1990年度の国の一般会計は、所得税26兆円、法人税18.4兆円、消費税4.6兆円などで税収は60.1兆円、歳出は69.3兆円であり、バランスがとれていた。 その後、歳入はどんどん減少する一方で、歳出は増加していった。2010年度は所得税12.5兆円、法人税6.0兆円、消費税9.6兆円などで税収は37.4兆円なのに、歳出は92.3兆円である。 このように、1990年度以降、歳出と歳入の差が大きくなっており、図で書くと「ワニの口が開いている」ように見える。財務省が財政再建の必要性を主張するときに、使う図である。 この20年間の名目経済成長率はほぼゼロ。海外と比較してひどい経済停滞だった。公債発行による公共投資や減税が行われたが、経済停滞から脱却できずに、結果として「ワニの口」は開いたままだ。 この間、デフレであったのは先進国では日本だけであり、「デフレは常に貨幣的現象である」という経