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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、『すずめの戸締まり』を観て気絶!「映画でこんなストレスを感じたのは初めてだ」

キング・オブ・アウトロー瓜田純士、『すずめの戸締まり』を観て気絶!「映画でこんなストレスを感じたのは初めてだ」の画像1
瓜田純士、麗子夫妻(撮影=おひよ)

 “キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士が、森羅万象を斬る不定期連載。今回のテーマは、新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』だ。同監督の前々作『君の名は。』を0点(記事参照、前作『天気の子』を0点(記事参照と、それぞれ辛口採点した瓜田。「俺は新海との相性が悪いので、今回もまったく期待していない」と言いながら映画館に入っていったが、果たして……。

 

 『すずめの戸締まり』は、 日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる”扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く現代の冒険物語だ。九州、四国、関西、そして東京と、日本列島を巻き込んでいく”戸締まりの旅”。旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所ですずめを待っていたのは、忘れられてしまったある真実だった――(公式サイトより引用)。

 新海監督3年ぶりの新作とあって、平日の昼間だというのに劇場内はほぼ満席状態。そんな中、妻の麗子と並んで着席した瓜田純士は、映画が始まる前からブツクサ文句を言いながら仏頂面だ。「実は夫婦喧嘩の真っ最中でして。不思議なことに、新海作品を観にくると必ず喧嘩が起きる。新海がすべて悪いのかもしれない」と八つ当たりを始めた純士に対し、麗子が「新海監督はなんも悪くない。悪いのはお前のアタマや!」とピシャリ。純士が絶句したところで場内が暗転し、夫婦喧嘩はいったん収まった。“麗子の戸締まり”はひとまず成功した格好だが、果たして『すずめの戸締まり』はどうなるのか。

 以下は、映画終了後のインタビューである。

 

新海作品って「処女膜」なんですよ


――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) 気絶しかけました。

――気絶っ!?

純士 はい。これまでいろんな映画を観て、胸が詰まったり、息が苦しくなったり、落涙しそうになったりと、さまざまな感情を味わってきましたけど、今回は気絶という初めてのストレスを体感しました。人間って強いストレスがかかると、そのストレスから我が身を守るために、体にさまざまな反応が出るんですけど、今回は気を失いそうになりました。

――何がそれほどのストレスだったのでしょう?

純士 登場人物に感情移入できないし、ストーリーも面白くないし、絵や音楽も嫌いだし、セリフや細かい描写も嫌い。あの監督の伝えたいことを、ほぼすべて受け入れられないというストレスです。俺にとって新海監督は、天敵に近いんですよ。前作、前々作でも痛い目に遭っていて、若干トラウマが入っているから、今回はかなり構えて鑑賞に臨んだんですけど、始まってすぐに「あ、ダメだやっぱり。これは耐えられない」と、へこたれてしまいました。

――始まってすぐにストレスの種などありましたっけ?

純士 すずめの「ハァ、ハァ、ハァ……」という息遣いから映画が始まったじゃないですか。あれがほとんどAVなんですよ。

瓜田麗子(以下、麗子) 私もそれに文句あんねん! 私もそれがめっちゃ腹立ってん!

純士 あの喘ぎ声のせいで、いきなり嫌悪感を抱いちゃったから、心と体が「これは作品なんだ」とちゃんと認識して受け入れるまでに、さらに時間がかかってしまいました。「少しでも面白くなってくれ」と願いながら観ていたけど、なかなかそうはならないから苦痛で、苦痛で……。プライベートの映画鑑賞なら「観ているフリをして違うことを考える」あるいは「目を閉じる」という現実逃避もできただろうけど、今日は仕事で来ているので目を切るわけにはいかないし、感情移入しづらいストーリーも追わなくちゃならない。そのストレスが俺を気絶させたんですよ。

――感情移入しづらかったですか?

純士 すずめが好きになる草太っていうイケメンのキーパーソンがいたじゃないですか。彼がかなり早い段階で「椅子」になっちゃったもんだから、なんの感情も入らないんですよ。椅子に対して「好き」だのなんだの言われても、全然ピンと来ないっていう。

麗子 あの椅子、なんで3本脚やったんやろ? そこに対する説明がなかったんも気持ち悪く感じたわ。

純士 3.11で流されて壊れたってことじゃない?

麗子 え? そうなん? この映画って、阪神・淡路大震災の話やったんか。

純士 ……東日本大震災ね。それもわからずに泣いているんだから、ウチの嫁はほんとにバカな女だと思いますよ。

――奥様の涙のワケはのちほどお伺いするとして、純士さんの感想を引き続きお聞かせください。

純士 感想というか文句のオンパレードになっちゃいますけど、観ていて邪魔と感じたのは、新海アニメ特有の小技ですね。みんなが一斉にSNSに画像をアップしたりするシーンが多かったでしょう。ああいう「今の流行りをわかっていますよ」「時代にしっかりリンクしていますよ」というアピールがいちいち邪魔だし、クドいんですよ。余計なことすんな、って感じ。緊急地震速報の警報音にしても、しつこすぎる。

 そのくせ新海は相変わらず、女のことを全然わかっていない。途中、すずめと同い年なんだけど、ちょっとオマセな民宿の娘・千果が出てきたじゃないですか。そいつがまた、やってくれましたよ。なんと、口紅をしたまま寝るんです。「そんな女、いねーよ!」って腹が立っちゃって。

麗子 『君の名は。』のときも同じようなことで怒っていたな。「入浴後の女がツケマをしているのはおかしい」って。

純士 その千果が、ウブなすずめに対して恋愛のイロハを教えたりするっていう、見ていてしんどくなる展開がありましたけど、新海ってほんと、ああいう「大人の階段を昇る」みたいな描写を入れたがるよなぁ……。でもね、ちっとも甘酸っぱくならないんですよ。新海がやると、「青い痛み」が出ない。一言で言うと、新海作品って「処女膜」なんですよ。

――処女膜っ!?

純士 つまり、すごく初々しくて大事にしなければいけないものなんだけど、双方実はそこに対して「邪魔」だと思っている。わかります?

――なんとなくわかるような気もします。

純士 まだまだ言いたいことはあるけど、疲れたので嫁にいったんバトンタッチします。

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