ビルの14階からスマホアプリで手配して数分後、エレベーターを降りて外に出ると、すでにその車は待機していた。
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走行中はお気に入りの音楽も流せる。移動そのものが「エンタメ」になる未来を感じた。市内では、ベビーカーに赤ん坊を乗せた4人家族が、〝気軽に〟ウェイモに乗り込む姿も見られた(WEDGE、以下同)
完全自動運転タクシー「Waymo(ウェイモ)」だ。
車は「ジャガー」で4人乗り。車体には複数のセンサー、カメラが設置され、障害物を素早く検知する。送迎、行き先もスマホで指示するだけである。
車に乗り込み、後部座席にあるタッチパネルの「START RIDE」を押すと、ハンドルがクルクル回り始めるとともに、発進した。
当然だが、運転手はいない。まるで透明人間が運転しているかのような錯覚に陥った。無人と言われなければ分からないくらい、スムーズだからだ。発進後、シートベルトを着用し忘れていたわれわれに、警告音で知らせてくれた。
走行中、人がいれば減速し、右折、左折も難なくこなす。
狭い道に入った。右側に大型車、その先の左側に自動車が止まっていたが、スムーズに左に、右にハンドルを切っていた。赤信号ではゆっくり止まり、急ブレーキや急発進はない。端的に表現すると、人間の運転よりも〝ちょっぴりうまい〟のだ。