティメディア (2021年12月23日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ “株式会社Kyashが「支払口座切替機能」で特許を取得 - Kyash プレスリリース”. www.kyash.co. 2023年5月29日閲覧。
- ^ “送金を身近に リアルカードで決済シーンも拡大 「Kyash」の戦略を聞く”. ITmedia Mobile. (2018年8月15日) 2019年6月15日閲覧。
- ^ “スマホ個人間送金のKyash、サービス発表と同時にシリーズAで10億円超を調達”. TechCrunch Japan. (2016年12月14日). オリジナルの2021年1月28日時点におけるアーカイブ。 2020年9月20日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- Kyash (@kyashjp) - X(旧Twitter)
- Kyash (kyashjp) - Facebook