本日掲載した記事でお伝えしたように，アメリカのゲームメーカーTHQが事実上の倒産に陥り，米連邦裁判所に倒産手続きの申請書を提出したのだが，その申請書が一般公開され，そこに「Saints Row 4」など，これまで正式に発表されたことのないプロジェクトが掲載されていたことが明らかになった。

Declaration of Brian Farrell in support of the debtors' Chapter 11 petitions and requests for first day relife（pdfファイルが開きます）

「THQ」公式サイト

　THQのCEO，ブライアン・ファレル（Brian Farrell）氏が提出した申請書にある，これまでに正式に発表されていないタイトルは以下のとおりだ。書類の最後には，それぞれのタイトルの目標販売本数なども記載されているが，これはTHQによる予想であり，債権者にアピールするため楽観的な数字になっているとも考えられる。

「Saints Row 4」　（開発はVolition）
「Homefront 2」　（サードパーティに開発委託）
「Evolve」　（Turtle Rock StudiosのCo-opアクション）
「1666」　（THQ Montrealの新作）
「Atlas」　（Relic Entertainmentの新作）

　なんといっても気になるのは，THQ Montrealの「1666」だろう。THQ Montrealは，2010年にカナダのモントリオールで設立された開発スタジオだが，率いるのは「Assassin's Creed」シリーズの生みの親として知られるパトリス・デジーレ(Patrice Desilets) 氏。1666が「1666年」を指すのかどうかは分からないが，Assassin's Creedファンにとっては気になるところだ。


　「Evolve」は，「Left 4 Dead」の開発元であるTurtle Rock Studiosが手がける新作で，「Co-opアクション」になると記されている。
　さらに，「Company of Heroes 2」を開発中のRelic Entertainmentも，「Atlas」というプロジェクトを抱えているが，同社は以前から次の作品はCompany of Heroesの続編にならないと話していたこともあり，「Warhammer 40,000」もしくは「Home World」などのストラテジーの新作であることも考えられる。

　このほか，リストアップされていないものの，「Crawler」というプロジェクトのことが述べられており，「Darksiders 2」のVigil Gamesが開発中であるとのこと。「WWE」シリーズについては触れられていないようだ。

　申請書によれば，Saints Row 4と「Homefront 2」，そしてEvolveは2014会計年度，THQの場合，2013年4月1日〜2014年3月31日に発売される予定になっており，それ以外のプロジェクトは，2014年4月以降のリリースであると思われる。

　もっとも，THQの新たなオーナーになったClearlake Capital Groupは，「Company of Heroes 2」「Metro: Last Light」，そして「South Park: The Stick of Truth」については開発を継続するとしているものの，それ以外のプロジェクトについては言及していない。
　Clearlake Capital Groupは倒産企業の整理を専門に行う会社であり，現段階では，未発表タイトルの先行きは不透明だ。