「ブギウギ」中村倫也出演 「ガハハおじさん」ほうふつさせるキャラ

[ 2024年3月18日 12:00 ]

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で沼袋勉を演じる中村倫也(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】3月18日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第117回に俳優の中村倫也(37)が出演した。「丸の内テレビジョン」の大みそかの音楽番組「第7回オールスター男女歌合戦」のディレクター・沼袋勉役。制作統括の福岡利武氏は「脚本の足立紳さんがくせの強いキャラクターを書いて来た。この役を中村さんに演じてもらうと面白いのではないかと考えた」と起用理由を明かした。

 中村は2005年の「風のハルカ」、18年の「半分、青い。」以来、6年ぶり3回目の朝ドラ出演。最近では22年のTBS系ドラマ「石子と羽男─そんなコトで訴えます?─」、23年のテレビ朝日系ドラマ「ハヤブサ消防団」に主演するなど活躍している。

 「私自身も以前から大好きな役者だった。柔らかい役から堅い役まで何でも出来て、説得力のあるお芝居をされる。機会があればご一緒したいと思っていた」と福岡氏。

 沼袋勉はスズ子(趣里)が「男女歌合戦」の出演依頼を受ける場に遅れて登場。スズ子に「ベンさん」と呼ばれ、あいさつされると「ご無沙汰、音沙汰、色恋沙汰はもうたくさん」などと冗談を飛ばす。

 「モデルとは言えないが、NHKのドラマ演出家の和田勉さんをほうふつさせる。サングラスや頭の感じなど扮装もなんとなく引っ張られている印象があるが、敬意を込めて描いているので、楽しんで頂ければ」

 和田さんはNHKの大河ドラマ「竜馬がゆく」(1968年)やドラマ「阿修羅のごとく」(79年)など数々の作品を演出した有名ディレクターで、退局後はタレントとしても活動し、その個性的な笑いから「ガハハおじさん」とも呼ばれた。

 「中村さんにはパワフルで楽しいお芝居をして頂いた。沼袋の面白さは押し出しの強さだが、リハーサルではみんなが笑ってしまうくらい大きな声だったので、若干抑えてもらったほど。本番では、私たちの想像のさらに上を行く、くせの強さをさらりと出して頂き、現場では趣里さんも含めみんなが大爆笑だった」

 沼袋は登場シーンで、場違いな孫の手を持っていた。

 「あれは演出の福井充広さんのアイデア。衣装合わせの時に『何か手に持ちたいですよね!?』と、いろいろな小道具を用意したところ、中村さんが『孫の手がいいな』と選んだ。見事に使いこなして、この人はずっと孫の手を持っているんだろうなという雰囲気を自然に出して頂いた」

 前週の刑事役・内藤剛志に続き、中村が作品の終盤に花を添える形となった。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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