新俳句人連盟
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新俳句人連盟(しんはいくじんれんめい)は、日本の俳句団体。戦前に弾圧を受けた新興俳句運動、プロレタリア俳句運動に関わった俳人が中心となり、1946年5月に設立。
概要
[編集]設立時の幹事長は栗林一石路、のち委員長制となり石橋辰之助[1]が就任。戦時中の翼賛組織日本文学報国会俳句部会の俳壇支配に対し、民主的俳句運動を推進することを意図して組織された。活動目的として、俳句本質の究明、現代俳句の確立、封建的結社制度と意識の排除などを掲げた。同年11月より機関誌『俳句人』創刊。しかし翌年、政治と文学の問題をめぐり連盟内で対立が起こり、秋元不死男、西東三鬼、富澤赤黄男、平畑静塔などの有力俳人が脱退し、後に現代俳句協会を設立。以後は一石路、赤城さかえ、橋本夢道、古沢太穂、横山林二、見學玄、佐藤雀仙人らが政治性・社会性を鮮明にした活動を展開し、一石路の死後は古沢太穂が長きに渡り牽引した。会員は2008年に1000人に到達。地方支部は35を数える。また1972年より新俳句人連盟賞、評論賞(会員、非会員問わず応募可能)を公募、主催している。
歴代幹事長・委員長・会長
[編集]- 栗林一石路(1946年就任・幹事長)
- 石橋辰之助(1948年就任・委員長)
- 栗林一石路(1949年就任・委員長)
- 石原沙人(1952年就任・委員長)
- 栗林一石路(1953年就任・委員長)
- 古沢太穂(1955年就任・委員長、1976年より会長)
- 石塚真樹(1986年就任・会長)
- 谷山花猿(1998年就任・会長)
- 敷地あきら(2000年就任・会長)
- 飯田史朗(2016年就任・会長)
※設立当初は幹事長制、1948年から委員長制、1976年からは会長制)
連盟事務所
[編集]〒114-0022 東京都北区王子本町1-28-14 電話・FAX 03-3909-1189
賞
[編集]新俳句人連盟賞
[編集]- 第1回(1973年)- 森下草城子「紙の船」
- 第2回(1974年)- 野ざらし延男「吐血の水溜り」、松本円平「一打黄葉」
- 第3回(1975年)- 該当者なし
- 第4回(1976年)- 二見杏路「藁」
- 第5回(1977年)- 望月たけし「二月の星座」、渡辺知秋「山谷雑唱」
- 第6回(1978年)- 板垣好樹「はらからの花」、えつぐ・まもる「波止場・夏」
- 第7回(1979年)- 谷山花猿「昭和末代」
- 第8回(1980年)- 吉武夏江「冬から秋」
- 第9回(1981年)- 松田ひろむ「埠頭」
- 第10回(1982年)- 石川貞夫「雑唱」
- 第11回(1983年)- 田中千恵子「抱擁」
- 第12回(1984年)- 坪田和夫「薔薇くちびる」
- 第13回(1985年)- 該当者なし
- 第14回(1986年)- 佐藤凍虹「八月の枕」、鈴木節子「夏ひとで」
- 第15回(1987年)- 畑晩菁「非核都市」
- 第16回(1988年)- 該当者なし
- 第17回(1989年)- 粥川青猿「方形の原野」
- 第18回(1990年)- 吉田海「声のなか」
- 第19回(1991年)- 該当者なし
- 第20回(1992年)- 森洋「定時の十指」
- 第21回(1993年)- 該当者なし
- 第22回(1994年)- 工藤博司「東北」、中村重義「さむい夏」
- 第23回(1995年)- 成清正之「崩壊」、鈴木映「舞鶴湾」
- 第24回(1996年)- 丸山美沙夫「沖縄の拳」
- 第25回(1997年)- 該当者なし
- 第26回(1998年)- 須田紅楓「清掃工場から」
- 第27回(1999年)- 該当者なし
- 第28回(2000年)- 岡崎万寿「青い閃光」
- 第29回(2001年)- 該当者なし
- 第30回(2002年)- 飯田史朗「アフガン今」、吉平たもつ「男ゆび」
- 第31回(2003年)- 佐藤秀子「出発」、田島一彦「一揆谷」
- 第32回(2004年)- 該当者なし
- 第33回(2005年)- 該当者なし
- 第34回(2006年)- 後藤蕪村「戦傷」
- 第35回(2007年)- 該当者なし
- 第36回(2008年)- 市川花風「十二月八日」、伊東健二「唇の微熱」
- 第37回(2009年)- かわにし雄策「暖流の幅」
- 第38回(2010年)- 権藤義隆「罌粟坊主」、渡辺をさむ「非戦」、南卓志「麦青む」
- 第39回(2011年)- 万葉太郎「壊滅地帯」、谷川彰啓「日出生台」
- 第40回(2012年)- 該当者なし
- 第41回(2013年)- 該当者なし
- 第42回(2014年)- 三井淳一「泌尿器」
- 第43回(2015年)- 該当者なし
- 第44回(2016年)- 該当者なし
新俳句人連盟賞評論賞
[編集]- 第1回(1973年)- 第3回(1975年) 該当者なし
- 第4回(1976年)- 吉武夏江「橋本夢道の俳句とリアリズム」 ※努力賞
- 第5回(1977年)- 第6回(1978年) 該当者なし
- 第7回(1979年)- 板垣好樹「民衆詩としての序説」 小林道夫「言葉のあれこれ」 ※ともに佳作
- 第8回(1980年)- 小林道夫「不確実性時代の言葉 -兜太、完市について-」 ※佳作
- 第9回(1981年)- 板垣好樹「赤城さかえの一石路批判」 ※佳作
- 第10回(1982年)- 竹本義人「朝顔の鎖」 ※選外佳作
- 第11回(1983年)- 鶴巻ちしろ「人間存在への旅立ち」 ※佳作
- 第15回(1987年)- 鶴巻ちしろ「正岡子規における『近代』」、田中千恵子「緋おどし俳人の経歴書」
- 第16回(1988年)- 第18回(1990年) 該当者なし
- 第19回(1991年)- 細井啓司「『戦争が』の句とそのリアリズム」
- 第20回(1992年)- 野原輝一「プロレタリア俳句とその周辺」
- 第21回(1988年)- 第40回(2012年) 該当者なし
- 第41回(2013年)- 平敷武蕪「のざらし延男序論 -現代俳句の新しい地平-」
- 第42回(2014年)- 第44回(2016年) 該当者なし
出典
[編集]- ^ 『新俳句人連盟70年 -歴史と作品-』「新俳句人連盟年表」p515-516、p525-526
参考文献
[編集]- あらきみほ 『図説 俳句』 深見けん二監修、日東書院、2011年
- 『現代俳句大事典』普及版、三省堂、2008年
- 『新俳句人連盟70年 -歴史と作品-』新俳句人連盟、2016年