Haswell世代のデュアルソケットCPUである Xeon E5-2600 v3 シリーズの最上位CPUである Xeon E5-2699 v3 と Xeon E5-2697 v3 を実際に使ってみる機会があったので、ベンチマークをとってみました。
前世代である v2 世代の最上位である Xeon E5-2697 v2 も含めてスペックは下表の通りです。
CPU | コア数 | 定格周波数(GHz) |
---|---|---|
Xeon E5-2699 v3 | 18 | 2.3 |
Xeon E5-2697 v3 | 14 | 2.6 |
Xeon E5-2697 v2 | 12 | 2.7 |
前世代のCPUよりも定格周波数は下がっているものの、CPUコアは2~6コア増えています。
それぞれのCPUを2CPU搭載したマシンで、AMBER 12 pmemd による古典分子動力学計算(原子数~23,000、周期境界条件)によるベンチマークを実行しました。(Xeon E5-2699 v3 であれば 18コア× 2 CPU で36スレッド並列計算)
また以前に記事にした手法
CentOSにおけるintel CPU ターボブースト動作の確認 - 生物物理計算化学者の雛
により全コア使用時のターボブースト周波数の確認も行いました。
Xeon E5-2699 v3, E5-2697 v3, E5-2697 v2 のベンチマーク結果
定格周波数と比較すると、全コア使用時のターボ周波数はv2世代では +0.3 GHz だったところ、v3世代では +0.5 GHz とより大きく上昇するようになっています。
周波数×コア数によりざっくりと性能を見積もると、定格であってもv2世代と比較すると +11.2%、+27.8% 向上しており、ターボ周波数ではそれ以上の +20.6%、+40.0% となっています。
実際のベンチマーク計算完了までの計算時間も確実に短縮されており、計算時間の逆数を見るとv2世代よりも +28.7%、+37.0% と大きく向上しています。
なお性能が向上したことと引き換えとなったのか、v2世代よりも消費電力は増加していました。
CPU | ベンチマーク実行時消費電力(W) |
---|---|
Xeon E5-2699 v3 | 470 |
Xeon E5-2697 v3 | 443 |
Xeon E5-2697 v2 | 336 |
それにしても、CPU1つに18コアが搭載されるようになるとは・・・コア数が3ケタになる日もそう遠くないのかもしれませんね。