「ThinkPad X」シリーズは、レノボのモバイル機の代名詞である。そこに追加された低価格志向のモバイルノートが、2010年初頭に発売された「ThinkPad X100e」だった。2011年初頭には米国などで、後継機である「ThinkPad X120e」が発売されたものの、日本を含む一部地域では発売が見合わされていた。
今回レビューする「ThinkPad X121e」は、X120のマイナーチェンジに過ぎないのだろうと思っていたが、その期待は良い方向に裏切られた。機種名は引き継ぐものの、実体はフルモデルチェンジ。新たなThinkPad Xの登場である。なお、X121eにはインテルCPU搭載モデルとAMD CPU搭載モデルがラインナップされているが、今回評価するのはインテルのCore i3を搭載するモデルである。
すべての弱点を改善!
見た目が違う低価格モバイル
外観から見ていこう。本体サイズは289.6×208×23.5mmと、「ThinkPad X220」とよく似ているが最厚部で3mmほど薄い。横幅はX100eなどと等しい。比較的角ばったデザインが多いThinkPadシリーズだが、X121eは各コーナーが丸く整えられており全体的に柔らかく見える。インナーバッグなどへの出し入れの際も、引っ掛かりが少なくなった。
ソフトな雰囲気をかもしだしているのは、天板の質感にもあるだろう。樹脂向きだしのX100eや「ThinkPad Edge 11」の天板とは異なり、ThinkPadシリーズでおなじみのいわゆる「ピーチスキン」塗装の仕上げに変更。皮脂汚れが残りにくくなった。好みの問題だが、ツヤ消しブラックのしっとりとした質感は所有する喜びがある。カラーリングはブラックのみで、X100eで用意された赤や白は存在しない。
ディスプレーを開くと、シンプルな趣がある。ディスプレーは1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶パネル(ノングレア)を採用。液晶ディスプレーのサイズはX100eやEdge 11と同じだが、奥行きが伸びた分だけパネル下部に余裕が生じ、黒一色の額縁部分が増えた。広めの額縁に違和感を覚える人もいるようだが、画面の高さが少し上になるため、利用時の姿勢(首の角度)も楽に感じられる。また、奥行きが伸びたことで、電源ボタンも大きく押しやすいものに改善されている。
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