ウーバーの配車サービス中に事故、ウーバーイーツ契約理由に訴訟認めず 米裁判所

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ウーバーの配車サービスを利用中に事故に遭った夫婦がウーバーを提訴しようとしたものの、控訴裁判所に退けられた/Andrej Sokolow/picture-alliance/dpa/AP

ウーバーの配車サービスを利用中に事故に遭った夫婦がウーバーを提訴しようとしたものの、控訴裁判所に退けられた/Andrej Sokolow/picture-alliance/dpa/AP

ニューヨーク(CNN) ウーバーの配車サービスを利用中に重大事故に遭った米ニュージャージー州の夫婦が、ウーバーを提訴しようとして控訴裁判所に退けられた。夫婦の娘が「ウーバーイーツ」を利用した際に、利用規約に含まれる仲裁条項に同意していたという理由だった。

訴状によると、ジョン・マクギンティさんと妻のジョージア・マクギンティさんは2022年3月、ウーバー経由で手配した車の後部座席に乗っていたところ、運転手が赤信号を無視して別の車に衝突。夫婦は身体的、精神的に大きな傷を負い、金銭的損害を被った。

妻のジョージアさんは頸椎(けいつい)、腰椎(ようつい)、脊椎(せきつい)、肋骨(ろっこつ)など全身を骨折する重傷を負い、手術を必要とした。夫のジョンさんは胸骨を骨折して左手首の機能を損傷した。

夫婦はウーバーを相手取って陪審裁判を起こそうとしたが、控訴裁判所はこのほど、提訴はできないとする判断を言い渡した。紛争が起きた場合は仲裁を通じて解決することを義務付けるウーバーの改訂版の利用規約に、夫婦が同意していたという理由だった。この規約はウーバーイーツとウーバーの配車アプリに共通している。

マクギンティさん夫婦は、未成年の娘がジョージアさんのスマートフォンを使ってウーバーイーツの利用規約に同意し、18歳の年齢確認ボタンを押したと主張した。これに対して控訴裁は、ウーバーの利用規約は「有効かつ強制可能」と認定し、これには「自動車事故または個人の負傷に関する紛争は、法廷ではなく拘束力のある仲裁を通じて解決される」ことの確認も含まれるとした。

ウーバーはCNNの取材に対し、ジョージアさんは21年を含めて複数回にわたり、仲裁条項を含むウーバーの利用規約に同意していたと述べ、この規約に同意した後にウーバーを使って乗車したと説明した。

「原告はマスコミに対し、ウーバーイーツを注文して利用規約に同意したのは娘だったと訴え続けているが、法廷ではそうだったという『推量』しかできず、娘が自分だけで料理を注文したのか、それともジョージアさんが手助けしたのかを思い出すことができなかった」とウーバーの広報は述べている。

マクギンティさん夫婦はCNNにコメントを寄せ、「裁判所の決定が示唆することに戦慄(せんりつ)を覚える。ウーバーのような大企業は、消費者を負傷させたサービスとは無関係のサービスに関して十数ページに及ぶ利用規約に埋め込まれた契約文言を理由に、負傷した消費者からの提訴を免れることができる」とした。

これに先立ち下級審で言い渡された判決では、ウーバーの仲裁条項には強制力がないと判断。ポップアップ表示される利用規約について「裁判所に訴えを起こす原告の権利の放棄を明確に伝えていない」と指摘していた。

ウーバーはこの判断を不服として控訴し、利用規約には強制力があるという同社の主張を裁判官が支持した。

マクギンティさん夫婦の弁護士は、今回の判断について検討しており、ニュージャージー州最高裁に持ち込むことになるだろうとCNNに語った。

今回のような仲裁条項を盛り込んでユーザーに同意を求める利用規約は多くの企業が採用している。ディズニーリゾートのレストランで食事した後に死亡した女性をめぐる過失致死訴訟では、ディズニーが当初、「ディズニープラス」契約の仲裁条項を理由に原告の訴えを退けるよう求めた。ディズニーは8月にその主張を撤回し、この訴訟は裁判所で争われることになった。

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