塵
雪かきのしがいのある降雪になりましたね。 東北や北陸はもちろん、東京や大阪、西日本でも積雪があるというから相当な寒波でした。 帰宅後、しんしんと雪が降る夜の雪かきは孤独で、でも自分が一人の時間になれた気がします。数十cmクラスの積雪が一週間ぐ…
ちょっと関西に行ってきました。 関西に向かったメインの目的は京都にあったのですが、少し滞在を伸ばして大阪にも立ち寄り、ブログ仲間として十年以上の付き合いになるズイショさん・いぬじんさんと忌憚ない意見交換をしてきたのでした。 人間、胸襟を開い…
2024年は私にとって甚だ辰年らしい一年だった。今年だけは身体に負荷を省みず、昇龍を目指せ。で、2024年が終わった。やるべきことをやってやりたいことができたと思う。そして2025年が始まった。巳年にあやかり脱皮できる一年にしたいものだけれど。 そんな…
2025年が始まった。私は正月に放談をやるのが好きで、今年も例外じゃない。世界全体について、めちゃくちゃなことを書きたい。 去年のお正月に私は、『正月放談・2024年は戦前か?』という文章を書いた。ウクライナ情勢をはじめ、世の中はだんだんきな臭いほ…
50代に自分の人生とか数十年前の時代のことを振り返るとちょうどいい気がするんだけど、じゃあ40代後半は何をすればいいのかな— pha (@pha) 2024年12月29日 50代ほど枯れ切らない、もうちょっと現在のこととか生々しいことをもう少しやるべきなのだろうか— p…
blog.tinect.jp 今年はSNSの騒がしい界隈で45歳で狂うだのなんだのといった言説が流行り、しまいにブロガーの黄金頭さんがご自身の45歳を振り返ってあれこれとおっしゃっていた。私はそれを読み、どうあれご安全に中年期を航行してください、と思った。中年…
togetter.com 最近、「45歳狂う説」なる言説をSNSで見かける。 曰く、45歳まで独身だと狂ってしまう、いやいや、既婚でも狂ってしまう、等々。 だいたい「45歳で」「狂う」ってなんだ? って話ではある。「狂う」とは世間の言葉で、精神医療のテクニカルター…
先日リリースされた『ないものとされた世代のわたしたち』について、お手紙をいただきました。読んでくださった方々に、改めてお礼申し上げます。色々なご指摘・ご感想をいただいていますが、そのなかに「知性」の変化についてお話があったので、拙著に書い…
2024年も残り3か月。短い、という人もいようけど、私は全力疾走してきたので、やっと2024年が終わってくれる、という感覚のほうが強い。今年はとにかくやった。がんばった。気張った。しかし人には限界というものがある。2024年、特に中盤のペースで活動し…
2024年7月は複数の原稿・ご依頼が重なり合い、生きた心地がしなかった。でも、phaさんの『パーティーが終わって、中年が始まる』には目を通してみたくなって、頑張った私へのご褒美として週末に読んだ。この文章では、前半で同エッセイについて簡単に紹介し…
anond.hatelabo.jp 「郊外都市には文化が無い」、というタイトルの文章がはてな匿名ダイアリーを読んだ。 タイトルが、なんだか大きな釣り針だ。ただし、この名古屋近郊に住んでいる筆者はあるていど誠実だ。というのも、 この街の文化と呼べるものに触れ合…
最近、忙しくてブログがなかなか書けないなか、面白そうな話題がTLを駆け抜けていった。togetterに、それがまとめられている。 togetter.com 「昔の方が暴力が横溢していたのに、なぜ今になって不登校やひきこもりが増えているのか」について、いろんな人が…
「年を取るにつれて、自分の健康を気にかけるようになる」、とよく言われる。実際、20~30代の頃には健康だった人が、40~50代と年を取るにつれて高血圧や高コレステロール血症と診断されてにわかに健康リスクを気にしはじめるのはあるあるだし、「改心」し…
これから、ある編集者さんと本づくりをしていた頃のことを書いてみる*1。あらかじめ断っておくと、これは私個人の感想であって客観的な論述ではない。すべての編集者さんがそうだとも、そうであるべきだとも思えない。ただ、私はその編集者さんに引っ張られ…
・丸善京都本店、『人間はどこまで家畜か』刊行記念・熊代亨選書フェア ご好評いただいている『人間はどこまで家畜か』にまつわる本や問題意識が近い本を集めたフェアを、丸善京都本店さんで開催していただいています(ありがとうございます!)。そちらで紹…
