「反スポーツ」と判断されたジェスチャー 広げた羽根の上で二つの頭が互いにそっぽを向いている「双頭の鷲」のシンボルを、多くの人は目にしたことがあるでしょう。 ロシアの国章、オランダやドイツなどの各都市の市章、欧州各地の王家の紋章などに頻繁に登場する意匠です。その名を聞いて、ワグナーの行進曲「双頭の鷲の旗の下に」を思い浮かべる音楽ファンがいるかもしれません。 起源は古代メソポタミア文明にまでさかのぼるそうですが、中世からの神聖ローマ帝国で紋章に採用され、欧州に広く定着しました。 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会のセルビア対スイス戦で、ゴールを決めたスイスの2選手がこの「双頭の鷲」を思わせるジェスチャーをして、騒ぎを引き起こしました。 国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会が調査に乗り出し、2選手は「反スポーツ的行為にあたる」として罰金を科せられました。 そのしぐさは、開いた手を体の
