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スーパーサーバとは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

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スーパーサーバ

pointこの用語のポイント

point常駐プログラム(デーモン)だよ

pointいろんなデーモン宛てのお仕事要求をまとめて受け付けるよ

pointまず自分が受け付けてから他のデーモンにお仕事を割り振るよ

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簡単に書くよ

スーパーサーバ(英:super server)とは

「スーパーデーモン」のこと。
用語の中身としては

Linuxとかにおける常駐プログラム(常に(見えない所で)動いているプログラム)(デーモン)のひとつ
であり

他のデーモンさんがお休みできるように「お仕事してね」の要求が来ないか代表して見張っているデーモンさんのこと
です。


image piyo

詳しく書くよ

サクッと一言で説明すると

他のデーモン宛てのお仕事要求を代わりに受け付ける、面倒見の良いデーモンさん

が「スーパーサーバ」です。
どちらかと言えば「スーパーデーモン」という呼び名の方が一般的だと思います。

……と、いきなり言われても、よく分からないですよね。
大丈夫です。
順番に見ていきます。

まずは「デーモン」についてお勉強しましょう。
デーモンは「UNIXOSLinuxとか)における常駐プログラムの呼び名」です。
デーモンさんは、メモリ上でお仕事が来るのをぼーっと待っていて、お仕事が来るとささっと実行し、終わるとまた待機状態に戻ります。
休みなんてありゃしない、常に戦闘態勢を維持することが求められているプログラムです。
Windowsの方が得意な方は、Windowsにおける「サービス」がUNIX系OSにおける「デーモン」だと思ってください。

スーパーサーバ

さて、このデーモンさんですが、実際のお仕事は「お仕事してよ~」と依頼が来てからやります。
それまでは、じーっと自分にあてがわれたドアを見張っているのです。

おっと、忘れるところでした。
ドアについて説明しておきましょう。

コンピュータには「ポート」と呼ばれる、番号の付いたドアがたくさん付いています。

スーパーサーバ2

通信においてデータを受け取るときは、ネットワークを通ってきたデータが、たくさんあるドアのどれかを通ってコンピュータに入ってきます。

スーパーサーバ3

データを送るときは、コンピュータの中にあるデータが、たくさんあるドアのどれかを通ってネットワークの世界に出ていきます。

スーパーサーバ4

データの種類によって、どのドアを通るかは決まっている……こともあれば、決まっていないこともあります。

例えば、インターネットのデータは80番のドアを通ることになっています。

スーパーサーバ5

FTP(インターネットの線を使ってファイル送受信する仕組み)のデータは20番とか21番のドアを通ります。
ここでは便宜上、20番のドアを使うとしておきましょう。

スーパーサーバ6

telnet(他のコンピュータを遠隔操作するときに使う仕組み)のやり取りは23番のドアを使うことになっています。

スーパーサーバ7

デーモンさんは、たくさんあるドアの中から自分の仕事に関係があるところを見張っています。

例えば「ftpd」というデーモンさんがいます。
ftpdは、FTPで接続されるのを待ち受けて、接続してきたらその相手をしてやるのがお仕事のデーモンさんです。

確かFTPのデータは20番ドアを使って出入りすることになっていました。
だからftpdさんは、20番ドアをじーっと見張っています。

スーパーサーバ8

そして、20番ドアを通って何かがやってきたら、その相手をしてあげます。

また「telnetd」というデーモンさんもいます。
telnetdは、telnetで接続されるのを待ち受けて、接続してきたらその相手をしてやるのがお仕事のデーモンさんです。

確かtelnetのデータは23番ドアを使って出入りすることになっていました。
だからtelnetdさんは、23番ドアをじーっと見張っています。

スーパーサーバ9

そして、23番ドアを通って何かがやってきたら、その相手をしてあげます。

ftpdさんも、telnetdさんも、ドアを通って何かがやってきたらお仕事が始まります。
つまり、お仕事がいつ始まるかは分かりません。
そのため、いつお仕事が始まっても良いように常に身構えておく必要があります。

スーパーサーバ10

でも、これは疲れますよね。
常に身構えていたら心も身体も休まるときがありません。
へろへろになってしまいます。

スーパーサーバ12

そこで登場するのが、スーパーサーバさんです。

スーパーサーバさんは、ftpdさんやtelnetdさんの代わりに20番ドアと23番ドアを見張ってくれます。

スーパーサーバ12

そして、20番ドアに何か来ればftpdさんを呼び出してくれます。

スーパーサーバ13

同じように、23番ドアに何か来ればtelnetdさんを呼び出してくれます。

スーパーサーバ14

これでftpdさんとtelnetdさんはドアを見張る作業から解放されました。
スーパーサーバさんに呼ばれるまでは、お昼寝でもしてのんびりできます。

スーパーサーバ15

スーパーサーバさんがいないときは、ftpdさんとtelnetdさんの2人が待機状態でした。
スーパーサーバさんが登場したことによって、待機状態でいるのはスーパーサーバさんの1人で済みます。
もともと待機していたftpdさんとtelnetdさんは、スーパーサーバさんに呼ばれるまではいないのと同じです。
つまり、コンピュータの中でお仕事をしているやつが減ったわけです。
それだけコンピュータにかかる負担も減ります。

これがスーパーサーバさんのメリットです。
スーパーサーバさんが他のデーモンさんの代わりに待ち受け作業をすることで、スタンバってるやつが少なくて済みます。
コンピュータにかかる負担も減るでしょう。

一方のデメリットは、実際にお仕事を始めるときのタイムラグです。
今まではftpdさんとtelnetdさんが直接お仕事を受け付けていたので、すぐにお仕事に取りかかれました。
スーパーサーバさんが混ざると、スーパーサーバさんがftpdさんとtelnetdさんを呼び出す作業が発生します。
その分、実際のお仕事を始めるまでに時間はかかるでしょう。

先ほどのドアの話で「インターネットのデータは80番のドアを通ることになっている」と書きました。

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この80番ドアの監視を担当しているのは「httpd」というデーモンさんです。
スーパーサーバさんでは、ありません。

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あれ?
スーパーサーバさんは80番ドアを監視していませんね。
httpdさんは仲間はずれです。

いじめでしょうか?

いじめではありません。
理由があって仕方なく、です。

スーパーサーバさんがhttpdさんの代わりに80番ドアを監視しない理由、それがデメリットの「実際にお仕事を始めるときのタイムラグ」です。

80番ドアには「ホームページのファイルをちょうだい」というお願いが来ます。
人気のあるホームページであれば、たくさん来るでしょう。
httpdさんも、ぼーっとしている暇はほとんどないはずです。

そうなると、普段は休んでいられるメリットよりも、お仕事を始めるときにタイムラグが発生するデメリットの方が大きくなります。
休んでいられる時間がほとんどない上に、お仕事依頼が来るたびにタイムラグが発生しますからね。

ですから、httpdさんのように頻繁に利用されるやつは、スーパーサーバさんのお世話にならないのです。

スーパーサーバ18


image piyo2

一言でまとめるよ

まぁ「スーパーサーバ」って単語が出てきたら「いろいろなデーモン(Linuxとかにおける常駐プログラム)宛てのお仕事要求をまとめて受け付けるデーモンなんだな~」と、お考えください。

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おまけ

■訳してみるよ

「super(スーパー)」の意味は「素晴らしい」とか「一流の」とか「特大な」とかです。
「server(サーバ)」の意味は「仕える人」とか「給仕人」とかです。
何となくくっつけると

素晴らしい給仕人

となります。


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