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飲食店で働く人がぶっちゃける“イラっとした客の言動”「『同じのください』は困る」「お冷を人数分出しても結局余る」

唐揚げにレモンをかけるかどうか、配膳された焼き鳥を串から外すかといった、“飲み会マナー”問題は議論になりがちな話題である。串を外す行為については、店側が「やめてほしい」と表明する例も記憶に新しい。ゆえに、作り手側に対しても配慮する姿勢を持ち合わせておきたいところだ。しかし、飲食店での勤務経験がなければ、何が失礼に値するのか判断が難しい。 今回の記事は、居酒屋経営者に「やってほしくないこと」「やられて嫌だったこと」を語ってもらったことをまとめる。参考の一助にしていただければ幸いだ。
居酒屋 注文

画像はイメージです

「普通」の基準は人によって異なるからこそ…

飲食店 店主

渡邊さん

言葉というものは明確に意味や意思を伝達できているようで、意外にそうでないことが多い。同じ表現でも伝わるか否かは、相手との関係性にも大きく左右される。 BARなどの飲食店を経営した経験を持つ渡邊さんには、言われて困るワードがあるという。 「『普通』っていう言葉ですね。例えば、『このよだれ鶏って、普通の辛さですか?』と聞かれたり、『普通のハイボールください』と注文されたり……。『お客様の歩んできた人生の普通まで把握していません』と思ってしまいます(笑)。なかには、『お会計終わったら、普通おしぼり出しますよね』とお怒りになる方もいたりします」 相手の来歴を知っているような相手であれば「普通」の概念も共有できるだろう。しかし、初対面の店員には通じない。同じように「好み」に左右される回答を求められるのが困ると話すのは、仙台市でイタリアンバルを夫婦で営む千葉さん(40代女性・仮名)だ。 「よくいらっしゃるんですが、メニューを指差して『これって、美味しい?』と聞かれるのは困りますね。美味しいと思っているからメニューに載せているので。それから、まるっきり違う料理ふたつを指差して『これとこれはどっちが美味しい?』とおっしゃる方もいますが、『好みの問題』としか言えませんね……」

「同じのください」は困る

利用客が店側に、一方的に「わかっていてくれて当たり前」という感覚で発してしまう言葉に困ることが多いと、前出の渡邊さんは眉をひそめる。 「お代わりの注文の際に『同じのください』とおっしゃる方。十数人いらっしゃるお客様が今何を飲んでいるかなんて、把握できません。さらにもっと困るのが、『同じのください』という言葉に乗じて、同じグループの方が『僕も同じの』とおっしゃられる時ですね。一人目の方と同じのがほしいのか、今のおかわりがしいのか、二つの解釈ができるので、確認すると『わかれよ』みたいな態度をされることも多々で……」
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「お冷、人数分ください」→手をつけない人も多い
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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