井口時男
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井口 時男(いぐち ときお、1953年2月3日 - )は、日本の文芸評論家、俳人。
経歴
[編集]新潟県南魚沼市出身。長岡工業高等専門学校三年修了退学後、東北大学文学部卒業。1983年、中上健次論「物語の身体」で群像新人文学賞評論部門受賞。1987年7月、最初の著作『物語論/破局論』を論創社から上梓。1990年、永山則夫の日本文芸家協会入会拒否事件で、柄谷行人らに続いて協会を退会。12月、東京工業大学助教授、のち教授。1991年、湾岸戦争への自衛隊派遣に抗議し、柄谷行人、中上健次、津島佑子、田中康夫らとともに『湾岸戦争に反対する文学者声明』を発表する。1994年、評論集『悪文の初志』で平林たい子文学賞受賞。1997年、『柳田國男と近代文学』で伊藤整文学賞受賞。2011年、東工大を退職。2020年、『蓮田善明 戦争と文学』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞[1]。2023年、句集『その前夜』により、第78回現代俳句協会賞受賞。
著書
[編集]- 『物語論/破局論』(論創社、1987)
- 『悪文の初志』(講談社、1993)
- 『柳田國男と近代文学』(講談社、1996)
- 『批評の誕生/批評の死』(講談社、2001)
- 『危機と闘争――大江健三郎と中上健次』(作品社、2004)
- 『暴力的な現在』(作品社、2006)
- 『少年殺人者考』(講談社、2011)
- 『永山則夫の罪と罰――せめて二十歳のその日まで』(コールサック社、2017)
- 『蓮田善明 戦争と文学』(論創社、2019)
- 『大洪水の後で――現代文学三十年』(深夜叢書社、2019)
- 『金子兜太――俳句を生きた表現者』(藤原書店、2021)
句集
[編集]- 『天來の獨樂』(第一句集、深夜叢書社、2015)
- 『をどり字』(第二句集、深夜叢書社、2018)
- 『その前夜』(第三句集、深夜叢書社、2022)
共著
[編集]- 『文学を科学する』(岩山真・徃住彰文共著、朝倉書店、1996)
脚注
[編集]- ^ “令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について”. 文化庁 (2020年3月4日). 2020年6月6日閲覧。