あなたは、そこにいますか? 冬のある日、安住春道は雑踏の中で少女とすれ違った。 再会した少女はデジタル機器を使わなければ、誰にも知覚されず、誰も知覚できない特異な子供だった。唯一、肉眼で彼女を見ることができる春道は、彼女と関わっていくことに・・・。 互いに孤独を秘めた少年と少女のボーイミーツガール。 なんというか銀花の過酷すぎる境遇に引きました。 ビデオカメラや補聴器といったデジタル機器を通さない限り、 誰にも気づいてもらえず、誰のことも見ることができない。 おまけに触ったり、聞いたりすることまで認識できないなんて、生きながら幽霊になっているようなものですね。 おまけに人間はおろか動植物までその効果範囲に入るというから恐ろしすぎる。まさに究極の孤独・・・。 そして何故か常人には感知できるはのない彼女に接することができる主人公、春道ですが、こいつもまた重い話を・・・。 お互いに一人ぼっちの二
【銀色ふわり】 有沢まみず/笛 電撃文庫 嗚呼、これは間違いなく【インフィニティ・ゼロ】の系譜だ。 【いぬかみっ!】や【ラッキーチャンス!】とコメディが続いたため久しく忘れていたけど、この人の原点はここなんだよなあ。 いや、ここに原点があるからこそ【いぬかみっ!】や【ラッキーチャンス!】も底抜けに楽しい雰囲気の裏にひんやりとした暗闇が広がっていて、作品に深みを与えていたんだよなあ。 動くものひとつない無音の雪原にも似た冬の静かな絶望。ひとりぼっちの世界の中で、孤独に震える心を救うのはお互いの手の感触。握った手のひらから伝わる暖かさ。それは寄り添う身体の温もりであり、寄り添う心の優しさ。 黄昏のこどもたち。機会を通してしか人間には認識ができない新たな世代の子供たち。そして、彼らもまた機会を通してしか人間を、生きているもの動物・植物に至るまで認識することができない子供たち。 そんな黄昏のこども
“黄昏の子どもたち”。機械を通してしか人間には認識することの叶わない特殊な子どもたち。僕はそんな彼らの中のひとり、イエスタデーと呼ばれる少女と偶然出会った。銀色の髪をしたとても綺麗な少女。出会うはずのなかった僕と彼女が出会ったその日から、何かが変わり始める。運命に流されるままに生きてきた僕は、彼女と出会い、そして……。 雰囲気重視の作品かなあ。科学的な説明が何やらいろいろとされているけれど、そこに注意しているよりは、この冬色の空気の満ちた静かな世界で出会った、春道とイエスタデー──銀花の心のふれ合いを堪能すべし。 誰にも見えない少女が、初めてふれ合えた少年を得たことで、彼女の世界がどう変わっていったのか、他人行儀で顔色を窺うような態度を示していた彼女が、春道との会話の中で見せる儚げな笑顔や言葉がどう変わっていったのか、じんわりと染みるように伝わってきますね。 春道自信も、彼の背景から銀花と
狭間の広場 ライトノベル中心の感想ブログ。ネタバレ満載 かつ 時々地雷常に辛口。 苦手な方はお気をつけください。 銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)/有沢 まみず ¥599Amazon.co.jp 【雪降る街のボーイミーツガール。 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で、僕らはすれ違った。 銀色の髪の、きれいな女の子。 なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……なにも起こるはずはないと思ったのに、それは始まった。 僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。 デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない“黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。 少女は新たな進化のカギを秘めたその“黄昏の子供たち”の一人だった。 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、切なく温かい物語。】 ■進化しすぎて認識されない存在黄昏の子供たちのひとり、イエスタディと、彼
[著]有沢 まみず [絵]笛 街を歩いていた安住春道は雑踏の中、銀色の髪を持つ美しい少女と出会う。酷く驚いたような彼女の様子を少しだけ不思議に思いつつもあまり気には止めなかったのだが、実は彼女はデジタルツールを介さなければ知覚する事が出来ない、“黄昏の子供たち”と呼ばれる子供の一人だった。それを知覚することが出来る春道は大人たちの頼みで、暫く彼女を預かる事になり…。 「インフィニティ・ゼロ」以来久方ぶりの有沢まみずなのですが、やっぱりこの人のシリアス路線好きだー…。デジタルツールを介さないと人の目に映る事も、自ら生きているものを知覚することも出来ない少女と、そんな彼女を唯一見ることが出来る少年の優しくて切ないボーイミーツガールストーリーです。 生きている物を何も知覚出来ない銀花が初めて自らの肉眼で認識できる春道に出会って頑なに閉ざしていた心を開いていく姿も素敵なのですが、過去に深い傷を持ち
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