立憲民主党・野田佳彦代表(写真:ロイター/アフロ)立憲民主党・野田佳彦代表(写真:ロイター/アフロ)

(西田 亮介:日本大学危機管理学部教授、社会学者)

29年ぶりの当初予算修正か

 野党、そして野党第一党はいかにあるべきか。

 本稿執筆時点において、与党が過半数割れ状態にある、いわゆる「宙吊り議会」のなかで、ちょうど来年度予算審議と折衝がピークを迎えている。

 2000年代以後の国会運営のセオリーが通用しないことに伴う与党の苦悩はしばしばマスコミが報じるとおりである。それに対して、野党は攻め時ということになるわけだが、それほど簡単なものでもないように見える。

 いま渦中の来年度予算に限らず、国家予算の成立は政府と与党にとって国会前半の最重要課題である。衆議院の優越の対象となっていることから、何がなんでも衆院過半数の賛成を確保する必要がある。

 換言すれば、野党にとっては予算を修正させて、自分たちの主張を織り込ませることができれば大手柄にあたる。実際、長い間本予算の修正は実現しなかった。であるからこそ、野党は宙吊り議会の状況を千載一遇の好機と見ているわけだ。

 今国会で当初予算の修正が行われれば、1996年以来、29年ぶり5回目のことになるようだ。

25年度予算案:予算案、国会修正へ 29年ぶり5回目 政府・与党 | 毎日新聞 

 過去4例では一般会計の歳出総額増は実現していないというから、実現すれば未曾有の事態といえよう。