ハーバード大学ケネディースクール教授のグレアム・アリソンが、トランプ大統領が2016年の選挙とは変わって24年の選挙では習近平主席と中国に宥和的な発言に終始したことに着目し、「来年の今頃までには、米中関係に好ましいことが起きることに我々皆が驚かされるであろうことに自分は賭けてみる」という論説を25年2月5日付のワシントン・ポスト紙に書いている。
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共和党員の80%超が中国について否定的な見解を有していた2年の選挙で、中国について肯定的な発言をした候補者はほとんどいなかったが、トランプ大統領だけは例外で「中国を尊敬している」、「習主席は素晴らしい」、「中国が好きだ」等と述べた。
これは、16年の選挙とは全く異なった。当時、トランプは「我々の国を強姦し」、「我々の知的財産を盗み」、「世界史上の最悪の窃盗」等、中国を糾弾した。
一体、24年には何が起きたのか。トランプは彼が言ったことの多くを実際に信じている。どのように中国を扱うか、具体的には習をどのように扱うかについて、トランプは共和・民主両党の主流の現在のコンセンサスとは全く違った見解を有している可能性がある。
彼はバイデンの受動的態度を切り捨てたが、共和党のタカ派の確信を同様に拒絶したことを想像することは不可能ではない。正しく、彼は外交のエスタブリッシュメントの大多数の国家運営の理論とは著しく異なるものを有しているだろう。
トランプが選挙の間に語ったことを反映する形で習近平に関わるならば、米国の対中関係は、過去4年とは異なるだけでなく、マルコ・ルビオ国務長官とマイケル・ウォルツ安全保障担当補佐官という正統派の対中タカ派の見解とも異なるものとなろう。
11月5日以降、トランプが語ることは彼の本音であることを示唆する。勝利の直後に、彼は習近平を就任式に特別の賓客として招いた。12月7日、ノートルダム寺院修復の式典の際のゼレンスキーとマクロンとの会談の後、トランプは会談の要約を投稿したが、その中に奇妙な一行を入れた。