コンテンツにスキップ

SuperCard

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SuperCard
開発元 Solutions Etcetera
最新版
4.8.1 / 2020-02-27
対応OS System 6, System 7, Mac OS 8, Mac OS 9, Mac OS XmacOS Mojaveまで(macOS Catalina以降では動作しない)
種別 ハイパーメディア, 開発
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト www.supercard.us
テンプレートを表示

SuperCardは、Mac OS 8およびMac OS 9、Mac OS X〜macOS Mojaveまでで動作する高水準開発環境である。これは、HyperCardから影響を受け、より豊富な言語、完全なGUIツールキット、およびネイティブカラー(HyperCardの場合はAppleまたはサードパーティがアドオンを提供していたのとは対照的に)が含まれている。

SuperCardで使用されるプログラミング言語はSuperTalkと呼ばれ、主にHyperCardの言語であるHyperTalkに基づいている。コア言語に加えて、SuperTalkはAppleScriptなどのOSAベースのスクリプト言語やシェルコマンドを呼び出すことができる。この言語は、いわゆる外部、つまりネイティブルーチンのように見えるコンパイル済みコードのチャンクで拡張できる。

SuperCardを使用して作成されたプログラムは、IDE自体の内部で実行することも、ユーザーが作成したプログラムやリソースをSuperCardが使用する実行エンジンと組み合わせる「スタンドアロン」として実行することもできる。

歴史

[編集]

初期の頃

[編集]

SuperCardはBill Appleton英語版によって最初に作成され、1989年にSilicon Beach Software英語版によって公開された。1990年、Silicon BeachはAldus Corporationに買収された。Aldusは、AppleEventsのサポート、グラフィック機能の強化、およびその他のいくつかの改善を施した、バージョン1.6のSuperCardをリリースした。

1990年代半ば

[編集]

1994年2月、サンディエゴのAllegiant TechnologiesがSuperCardを買収した。Allegiantはいくつかのバージョンのソフトウェアをリリースし、1995年のMacUser Editor's Choice for Best New Multimedia-Authoring Applicationに選ばれた。1994年6月にリリースされたSuperCardバージョン1.7には、QuickTimeのサポートやSwitch文など、いくつかの重要な機能強化が含まれた。同年12月、バージョン2.0がリリースされた。これは最初のPowerPCネイティブバージョンで、新しいマシンの以前のバージョンよりもはるかに高速になった。また、このバージョンではStandalone Makerと呼ばれるアプリケーションが導入された。これは、実行可能なSuperCardプロジェクトのリソースフォークを編集する機能にフロントエンドを置いた。SuperCardは常にスタンドアロンの実行可能アプリケーションを作成することができたが、このツールによって初心者ユーザーが参入する上での障壁は下げられた。バージョン2.0と2.5は日本語版としてリリースされた[1]

1990年代後半

[編集]

その後、フル24ビットカラーのサポートやフィルムストリップ機能の改善などの機能を含むSuperCardのいくつかのバージョンがリリースされた。1996年の初めに、Marionetと呼ばれる新しいコンパニオン製品がリリースされた。このアドオンにより、プロジェクトはローカルネットワークまたはインターネットを介して通信できた。それから20か月後、SuperCardの3番目のバージョンがリリースされた。この新しいバージョンでは、ユーザープロパティをサポートする新しいプロジェクトファイル形式と、まったく新しいプロジェクトエディターが採用された。

Allegiantの目標は、Macintosh製品を革新し続けながら、Windowsランタイム環境(Macで編集、WindowsまたはMacで実行)、そして最終的にはWindowsオーサリング環境を提供することであった。同社はWindowsバージョンのSuperCardを一般に公開するために3つの異なる試みを行った。1つ目は、製品の真の「ポート」(Windowsの編集環境とランタイム環境の両方を含む)であり、時間がかかりすぎて非常に不安定であった。2つ目の試みはSuperCardのほとんどの機能をサポートするランタイムのみの環境を作成することであったが、当時のWindowsへの移植の基礎としてMacintoshソースコードを使用することは不可能であると判断されたため、新しいエンジニアとともにまったく新しいコードをベースとして、ゼロから作成された。このバージョンはより安定していたが、最終的には市場に出ることはなかった(ただし、Roadsterプラグインの基礎を形成することにはなった。下記を参照)。3番目の試みは、これは、QuickTimeベースの環境を提供して、SuperTalk言語を使用してQuicktimeベースの開発およびオーサリングツールを作成することであった 。これは非常に短期間ではあったが、QuickTime Interactive(QTi)に関連するAppleとの対談に基づいたものであった。

最終的に、1996年に同社は「プロジェクト」(スタックのSuperCard版)を実行するために、Roadsterと呼ばれるSuperCardのブラウザプラグインを作成した。RoadsterはSuperCardの機能のサブセットをサポートしていたが、これはWebプラグインであるため、SuperCardコンテンツをWindowsで再生できるのはこれが初めてであった。

1998年5月、Incwell DMGはAllegiantからSuperCardとすべての関連製品を買収した。その後まもなく、バージョン3.5が発表された。1998年10月にようやくリリースされたこのバージョンは、以前のバージョンよりも高速で、QuickTime 3、ドラッグアンドドロップなどをサポートしていた。

1999年にリリースされたバージョン3.6は、日本語バージョンと多くの内部改善をもたらした。

21世紀

[編集]

2002年に、SuperCardは4回目に買収された。今回は、IncWell向けのSuperCardを開発していたSolutions Etceteraが製品を買収し、バージョン4を発表した。この新しいバージョンでは、Mac OS Xのサポート、完全なテーマへの準拠、それに対応する幅広いユーザーインターフェイス要素が導入された。

それ以来、4.8までのバージョンがリリースされ、改善とバグ修正、Appleの新しいIntel-ChipベースのMacのネイティブサポート、IDEの機能強化、拡張数値精度、アンチエイリアス処理された描画グラフィックス、および拡張シェルサポートが提供されている[2]

SuperCardは、32ビットアプリケーションでありmacOS Catalina以降では動作しないため、Appleシリコン搭載Macには対応しない[3]

参考文献

[編集]
  1. ^ "The online MacinStuff Times" SuperCard 2.5 Japanese Version Ships”. www.informedusa.com. 2018年6月6日閲覧。
  2. ^ Introducing SuperCard 4.8”. www.supercard.us. 2018年6月6日閲覧。
  3. ^ SuperCard in Parallels”. supercard.us. 2024年2月7日閲覧。

外部リンク

[編集]
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy