袴田さんに「適正な金額算出を」 静岡地検、補償金請求で意見書
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2025年02月28日 11時48分
1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の身体拘束への刑事補償金請求を巡り、静岡地検が「心身に与えた影響などを踏まえて適正かつ妥当な金額が算出されるべき」との意見書を静岡地裁に提出したことが28日、複数の関係者への取材で分かった。
補償金を巡っては、袴田さんの成年後見人の弁護士が1月、国に約2億1700万円を求める請求書を地裁に提出。その中で「証拠を捏造されて死刑判決を下された冤罪だった。肉体的、精神的苦痛による損害は計り知れない」と指摘した。その後、地裁が請求に対する意見を地検に求めていた。
複数の関係者によると、地検は今月18日付で意見書を出し、身体拘束された1万7389日分の補償金が交付されるべきだと言及。一方、請求書の証拠捏造の指摘に関し「(再審の)判決が捜査機関による捏造を認定するに当たって判示した事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれている」などの意見を述べた。