美味しんぼを検証してみるその2 パンか肉かそれとも調和か
先週は妹とネットに繋がる通称居間のパソコンを取り合い、更新がままなりませんでしたが、愚妹も今日無事に実家から出て行ったので今週はしっかりエントリーの更新を――と起動した途端にセキュリティエラーが。先週たまに繋いだ時、どうもブラウザの挙動がおかしいなと思ってはいたんですが、やったね晴れてウィルス大発見!\(^o^)/
こう言う時はいない人のせいにするのが美しい日本の伝統です。愚妹、おまえ一体何した。
駆除はしたものの今こうしている間にも何が起こるか分からないイライラ棒見たいな状況の中、何はともあれ、先ずはお待たせしている方々にお返事をとコメントしたためていた所どういう訳だか脱力の超展開に。詳しくは3月12日のエントリーへどうぞ。イヤ、見ない方が良いかな。
そんな訳で、今後の更新スケジュールは未定とさせて頂きます。決まっているのは、取り敢えずこの後泣きながらバックアップとる事だけです。どうでも良いけど、まゆげ朝倉さんのバックアップ(後方支援)って意味、誤解されてるよね?
ハンバーガーの要素 あらすじ
まずは、美味しんぼ9巻 第1話ハンバーガーの要素のあらすじです。
美食倶楽部でもずば抜けた腕を持つ宇田さんは、美食倶楽部をやめてこともあろうにハンバーガーショップを開きたいと言い出します。
「どうしてやめるんですか」
「美食倶楽部の料理は最高です。でもその料理を楽しめるのはごく一部の人だけです。私は料理人です。美味しいものを作って大勢の人に喜んでもらいたいんです」
「しかし、勿体無い。宇田ほどの腕を持ちながら」
「いや中川さん。宇田さんの考え方はしっかりしているよ。独立して和食の店を持とうという発想の方が安易で心配だよ」
普通にハンバーガーショップの方が心配です。
当然、雄山先生にはぼろくそに言われます。(ポイント:雄山はツンデレ)
「おまえは才能があるから、美食の真髄を究めることのできる料理人になれると見込んでいたのに!!」
「そのおまえが、味覚音痴のアメリカ人の食べる あの忌まわしいハンバーガーを!!」
「ここから出て行きなさいよっ!……もう……もう……っ。愚か者には興味ないんだからねっ!顔も見たくないわ!!(意訳)」
さて、山岡さんと栗田さんを巻き込んで、宇田さんはハンバーガーを食べ歩き
「ハンバーガーの命はやはり牛肉ですね。私は思い切りいい肉を使うぞ」
と言う結論に到達しました。
「パンはどうするの」
「昔からの知り合いの線からパン屋を紹介してもらいました」
こうして、美食倶楽部でもずば抜けた腕を持つ(大切な事なので二度言いました)宇田さんは
「うちはその日のハンバーグは、その日に作ります。冷凍保存は手間が省けますが、味が落ちるので絶対にしません」
「玉ねぎもトマトも無農薬栽培の農家と契約しました」
とピンポイントでパンズだけ拘らないハンバーガーの試作品を作ります。そこに現れた雄山。
「――なによ。か、勘違いしないでよね。そろそろ開店と聞いて味を見にきてやった、とかじゃないんだから! …………寄越しなさい。私に背いてまで選んだハンバーガーとやらを(意訳)」
「い、いや、ちょっと待て」
「やかましいっ!! 私と宇田の間の事に 口を挟むなっ!!(デレ)」
さて、一口食べた雄山たん先生は
「ハンバーガーみたいな物を旨いのまずいのと言っても始まらんから、それは言うまい」
「だが……こんな物は売り物にならん!」
「お前を見損なったぞ。宇田。こんな子供だましの食い物一つまともに作れんとはな」
同感です。
さて、山岡は一計を案じて、中松警部に頼んで屋台を出し、宇田のハンバーガーを歩行者天国で売ることにします。
「美味しいと思ったらお金を払ってください。50円で結構です。お気にいらなければ食べかけのを返してください」
私なら、こんな怪しいハンバーガーなんて絶対口に入れませんが。もっとも
「ならばねえと警察にしょっ引くぞ!」
公権力を笠に着た圧力があるならやむを得ません。
果たして、宇田の作ったハンバーガーはみんな返されてしまいます。
「私の作るハンバーガーは50円にも値しないというのか!」
「何故だ。ワールドバーガーあたりで使っている肉の2倍以上する牛肉だけで作って炭火で焼いたハンバーグの味がどうしてわからないんだ。トマトも玉ねぎも最高の品質。ケチャップだってマスタードだって安全で美味しいものなのに」
消去法で原因は一目瞭然だと思います。おまえ、バカだろ?
