コンテンツにスキップ

ジャクマリャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
血の復讐の危険にさらされた人が避難のために使用した塔。アルバニア北部のセシ(Thethi)にて

ジャクマリャアルバニア語: Gjakmarrja)、ハクマリャアルバニア語: Hakmarrja)、あるいは血の復讐血の報復血讐とは、単に「カヌン」(Kanun)とも通称されるアルバニア人の氏族の歴史的な掟「レク・ドゥカジニ英語版の掟」(アルバニア語: Kanuni i Lekë Dukagjinit)の中で認められている、殺人に対して殺人で報いることを認める定め[1][2]

報告によると[3]、ジャクマリャに基づいた報復殺人の事例が、共産主義政権崩壊に伴う秩序の崩壊によって、法による統制が失われたアルバニアの辺境部、特にアルバニア北部地方でみられる一方、コソボでは希であるとしている。アルバニア・ヘルシンキ委員会によると、報復殺人の広がりは、法治体系の機能不全が原因であると見ている。

ティラナ大学の法学の教授イスメト・エレジ(Ismet Elezi)は、カヌンで認められた血の復讐では報復による殺人を認めているが、その中では何人を殺害してもよいかを定め、女性や子供、老人に対する殺害を厳しく禁止しているという[4]

アルバニアの作家イスマイル・カダレは、ジャクマリャはアルバニアに固有の特徴ではなく、歴史的にはバルカン半島全域に広くあったものと考えている[5]。カダレの小説『砕かれた四月』に基づくブラジルの映画『Abril Despedaçado』では、先祖の代より続いてきた2つの地主の家系の間での血の復讐を取上げている。映画では、舞台をアルバニアではなく1910年のブラジルの荒地としている。

参考文献

[編集]
  • Diana Gellçi (2005): GJAKMARRJA: Albanian Highlander's "Blood Feud" as Social Obligation, AIIS, Tirana, Albania

注釈

[編集]
  1. ^ Guillaume Bonnet (2007年8月8日). “【動画】アルバニア、「血讐」におびえる家族 国際ニュース : AFPBB News”. AFP. 2008年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月7日閲覧。
  2. ^ 海外安全ホームページ”. 日本国外務省 (2005年4月26日). 2007年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月7日閲覧。
  3. ^ http://judgments.fedcourt.gov.au/2004/J040860.yes.doc.htm
  4. ^ http://www.rferl.org/features/2001/10/12102001123602.asp "Albania: Blood Feuds -- Blood For Blood", in Radio Free Europe / Radio Liberty, by Jolyon Naegele
  5. ^ http://pajtimi.com/faqebrenda.php?newsID=40&lang=eng This Blood Feud with Kalashnikov is Barbarian, by Ismail Kadare

外部リンク

[編集]
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy