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「技巧」が OSS に
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2016年の世界コンピュータ将棋選手権(第26回世界コンピュータ将棋選手権)で準優勝した技巧が OSS 化されて、GitHub で公開されました。
ライセンスは GPLv3 or later となっています。
gikou-official/Gikou: 将棋ソフト「技巧」
「技巧」は、2016年の世界コンピュータ将棋選手権で準優勝した将棋ソフトです。 人間的な評価項目(1駒の損得、2駒の効率、3玉の堅さ、4手番)を考慮した隙のない形勢判断などを特徴としています。
オープンソース・ソフトですので、どなたでも無料でお使いいただけます。 「将棋所」や「ShogiGUI」などのソフトに登録してご利用ください。
お知らせ用に公式の Twitter アカウント 将棋ソフト「技巧」公式 (@gikou_shogi) もできたようです。
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情報処理学会が将棋プロジェクトの終了を宣言
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2010年、日本将棋連盟の米長邦雄会長に情報処理学会の白鳥則郎会長が挑戦状をたたきつけてスタートしたコンピューター将棋プロジェクトですが、情報処理学会がプロジェクトの終了宣言を出しています。
残念ながら今日までトッププロ棋士とコンピュータ将棋の対戦は実現していません(注2)が,事実上プロジェクトの目的を達成したと判断し,プロジェクトを終了することをここに宣言させていただきます.これまで多大なご協力をいただいた将棋連盟を始めとする将棋関係者の方々に深く感謝いたします.
電王戦などを見ていても、この5年でコンピューター将棋のレベルもグッと向上したように思います。現役の名人や、竜王との対局が実現していないのは残念ですが、ここで一区切りという意味では良いのではないでしょうか。
† 参考
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第2回電王戦はプロ棋士の1勝3敗1持将棋
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第2回電王戦*1の五番勝負が終了し、プロ棋士の1勝3敗1持将棋となりました。
ソフトウェアが勝ったので「将棋終了のおしらせ」のようなセンセーショナルな話にしている人も多いようですが、以前も書いたように僕はそのような考え方には賛成できません。どのみちこういう日が来ることはわかっていたわけで、1つの通過点ではあろうかと思いますが、別にソフトウェアが勝ったからといって、将棋の面白さがなくなるというわけではないはずです。同じような例として、チェスは 1997年にカスパロフ相手に IBM の Deep Blue*2 が勝ってセンセーショナルに報道されましたが、いまも変わらず人間同士の対戦が行われていて、もちろん世界王者戦も行われています。これと同じフェーズに入るだけでしょう。
トップ棋士も敗れ、将棋ソフトにプロ負け越し - MSN産経ニュース
将棋のプロ棋士5人が5種類のコンピューターソフトと対戦する団体戦「第2回将棋電王戦」最終第5局が20日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、102手で先手の三浦弘行八段(39)が将棋ソフト「GPS将棋」に敗れた。トップレベルの棋士がコンピューターに敗れたのは初めて。団体戦もプロ側が1勝3敗1分けで負け越した。
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米長邦雄永世棋聖が死去
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日本将棋連盟会長でもあった米長邦雄永世棋聖が死去しました。残念です。
訃報:米長邦雄さん69歳=将棋連盟会長、初の50代名人- 毎日jp(毎日新聞)
09年1月に、前立腺がんで治療を受けていることを公表。ホームページ上で、「癌(がん)ノート」と題して、状況を報告していた。日本将棋連盟などによると、前立腺がんが見つかったのは08年。今年初めのコンピューターとの対戦後に体調を崩して以来、一進一退を繰り返していた。約1週間前に東京都内の病院に入院したが、容体が急変したという。タイトル獲得は名人1、十段2など計19期(歴代5位)、優勝回数16回。通算成績は1103勝800敗1持将棋。
上記のコンピューターとの対戦というのは第1回電王戦*1ですね。このときは残念ながら敗れましたが、敗北後の会見*2が印象的でした。A級棋士も参戦して行われる第2回電王戦*3後のコメントも楽しみにしていたのですが、本当に残念です。
ITには理解がある方で電王戦だけでなく、Twitter*4 での奔放な発言や、ウェブページ「米長邦雄の家」などでも、将棋の普及に尽力されていました。
- *1: 将棋電王戦 2013 「5人のプロ棋士」VS「5つの最先端将棋対局ソフト」 - ニコニコチャンネル:エンタメ
- *2: 米長永世棋聖「築いた万里の長城、穴が開いた」 電王戦敗北後の会見 全文 - - 楽天woman
- *3: プロ棋士VS将棋ソフト「電王戦」再び 今度は5対5の団体戦、A級棋士も参戦へ - ねとらぼ
- *4: 米長邦雄 (yonenagakunio) on Twitter
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日本は将棋で、アメリカはクイズで
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国内では情報処理学会がプロ棋士相手に将棋をするというプロジェクトをやっていて注目を集めていますが、アメリカではコンピューターがクイズチャンピオンに挑戦しているようです。IBM は 1997年に Deep Blue でチェスの当時の世界チャンピオンに勝ったという実績があるのは知っていましたが、いつのまにか研究対象がクイズになっていたのですね。対戦は3日間のようですが、初日は結構善戦したようですね。最終的な結果がどうなるか楽しみです。
人間とコンピューター、米人気クイズ番組で激突 写真2枚 国際ニュース : AFPBB News
IBMの創業者トーマス・ワトソン(Thomas Watson)にちなんで名付けられたスーパーコンピューターの「ワトソン(Watson)」は2人のチャンピオン、ブラド・ラッター(Brad Rutter)さんとケン・ジェニングス(Ken Jennings)さんと対戦。結果は、5000ドル(約42万円)を獲得したワトソンとラッターさんが首位に並び、2000ドル(約17万円)を獲得したジェニングスさんが追う形で初日を終えた。
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ソフトが女流王将を破る
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春先に情報処理学会が将棋連盟を送っていた、プロ対ソフトの将棋対決が東大で行われたようです。
asahi.com(朝日新聞社):ついに!コンピューターが女流王将破る 東大で特別対局 - 文化
清水女流王将を破ったのは情報処理学会が作った「あから2010」。国内トップ4プログラムがそれぞれ挙げる候補手を多数決で選んで次の手を決定する。対局は持ち時間各3時間、なくなれば1手1分未満のルール。中盤までほぼ形勢互角だったが、秒読みに追われた清水女流王将にミスが出て、「あから」が押し切った。対局後、清水女流王将は「時間配分が思い通りいかなかった。終盤、しっかり形勢判断する時間がなかった」と話した。
結果はこの日のために用意された「あから2010」の勝ち。そこまでは事実として正しいのですが、僕は上記の朝日新聞のような「コンピューターが女流王将破る」というキャッチーな報道のされ方が気にくわない。以前にも書きましたが、この対決は人間の脳内の情報処理と、人間がコンピューターに打ち込んだルールに基づいた情報処理という、形が違う人間の知能のぶつかりあいのはずで、決して人間とコンピューターが戦ったわけではないはずです。
ちょっとでもソフトウェアを作ったことがある人には自明ですが、ソフトウェアを作るのは、人間が普通に仕事をしてしまうよりも何倍何倍も手間がかかります。ソフトウェアの専門家としては、最低限「コンピューターが勝った」ではなくて、「ソフトウェアが勝った」と報道して欲しいところです。
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女流2冠とコンピュータの対局は10/11に
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4月に情報処理学会が将棋連盟に挑戦状を送った将棋対決の正式な日取りが決まったようです。
将棋の清水市代2冠コンピューターと対戦 - 社会ニュース : nikkansports.com
日本将棋連盟は11日、清水市代2冠(女流王位・女流王将)が10月11日、東京都文京区の東大本郷キャンパスでコンピューターソフトと平手で対局すると発表した。
情報処理学会のウェブ「(社)情報処理学会-コンピュータ将棋プロジェクト」も将棋連盟のウェブ「特別対局「清水市代女流王位・女流王将vs コンピュータ」開催日決定! 」もこれを受けてアップデートされています。どんな対局になるのか楽しみですね。
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情報処理学会 vs 将棋連盟
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情処学会のウェブを見ていたら、情処学会が将棋連盟にプロと対局させてほしいと挑戦状を送った模様。
社団法人情報処理学会(会長:白鳥則郎)は、コンピュータ将棋でトッププロ棋士との公開対局を望むべく、社団法人日本将棋連盟に対し挑戦状を送りました。対戦は今秋から順次実施予定であり、具体的な日時・対戦場所は決定次第広報いたします。
将棋連盟の米長邦雄会長の「挑戦状確かに承りました いい度胸をしていると その不遜な態度に感服仕った次第」という回答も面白いです。そういえば、ちょっと前にプロ棋士とコンピュータの対戦が事実上禁止という記事を見た気がするので調べて見たら、2005年にこんな話が出ていいましたね。なので、今回のような正面からの挑戦状が必要ということになったのでしょう。
公の場でのプロ棋士とコンピュータ将棋との対局を禁止 - スラッシュドット・ジャパン
parsley曰く、"毎日新聞、朝日新聞、読売新聞などの記事によれば、(社)日本将棋連盟は、プロ棋士と女流タイトル保持者に公の場で許可なく将棋ソフトと対局しないように通達した。 近年コンピュータ将棋は進歩著しく、50年はプロ棋士には勝てないと言われていたものが、トーナメント戦などでは、勝つことも珍しくなくなりつつある。
情処学会には「挑戦状に関するFAQ」が掲載されていて、プログラムはMAGIのように複数のプログラムで合議をして次の一手を決定する方式と発表されています。
世のニュースは「人間」対「コンピュータ」ということでおもしろくかき立てるのでしょうが、ソフトウェア技術者・工学者の自分としては「人間のリアルタイムな思考」対「人間の作った勝利の方程式」のような対戦として興味深く見守りたいと思います。
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Bonanzaがオープンソースに
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世界コンピュータ将棋選手権で優勝したこともある、Bonanzaがオープンソース化されたみたいです。
最強ランクの将棋ソフト「Bonanza」、ついにソースコードを公開 - VENTURE VIEW
“最強ランク”とも評される将棋ソフト「Bonanza」。このソフトのソースコードが1月28日に公開された。該当部分には思考ルーチンも含まれており、これにより思考部分の詳細が明らかになることになる。
Bonanzaは理論物理化学研究者の保木邦仁氏が開発したもので、2006年の第16回世界コンピュータ将棋選手権において、初出場でありながら並みいる強豪を打ち破り優勝を果たした将棋ソフト。2008年3月には公の場で史上初めて渡辺明竜王と対局し善戦するなど数々の実績を残している。
僕はこの分野の専門家ではないので、Bonanzaのソースが公開されたからどうこうという感じは特にないのですが、自分の関心のあるプログラムがオープンソース化されたらきっと心躍ると思うので、きっと歓迎的な意見が多いのだろうと思っていましたが、クローンが蔓延するとか、意外とマイナスな部分を指摘している冷めた記事がけっこうあったのはちょっと意外です。まぁ、Bonanzaはそれなりに最適化されているはずなので、改良しようとしても、結果的に改悪になってしまうことが多いんでしょうけどね。
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「人」と戦うのは「人」だけなのです
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プロ棋士の渡辺竜王が将棋ソフトと対戦して勝ったみたいです。
僕の親父が将棋愛好家なのですが、数年前から将棋ソフト勝てなくなったと実家に行くたびに嘆いている程でしたが、実力はまだプロのほうが一枚上手のようです。
asahi.com: 渡辺竜王が、コンピューター将棋選手権優勝ソフトに快勝-将棋
将棋棋士の渡辺明竜王(22)が21日、東京都内のホテルでコンピューターソフトと対戦し、快勝した。将棋のタイトル保持者が公の場でハンディなしにソフトと対戦するのは初めて。チェスでは97年に世界チャンピオンがスーパーコンピューターに敗れて世界的なニュースとなっただけに、日本将棋連盟(米長邦雄会長)もほっとした様子だった。
マスコミは「『人』と『コンピュータ』が対戦した」という構図にしたがるのですが、ソフトウェア屋からすれば、きちんと進歩を続けていけば人間(プロ)と同じレベルに到達するというのはある意味当たり前の話です。そのためにソフトウェア科学やソフトウェア工学があるですからね。
[「人」と戦うのは「人」だけなのです の続きを読む]2 . 年次の人間ドックへ(94894)
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