「言葉で言うのは簡単なんだが……」
一同を寿司屋に誘う山岡。まあ、面と向かって「バカ」とは言いづらいよね。
おもむろにシャリ・ワサビ・ネタを二種類用意させ、それを組み合わせて4種の寿司を握り、食べ比べさせる山岡。
「冷凍マグロの赤身の部分とワサビも粉。いわゆる場末の寿司屋のマグロの握りだな」
「マグロは冷凍マグロの赤身、だけど、ごはんが美味しい! 1番目とは比較にならない美味しい酢飯だわ。でもマグロの味が全然わからなかったわ」
「これは見事な大トロですね。これは凄い。マグロの旨さ、酢飯の素晴らしさ、ワサビも本ワサビ、何もいうことはないです」
そして最後の寿司。
「すみません、お茶をください」
本マグロの大トロに本ワサビ、ただししゃりは最初のまずいシャリの握りを食べ、次々にお茶を要求する宇田さん達。
「本マグロの大トロという寿司から見て最高でも、できあがりの握り寿司では最低の出来だわ」
すいません栗田さん、何言ってるか分かりません。
「本当に」
宇田、おまえはエスパーか。
「素晴らしい大トロだからそれにふさわしい酢飯で握ってやらなければダメなんですよ。」
「そうか。マグロにあたるのがハンバーグ、そして酢飯にあたるのが」
流石にここで気がつく唐変木属性な宇田。
場所は変わって雄山家。宇田のハンバーガーがランチに出される。
「……この前、宇田の店で食べたハンバーガーよりパンの色が濃いな」
「ほう……小麦を精白せずに全粒のままひいた粉を使っている。天然の酵母を使ってこそ出せる濃厚な味だ……」
「むう……どっしりした歯ごたえ……。パンと、中のハンバーグの歯ごたえが釣り合っている」
「この釣り合いの良さがあって初めてトマトと玉ねぎの素材の確かさも楽しめるというもの」
「なるほど……炭で焼いた肉の香ばしさは食欲をあおるな……」
雄山先生、デレ期到来!
「全く……アメリカ人好みの浅ましい食い物だ……」
雄山先生、宇田を奪ったアメリカ人が許せないようです。
「……ちょっと!手が汚れちゃったじゃない!――まったくもう。こんなランチ、二度と出さないでよね!」
手を拭きながら、つぶやく雄山。
「宇田の愚か者めが…… あれほど私が目をかけてやったのに……もう…しらない…」
開店直前の宇田のお店。
突然、大荷物と共にやって来る雄山。運送業者4人がかりで運び込まれた木箱の中には、宇田が去年漬けたピクルスが詰まっていた。
「こんなものは美食倶楽部の客の口にあわん。漬けたお前が責任を持って始末しろ」
しかして、そのピクルスは最高のピクルスであった。
「なるほど。ハンバーガーの付け合せにはピクルスが一番だ」
それには超同感。
「宇田の旦那の店の門出を祝うために届けた、ってわけか」
泣きながら感謝する宇田。それを横目に、ピクルスを齧る山岡であった。
実証。パンと肉の釣り合い。
と言う訳で、検証してみました。
先ず用意するのは某マク○ナルドのハンバーガーとモスのハンバーガーです。マク○の時はそうでもなかったですが、モスの時、ちょっと店員さんが動揺してました。恐らく多分、モスバーガーの全メニューの中で1・2を争う注文頻度の低いオーダーでしょう。因みに値段にほぼ倍の差があります。
美味しそうな方がモスです。関係ないですが、度々申し上げているように、私は超モス派。
断面図。
これをこのように置き換えます。
これで
1、貧相なパンズ&貧相なパテ
2、貧相なパンズ&ゴージャスなパテ
3、ふかふかパンズ&貧相なパテ
4、ふかふかパンズ&ゴージャスなパテ
の、4種類の組み合わせを味わうことができます。
さて、先ずは上で言う所の場末のマグロの握りに相当する1。ってゆうかぶっちゃけ世界で最もポピュラーなハンバーガーそのものです。ピクルスがポイント。
まあ、普通の味ですよ。少々頼りない歯ごたえとちょっと脂な感じの匂いが食欲をあおる、全く……アメリカ人好みの浅ましい食い物だ!
まあ、主食と言うには風味が物足りないですね。ですが、大切な事なので2度言いますとピクルスはGJです。モスバーガーは可及的速やかにピクルスを導入すべし。
次は、シャリが美味しい貧相なパテ。つまり、3ですね。
では――おおっ!?
これ………すげえマズイ!
モスのパンズは、横から見て頂いたらお解りのように、倍以上ふかふかしています。そのふかふかをむぐっ、と齧り付くとパテをあっさり通過して下のふかふかに歯が届いてしまいました。ふかっとした歯ごたえに貧相なパテが実に釣り合わない。むしろパンズが邪魔。
味わいも、非常に物足りません。言わば、ご飯にお塩を振りかけたような物足りなさ。ごま塩ではなくお塩。要するに、ふかふかパンのおかずとして、貧相なパテじゃ役者不足なんですね。
その分、ケチャップやあのあるかどうか分からない小っさい玉ねぎが凄く有効、というか切実です。
「この釣り合いの良さがあって初めてトマトと玉ねぎの素材の確かさも楽しめるというもの」
それは持てる者の傲慢だと気がつきました。何もない時には、あのショリが変に甘ったるいケチャップが貴重なんですよ。
さてさて、お次は「言う事無い寿司」4です。
モスでハンバーガー食べる人はそんなにいらっしゃらないと思いますが、これがなかなか。
ふんわりパンズにかぶりつくと、どっしりと肉厚なパテがしっかり歯を受け止めます。口中に香るトマトの香り。玉ねぎの香り。
こうして食べ比べると、ハッキリとグレードの違いを改めて感じます。ま、お値段二倍ですから。
そして、皆様お待ちかね。「おーいお茶」貧相なパンズにどっしりハンバーグの2です。
むぐ。
ふむふむ。
これはペラペラですね。パンズの貧相さが際立ちます。
普段なら気にならない、パンズに染みついた脂の匂いがやけに鼻につきます。
そして、確かにパテが重たるいです。ハンバーガーというよりは、ハンバーグに何かこびりついてる感じですね。これはコーラが欲しくなるかも。
ですが、おかずが足らないよりはご飯が足らない方がまだマシと言う気が、しないでも無いですよ。ハンバーグだけでもある程度味として完成しているからかもしれません。この辺は人によって感じ方が違う所でしょうね。
結論。
一番マズイのは、パンが美味しくてパテが貧弱な場合。
しかし、和食の最高峰、美食倶楽部で、宇田は何を思ってピクルスをあんな大量に漬け込んだんでしょうねぇ。
追記 2009/04/21
コメント欄にて、雄山先生なまえさんに怒られました。
「バンズをパンズと勘違いしている輩がハンバーガーについて語るなど片腹痛いわ!」
バンズ(英語:bun (単数形)、buns(複数形))とは甘味または塩味の小型のパン。日本語には「バンズ」という複数形が定着しているが、英語の単数形は「バン」である。パンの一種であることから「パンズ」と誤認されることがある。
「バン」と呼ばれるパンにはホットドッグバンやハンバーガーバンなど具を挟むものと、シナモンバンやホットクロスバンなど単体で食べるものがある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
と言う事ですので、上記のパンズのパは全てバに置き換えて読んで下さい。視力表の一番上のCが見えない私には、すでにそう見えますが。