狐の王国

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不況や就職難の原因は警察と検察とメディア

で、就職難の原因は一体なんなんだよという記事。2chまとめとしてはめずらしく真面目に意見を出し合ってておもしろかった。

いま日本にいるので周囲の高校生などともその話題を話した。今は半分の人しかまともな職にはつけない時代だから、その半分に入るためにはどうしたらいいのか、というようなことを。入れなければ一生アルバイトでもして暮らしてくしかないものね、と言ったら衝撃的な顔をされたのだが、我々団塊Jr世代が味わった就職難とは現実そういうものである。

ところで先日、Skypeに大きな障害が発生し、ニュースになっていた。

注目して頂きたいのはこれらはあの「日本経済新聞」の記事であることだ。

Skypeがなんなのかは日経の記事を参照してもらうとして、数年前から通話だけでなくチャットでも利用頻度が非常に増えた。オフライン中のグループチャットもあとからログが見られるのでとても便利なのである。
タイにいるときも日本への電話によくSkypeを使っている。国際通話が安くて便利。還歴を迎えようとしてる両親も「ただで国際電話かけれるよ、ビデオ付きで」と言ったら早速導入してちょくちょく連絡してくる。若い頃に万博で見たテレビ電話がこうして実現してるのがどうも感慨深いらしい。

こんなにSkypeを使ってるのは自分の周囲だけかなと思ってたのだがどうも違うようだ。日経新聞に載るということはSkypeの障害がそれだけ経済的なインパクトがあるということだろう。

さてそのSkype、どこの国でどうして開発されたかご存じだろうか。

Skypeエストニア生まれ。ニコラスとヤヌスという2人のプログラマーによって開発された。この2人はSkype以前、KaZaA というP2Pファイル交換ソフトを開発し、配布していた。Skypeの技術はKaZaAから生まれたものだ。

日本でP2Pファイル交換ソフトというと、WinnyやShareといったものが有名だ。特に前者は開発者が逮捕されたことで大きく物議を醸した。

P2Pファイル交換ソフトが主に「悪用」されてることは俺も十分承知している。WinnyのようにKaZaAもまた、何度も法定で争う事態になっていた。それもエストニアではなく、オーストラリアやオランダで。

さあなぜWinnyを開発した金子勇氏はニコラスとヤヌスになれなかったのか。

そりゃあ日本の警察とメディアがバカだからだ。先日のLibrahack事件でも警察はあいかわらずソフトウェアの特性を理解しようとしていない。ソフトウェアの開発者を逮捕したところでソフトウェアの問題は解決しないことをまったく学習していない。

ソフトウェアの行為はソフトウェアとユーザーによって行われるのであって、開発者が行ってるわけじゃないのである。開発者を逮捕したところでソフトウェアは止まらないということを警察はまったく理解してない。

メディアもそうだ。記者の専門性を無視してるのか知らんが、ホントにド素人が書いたような記事ばかり。Librahack事件では朝日新聞がまともな記事を書いててくれてうれしかった。

Winnyの時はこんな記事もなく、ただただ「P2Pは悪いもの」というだけの報道ばかりが目立った。おかげで社内ネットワークであらゆるP2P通信を遮断され、いまだにSkypeも使えないという会社まであるそうだ。

俺だって無邪気に警察が金子氏を逮捕しなければ日本でSkypeが開発されてたなどと言うつもりはない。実際Winnyにはいろいろ問題も多かった。

だがやり方を間違えてたことだけは指摘しておかなくてはいけない。ソフトウェアによる犯罪で、警察がすべきことは「開発者にどうにかさせる」ことであって「開発者を拘束する」ことではないのだ。なぜならソフトウェアは「書かれた通りに動く」ものであって、書く主体は開発者。書き直せるのも開発者なのである。そしてソフトウェアは「走らせる」ものであり、走らせる主体は一人一人の使用者だ。

開発者はソフトウェアを走らせる主体でもなければソフトウェア自身でもない。開発者を拘束・逮捕したところで走ってるソフトウェアは止められない。

こうしたソフトウェアに関する基本的なことすらいまだに押えずに、警察はその公権力を行使し、さらに拡大しようとしている。

実際Winnyは止まったか。止まるはずが無い。

Winnyは単に違法ファイルを交換する目的で使用されてると思われがちだし実際にそうした利用が大部分であることは事実だが、実は掲示板機能の内蔵といったコミュニケーション方面での拡張も進んでいた。

KaZaAは違法ファイル交換から抜け出し、Skypeを生み出した。2人のプログラマーSkypeで起業し、26億ドルもの高値で売却した。これも開発者が逮捕されなかったからこそだ。

Winny開発者逮捕は、WinnySkypeになれなかっただけのことではない。その後の国内P2P開発そのものを停滞させてしまった。その中からSkypeになれるものが生まれたかもしれないのに。

同じことはライブドア事件にも言える。

2005年に起きたこの事件から、ウェブ業界がかなり萎縮したのは事実だろう。実際ライブドアのようにサイト買収で自社を大きくする企業がまったく出てこなくなった。ITや金融といった新しい産業を「虚業」と一蹴し、それに携わる人々をコケにしたかのような警察やメディアの動きは、日本の次世代産業を潰した直接的な理由といってもいいと思う。

197 ハマチ(dion軍) :2010/12/26(日) 00:04:21.28 id:tbblkGIo0
昔は一つの農場に10人必要だった
そして10人で10の農作物を作っていた
しかし技術が進化し、今や一つの農場に必要なのは3人になった
3人で10の作物が作れることになったのだ
当然残りの7人は首にされる
この瞬間失業率は70%に達することになる
しかし一人は自動車会社を、一人は電機を、一人は外食産業を立ち上げ
残りの4人を雇い、失業率は0に。そして日本は成長し続けましたとさ

これが基本的な成長であり、失業率70%の部分が成長、改革の痛み
でそれを円滑に行うには解雇規制の緩和や法人税の減税が必要

で、就職難の原因は一体なんなんだよ

産業が効率化され人員がさほどいらなくなれば、新しい産業がそれを吸収しなくては働き口が無くなるのはあまりにもあたりまえのこと。

その新しい産業とはITであり金融だった。それを潰そうとしたのは誰か。そこで日本の競争力を削いだのは誰か。

そいつが今の就職難の最大の戦犯であることは間違いない。

何度も言ってるが、Gigazineの日本製ガジェット記事をGizmodoが英訳して伝える未来はあったはずなのだ。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>
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