
(引用元:NASA)
こちらは、土星の衛星「ミマス(Mimas)」と「テティス(Tethys)」を並べた合成画像です。どちらも土星探査機カッシーニの撮像システム「ISS(Imaging Science Subsystem)」の狭角カメラ「NAC(Narrow Angle Camera)」を使って取得したデータから作成されています。
巨大なクレーターを持つ2つの衛星は、一見よく似ているようでいて、細部を観察すると明確な違いが浮かび上がってきます。
画像左側は衛星ミマスです。SF映画『スター・ウォーズ』に登場する「デス・スター」を思わせる外観で、激しい隕石衝突の痕跡が数多く見られます。ひときわ目を引く巨大なクレーターは「ハーシェル・クレーター」と呼ばれ、直径約139kmという規模は、ミマスの直径の約35%を占めるほどです。
一方、画像右側は衛星テティスです。こちらも巨大なクレーターが特徴ですが、ミマスとは異なり表面は比較的平坦な領域が広がっている印象を受けます。このクレーターは「オデュッセウス・クレーター」と呼ばれていて、直径約400kmという大きさはテティスの直径の約40%に相当します。
このようにどちらも巨大なクレーターが際立っていますが、それぞれの表面形状や特徴は大きく異なります。その差異こそが、土星系の衛星たちがいかに多様であり、どのような進化の過程をたどってきたかを物語っています。
【▲ 大きさを揃え、見やすくするために回転させた比較動画】
Credit: NASA Visualization Technology Applications and Development (VTAD)
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編集/sorae編集部