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犬の健康管理 vol.4 【乳腺腫瘍】スキンシップで早期発見を!

@乳腺腫瘍ってどんなもの?
犬の乳腺は左右に4〜5対が腋の下から股の辺りまでつながっています。この乳腺にできるしこりが乳腺腫瘍です。乳腺腫瘍は、メス犬では発生率第一位の腫瘍です。 特に小型犬では乳腺のあちこちにできることが多く、気がつくとオナカ一面にブツブツがあって驚いてしまう飼い主さんも少なくありません。
ただし、猫では約90%が「悪性」(乳がん)といわれるのに対して、犬の場合は「悪性」の比率は約50%で、さらに「悪性」腫瘍の中でも、早期にリンパ節や肺などに転移するものは約50%です。 
たとえ「悪性」腫瘍であっても、早期に発見すれば、治る確率が猫よりもずっと高いのが、犬の乳腺腫瘍の特徴です。

Aどうしてできるの? 
腫瘍とは、細胞が異常な増殖をしたものです。そのなかで、ある程度の大きさで止まり、からだの他の部位に転移しないものを「良性腫瘍」といい、増殖に歯止めがかからず、からだの他の部位に転移してしまう悪質なものを「悪性腫瘍」(がん)といいます。
 乳腺腫瘍の要因は、体質や環境、食べ物、生活習慣など、さまざまです。 犬の乳腺腫瘍では、とくに女性ホルモンとの関連性が高いと考えられており、アメリカでの研究によれば、避妊手術の年齢と発生率の関連が報告されています。

Bどうやって予防するの?
先にふれたとおり、犬の乳腺腫瘍は、女性ホルモン(発情回数)とのかかわりが大きいことが確認されています。そのため、生後一、二年のあいだに避妊手術を受けることが、病気予防に役立つといえます。もっとも、すべての犬に避妊手術を勧めるわけではありませんし、早期に避妊手術を受けたといっても油断すべきではありません。
 何よりも大切なのは月に一度は、スキンシップをかねて愛犬の胸・腋の下から下腹部・内股まで、ていねいに撫で、さすってやり、シコリができていないかどうか、チェックしてあげることです。
たとえ悪性の乳腺腫瘍でも、五ミリぐらいのものなら、簡単な外科切除手術のみで、根治する確率は非常に高いですから、常にワンちゃんの体に触り、できるだけ早く気づいてあげましょう。

Cどうやって治すの?
乳腺にオデキが見つかったら、「良性」か「悪性」かを調べてから治療法を検討します。 もし「悪性」なら、レントゲン検査などでほかの臓器(特に肺)に転移していないか調べます。
犬の乳腺腫瘍は、大きさが3センチ以内で、ほかの部位に転移していない初期の状態を第一期といい、 この場合、確実な手術と症状に合わせた補助的治療(抗がん剤や放射線治療)をおこなえば、高い根治率が望めます。
 すでに転移している場合は根治が難しいのですが、まだ元気で食欲もあれば外科手術と補助治療を適切におこなえば、症状の悪化を抑え、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を確保することができます。
 人と犬との寿命比を考えれば、犬にとっての一年は、人にとって五〜七年分もの価値があります。
たとえ末期でも、飼い主さんと愛犬にとって、残された命を、より苦痛なく、より楽に過ごすことに、大きな意味があると思います。


 

 

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