このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ワシントン大学と米Microsoftに所属する研究者らが発表した論文「Creating speech zones with self-distributing acoustic swarms」は、部屋内で話す人々の位置を特定し、その音声を分離するための小型の移動式音響ロボット群を提案した研究報告である。 この技術は、多くの人が一度に話している部屋において、部屋の一部で音を消す領域「ミュートゾーン」や、周囲を気にせず対話できる領域「スピーチゾーン」を作り出すことに活用できる。また多数の人が話している中で、物理的に離れた位置にいても特定の人々
