イギリスが防衛費拡大、2027年までにGDP比2.5%に 英米首脳会談前に発表
イギリスが防衛費拡大、2027年までにGDP比2.5%に 英米首脳会談前に発表
イギリスのキア・スターマー首相は25日、防衛費を2027年までに国内総生産(GDP)の2.5%まで増加させる計画を発表した。
また、軍事増強の資金を確保するために対外援助予算を削減すると述べた。この動きはドナルド・トランプ米政権に歓迎されたが、開発慈善団体からは「裏切り」と非難された。
アメリカがウクライナでの戦争をめぐってロシアと取引を行うなか、欧州では各国の指導者たちが、ヨーロッパの脆弱(ぜいじゃく)化を恐れて防衛政策を見直そうとしている。
スターマー氏は26日、下院で首相質疑を行った後、トランプ大統領との会談に向けてワシントンへ向かう予定。首脳会談では、ウクライナが議題のトップとなる見通し。
スターマー氏によると、防衛費計画を発表するにあたり、イギリスの対外援助予算を2027年までにGDP比で0.5%から0.3%に削減し、「防衛への投資資金を完全に調達する」という。一方で防衛費は、情報機関の防衛への貢献分を組み合わせると、2027年までに2.6%に増加することになる。
昨年、イギリスは防衛に539億ポンド(約10兆円)を支出。GDP比は2.3%だった。
防衛費の増加により、冷戦終結以来、厳しい削減・縮小に見舞われてきたイギリス軍に支援が回る。
しかしそれでも、軍事力の低下を完全に取り戻すことはできないという。
ジョナサン・ビール防衛担当編集委員が解説する。