教育予算を増やすことを主張する人々の論拠として、「教育は労働者の生産性を高め、賃金を高め、経済成長を促進する効果があるから、財政支出は無駄にならない」(人的資本形成論)というものがある。 実際にどれだけ成長を促進して税収を増やすのかという、定量的な議論はともかく、定性的には、いかにもありそうな気がする。いつの時代でも、大卒賃金(生涯値)は高卒賃金よりも何割かは高いのである。単純に、高卒が大卒に置き換わるだけで、賃金は上がり、経済は成長するように思える。 高学歴者の高賃金を説明する別の理論もある。それは、シグナリング理論である。高学歴であることが、努力家である、まじめである、知能が高いというシグナルになるから、優先して高学歴者が採用されるのであり、学校教育そのものは生産性を上げていないという。そもそも最初から生産性の高い人材が大学に進学しているだけなのである。 http://keijisai
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