※この文章は、黄金頭さんへの返信のかたちをとった、私なりの反出生主義についての考えをまとめた文章です※ blog.tinect.jp こんにちは黄金頭さん、p_shirokumaです。拙著『人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』をお読みくださり、あり…
裏日本出身者から見た東海道新幹線の車窓風景の感想を一言でまとめると、「どこも豊かですね」となる。 ビジネスで大阪と東京の間を行ったり来たりしている人にとって、東海道新幹線の車窓風景なんて一生懸命に眺めるものではあるまい。ありふれた風景がどこ…
土着の宗教としてのスカイツリー pic.twitter.com/r3uGVL85A3— wat_mat (@wat_mat) 2024年2月12日 今朝、通勤中にX(旧twitter)をチラ見したら上のポストが表示されて「わかるわかる! 東京スカイツリーって、おれらのことを見てるよね」と思ったので少しだけ…
cider_kondoのブックマーク / 2024年1月23日 - はてなブックマーク シロクマ先生、今ホッテントリってる意地悪婆さん話もそうだけど、こういう本業と社会の変化踏まえた考察の方が(よく書いてる迷走してるオタク論みたいなのより)圧倒的に面白いよな… こんに…
こんにちは、黄金頭さん。熊代です。 今日はいくらか精神科医っぽいスタンスで返信させていただけたら思います。 1月17日のbooks&appsの寄稿記事、興味深く拝読しました。 不安になったら薬を飲め | Books&Appsはてなブックマーク- 不安になったら薬を飲め |…
新年あけましておめでとうございます。このブログではお正月に世間について放談することがしばしばですが、久しぶりに放談したい気持ちになったので放談します。 7年前の2017年のお正月に、私はこんなことを書いた。 p-shirokuma.hatenadiary.com もう、各方…
私のタイムラインでは、定期的に「人類はASD(自閉スペクトラム症)的な方向に進化していく」「未来の人類はもっとASD的だ」といった内容の文字列が流れていく。そうした文字列を書いている人の属性はさまざまで、そう思っている人が結構いるんだろうなと思っ…
こちらの続き、後編になります。 前編ではブログを18年書き続けてきた自分自身について書いた。ここからはブログをとりまく18年ぶんの社会とか環境とかについて。 この『シロクマの屑籠』が開闢した2005年はブログブームな時期でアーリーアダプターからアー…
2023年も残り一か月になろうとしている。 今年、私はとにかく働いて、創作して、2024年を迎えるための諸準備に追われて、気が付けばブログ18周年だった10月も通り過ぎてしまった。赤ん坊が高校を卒業するぐらいの年月にわたってブログを書き続けるぐらいには…
これから有料記事スペースを使って、「ちょっと昔の精神医療思い出話」と銘打った小話を3~5か月ほどかけて連載してみようと思う。二十余年という月日は精神科医という職業のなかではそんなに長いものではないけれども、ここらで昔を振り返って、自分のこと…
年を取って、報恩、ということを考えるようになった。 報恩。恩に報いること。私には恩義のある人がたくさんいる。そのような人がたくさんいたこと、且つ、そのような人がたくさんいたと認識可能であることは幸福なことだ。このふたつの条件が揃っている人は…
2023年に入ってから働きすぎているが、9月ぐらいから労働が極まってきて、次第に息が詰まりそうになったり睡眠がとりづらくなってきた。実働時間でいえば研修医時代を上回っている気がする。寝ている時間以外、だいたい何かをやっているからだ。 20代や30代…
(この文章はステルスマーケティングではありません) 昨日、ちょっと良い出来事があったのでそのことを書いてみたい。 良いことといっても、くだらないことだ。しかし人間はくだらないことで嬉しくなったりするものだ。起こった内容はタイトルに書いたとおり…
ここしばらく、帰宅してからは布団のうえでゴロゴロしてほとんど過ごしていた。世間的にはそう見えないかもしれないが、私の主観ではゴロゴロしていた。活動性が恐ろしく低い一週間だったと思う。 やる気がないから、大部の原稿を書く力が残っていない。慣れ…
眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た作者:スザンヌ・オサリバン紀伊國屋書店Amazon 今年の6月、共同通信さんのご依頼でスザンヌ・オサリバン『眠り続ける少女たち』の書評を書くミッションに挑んだ。7~8月にかけて全国の新聞に…