フェード現象とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > フェード現象の意味・解説 

フェード‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【フェード現象】

読み方:ふぇーどげんしょう

自動車長い坂道を下る際に、フットブレーキ使いすぎることでブレーキパッド過熱し制動力落ち現象。→ベーパーロック


フェード現象

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/14 00:56 UTC 版)

フェード現象(フェードげんしょう)とは、自動車オートバイでの走行中に摩擦ブレーキを連続使用した結果、ブレーキの効き(制動力)が低下すること。これは同様の摩擦材を使う乾式のクラッチディスクでも起こりうる。

「フェード」は英語の brake fade(ブレーキの制動力の減少のこと。fade は、衰える、弱まるの意)から。

概要

摩擦ブレーキを使用すると摩擦材が加熱される。下り坂などでブレーキを連続使用すると摩擦材の素材であるゴム樹脂などが設定された耐熱温度を超えて分解・ガス化し、これがブレーキローターとの間に入り込むとガス膜が潤滑剤のような働きを起こして摩擦係数が低下する[1]

熱が逃げにくい構造のドラムブレーキに発生しやすいが、ディスクブレーキでも発生する[2]。放熱用に、ドラムブレーキには放熱フィンを備えたものや、ディスクブレーキには放熱用の溝や穴を円周部に開けてあるもの(ベンチレーテッドディスクと呼ばれる)もある。フェードを防ぐには、非摩擦ブレーキであるエンジンブレーキ排気ブレーキリターダーなどを活用するのがよい。

フェード現象が始まる温度をフェードポイントと呼び、摩擦材の素材によってこの温度は違う[3]。レースなどで使用される製品では樹脂やゴムが少ない・使わない素材を使う場合もある[1]

なお、フェード現象が発生した場合、そのままブレーキを掛けつづけると熱がブレーキフルードにまで伝わり、フルードの沸騰によって完全に制動力が失われる[2]。これを「ベーパーロック現象」と呼ぶ。

また、ブレーキローターとの間に水が入り込むと普通のフェード現象と同じように摩擦係数が低下する。この場合は別にウォーターフェードと言い、摩擦材の過熱が原因の熱フェードと区別する。

脚注

  1. ^ a b ブレーキパッドのウンチク フェードとベーパーロック”. BRAKING MEISTER ZONE (2009年4月10日). 2013年5月25日閲覧。
  2. ^ a b 下り坂でブレーキを酷使すると利きが悪くなるのはなぜですか?”. 日本自動車連盟. 2013年5月25日閲覧。
  3. ^ ブレーキに関する知識/ブレーキパッド編”. ディクセル. 2013年5月25日閲覧。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フェード現象」の関連用語

フェード現象のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フェード現象のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフェード現象 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS     

pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy