于

漢字

于

• 部首: 二二 + 1 画
• 総画: 3画3

• 異体字 : 亏（本字）, 於（後起字/繁体字）, 𣗲
• 筆順 :

字源

• 象形。原字は「竽」と呼ばれる管楽器を象り、筆画を大幅に省略して「于」の字体となる。漢語｛竽 /*w(r)a/｝を表す字。のち仮借して場所を表す助詞｛于 /*wa/｝に用いる。
  • 『説文解字』では「丂」+「一」と分析されているが、甲骨文字の形を見ればわかるように、誤った分析である。

甲骨文字	金文	簡帛文字	小篆	流伝の古文字
殷	西周	戦国時代	《説文》 （漢）	《六書通》 （明）

関連字

「于」を音符とする形声文字 （諧声域＝*WA）

		見母	溪母	匣母	影母	曉母
一等	平声 模韻		刳扝郀挎𢎰鮬		洿汚杇圬釫𢎰盓扝	恗
	上声 姥韻			鄠𪄮洿𡜂
	去声 暮韻		絝袴胯跨	瓠 （並母：鮬𩢕𩣔）	汙 （過韻：侉）
	入声 鐸韻
		見母	溪母	匣母	影母	曉母
二等	平声 麻韻		誇䠸夸姱跨胯	釫		𧪮
	上声 馬韻		跨骻㡁銙		-	-
	去声 禡韻		跨胯
	入声 陌韻
		見母	溪母	云母	影母	曉母
三等A	平声 虞韻		（滂母：荂） （支韻：虧）	于迂盂邘雩𦏴竽玗芋汙䣿杅釪𧘘骬𠌶謣䩒䢓𦱃	紆䩒陓扜迂䣿㝼虶	訏吁雩㽳盱𦀒扜𠌶荂𢖳䣿旴䩒㰭
	上声 麌韻			宇 （邪母馬韻：䵦）	迂	𦀒冔
	去声 遇韻			芋吁
	入声 藥韻			（月韻：粵）

意義

1. （感動の声）「あぁ」
2. （場所を表わす助詞）～に、～で
   • 同義字:「於」「乎」

語源

• シナ・チベット祖語 *wa （行く）より派生。文法化されて助詞となった。
  • チベット語 འགྲོ 、ビルマ語 သွား 、チェパン語 wah- 等と同根。

日本語

表外漢字

音	漢音: ①ウ、②ク 呉音: ①ウ、①ユ、②ク
訓	訓読み: ここ-に、ああ、おい-て、よ-り、を (助詞)、に (助詞)、いわ-く[いはく]、ゆ-く

中国語

于 *

• ローマ字表記
  • 普通話
    • ピンイン: yú（yu2）
  • 広東語
    • イェール式: yu1

介詞

于 (yú,  (繁): 於)

1. （場所）～で。
   • 類義語: 在
2. （方向）～に。
   • 類義語: 向
3. （対象）～に。
   • 類義語: 到, 对, 给
4. （由来）～から。
   • 類義語: 自, 从
   • 青出于蓝
5. （比較）～より。
   • 類義語: 比
6. （受身に用い）～により。

接尾辞

于 (yú,  (繁): 於)

1. 形容詞を構成。
   • 善于、富于
2. 動詞を構成。
   • 等于、在于、位于、归于、属于、处于、至于（不至于）、便于、忠于

熟語

• 于是
• 终于
• 由于
• 关于
• 对于
• 甚至于
• 过于

朝鮮語

于 *

• ハングル: 우
• 音訓読み: 갈 우, 여기 우, 만족할 우, 탄식의 어조사 우
  • 文化観光部2000年式: u
  • マッキューン＝ライシャワー式: u

ベトナム語

于 *

• ローマ字表記
  • チュ・クォック・グー: vu

文字情報

于 U+4E8E, 于 CJK 統合漢字-4E8E ← 亍 [U+4E8D] CJK統合漢字 亏 → [U+4E8F]

文字コード (文字集合規格)

-	Unicode: U+4E8E
日	JIS X 0213/0208: 1面48区18点 [第2水準] (Shift_JIS=0x98B0, EUC-JP=0xD0B2, ISO-2022-JP=0x5032) MJ文字図形: MJ006439
中	GB18030: 0xD3DA
台	Big5: 0xA45F CNS 11643: 1面 0x4440
韓	KS X 1001: 0x694D

• 四角号碼: 1040₀
• 倉頡入力法: 一木 (MD)

字典掲載

康熙字典	86ページ, 6文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	252
新潮日本語漢字辞典 (2008)	135
角川大字源 (1992)	83
講談社新大字典 (1993)	214
大漢語林 (1992)	117
三星漢韓大辞典 (1988)	177ページ, 4文字目
漢語大字典 (1986-1989)	1巻, 4ページ, 5文字目