1996年に誕生した「麺屋武蔵」グループが伸びていったその一つは「限定メニュー」への取り組みだと思う。それ以前は夏季に冷やし中華を出すくらいがラーメン店における【限定メニュー】だった。しかし「麺屋武蔵」は『ラーメン店にも四季の季節感を出してもいいはず』と季節限定メニューを出し始めた。当初は「季節限定」だったものが、店舗が増えるにつれ、店舗ごとの限定になり、発売期間も短くなり、サイクルも早くなった。もはや全部の限定を食べるのは不可能に近く、最近は気になったものだけを食べるようになった。そして今回も「おっ!」と思うような限定だった。
全国のグルメが注目している新潟の「割烹長吉」。『全国でもトップクラスのおいしい鴨肉を出す店』として知られてきた。その鴨を仕入れてラーメンに仕立て上げるという。
発売期間は3月1,2,3日の3日間のみ。
店舗は「麺屋武蔵神山」(神田)。
メニューは「鴨清湯ら〜麺」2,000円(1日限定20食)と「鴨ご飯」400円。
「割烹長吉」を知っていれば、この価格は破格。ましてや新幹線に乗って行くことを考えれば、尚更だ。
特徴は天然野鴨で銃ではなく、網で捕まえること。そして血抜きを徹底し、生臭さのない鴨本来の味を堪能できると評判。場所がかなり不便なところにあり、私はまだ行けてない。そんな貴重な鴨を使ったラーメン。これは食べなきゃ損ソン。果たして開店のどれくらい前に行けばいいいだろう?迷った末に30分前に行ってみた。近づくと人混みが見えた。「あんなに並んでるのか?」と思ったら、それははす向かいの鰻のお店だった。「武蔵」の前には一人だけ。近づくとラーメン仲間であり、グルメ仲間の河田さんだった。(昔の『超らーめんナビ』の達人の一人)今回の限定で使われる「長吉」(新潟市)にも行ったことがあるとのこと。流石すぎる。「で、何分前に来たんですか?」と聞いたら1時間前とのこと。「長吉」の鴨を都内で食べられるなら、という気持ちの現れのようだが実際に開店するまで私の後続は現れなかった。
開店し、券売機でラーメンとご飯を購入。開店すると後続もどんどん入ってきて、少しすると満席にはなったがこのラーメンを食べているのは私と河田さんだけだ。こんなに貴重な「限定ラーメン」なのに、知られていないのだろう。もったいない。
そして出てきた鴨清湯ら〜麺。まずはスープがおいしい。スープだけで「おぉ〜っ!」と唸ってしまった。次に麺。これも手切り麺なのかな、独特の縮れで心地良い啜り心地。そして注目の鴨。野趣溢れる味わい。ほぉ〜これが全国の鴨好きに注目されている鴨なのか。なるほど〜。そしてそれに合わせる千住ネギがまたおいしい。ご飯もおいしいがやはりラーメンにのっている鴨が抜群。どれくらいネットの口コミが増えるか?だが、これが並ばずに食べられるのは素晴らしい、というか、なんだかもったいない。鴨好きの人はぜひ、食べに行ってください!
※壁に貼ってあったPOPで気が付いたがつけ麺では『スープ一杯おかわり可能』というサービスを行っているようだ。スープは通常の「つけ麺スープ」「濃厚スープ」「辛スープ」とあり、味変も可能。これはスゴい。今度はつけ麺を食べに来て、違うスープのお替わりをしてみよう。