もし、現代SF三選選ぶなら、何選ぶ? 三体プロジェクト・ヘイル・メアリーあなたの人生の物語 第五の季節 マーダーボット・ダイアリークロックワーク・ロケットエターナル・フレイムアロウズ・オブ・タイム 天冥の標ハーモニー新世界より あと1つは?
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系外惑星「グリーゼ12b」は、地球から40光年離れた赤色矮星を周回している/R. Hurt/JPL-Caltech/NASA (CNN) 二つの研究チームがこのほど、理論上は居住可能な惑星を発見した。サイズは地球に比べ小さいが金星よりも大きく、地球から約40光年離れた小型恒星を周回しているという。 米科学誌アストロフィジカルジャーナル・レターズと英王立天文学会月報に23日発表された二つの研究によると、「グリーゼ12b」と名付けられたこの惑星は、うお座の方向に位置する低温の赤色矮星(わいせい)を周回している。赤色矮星のサイズは太陽の約27%、温度は60%にとどまる。 グリーゼ12bの公転周期は12.8日だが、主星が太陽に比べかなり小さいことから、ハビタブルゾーン(恒星から理想的な距離にあり、液体の水が存在できる範囲)内に収まっている。 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターの葛原昌幸特
シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選 (創元SF文庫) 作者:メグ・エリソン,テイド・トンプソン,ダリル・グレゴリイ,グレッグ・イーガン,サラ・ゲイリー,ジャスティナ・ロブソン,陳楸帆,マルカ・オールダー,サード・Z・フセイン,ジェイムズ・ブラッドレー東京創元社Amazonこの『シリコンバレーのドローン海賊: 人新世SF傑作選』は、『近未来、そしてそれほど近くはない未来における技術開発の役割と、潜在的な影響の探究を使命としている』SFアンソロジーシリーズの一冊になる。たとえば表題作は「配達用のドローンを狩る」人々を中心にした、近未来にありえそうな情景の物語だ。 サブタイトルにある「人新世」とは何かといえば、人類はその経済活動によってあまりに地球の気候を変えてしまっており、その兆候はすでに地質にも現れるようになっている──として提唱されている「新しい地質年代」、すなわち現代のことだ
nautil.us これは面白いインタビュー記事だ! 冒頭で、今どきのテック大富豪はたいていティーンエージャーの頃に SF を読んで影響を受けているとして、ビル・ゲイツ、セルゲイ・ブリン、ジェフ・ベゾス、そしてイーロン・マスクの名前を挙げているのだが、このあたりについては『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』(asin:429610957X)などを読んでも分かりますね。 そして、けどあいつら本当に SF 読めてるのかね、とイーロン・マスクの投稿をちょっと皮肉っているのだが、この記事では以下の6人の人気 SF 作家にズバリ「SFが未来を方向づけるのか?」という疑問をぶつけている。 N・K・ジェミシン:『第五の季節』(asin:4488784011)に始まる《破壊された地球》三部作で3年連続ヒューゴー賞長編部門受賞 アンディ・ウィアー:映画化された『火星の人』(a
米Appleは2月28日(現地時間)、ウィリアム・ギブスンが1984年に発表した古典的名作サイバーパンク作品「Neuromancer」(日本では「ニューロマンサー」)を基にした新ドラマ「Neuromancer」を制作し、「Apple TV+」で配信すると発表した。全10話構成で、制作はグラハム・ローランドとJD・ディラードが担当する。配信開始時期はまだ不明。 ニューロマンサーは、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、フィリップ・K・ディック賞を受賞したサイバーパンクの名作。Appleの紹介によると「傷ついたトップクラスのスーパーハッカー、ケイスがパートナーのモリイとともに、デジタルスパイ活動と一か八かの犯罪に巻き込まれる様子を描く」という。主役のケイスとモリイの配役はまだ発表されていない。 ニューロマンサーは、何度か映画化の話があったがまだ実現していない。 ウィリアム・ギブスンの作品としては、「Joh
宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選 作者:顧適,何夕,韓松,宝樹,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,王侃瑜,程婧波,梁清散,万象峰年,譚楷,趙海虹,昼温,江波新紀元社Amazonこの『宇宙の果ての本屋』は、日本における中華SF翻訳・紹介の立役者立原透耶編集による中華SF傑作選になる。2020年にも同じ新紀元社から『時のきざはし』という中華SF傑作選が出ていて、本書はその続篇というか第二巻にあたる。 『時のきざはし』のレベルは高く、今なお中国の才能を知るためのSFアンソロジーとしてはトップクラスにおすすめしたいしたい傑作だが(文庫化してないから値段的にはあれだけど)、作品全体のレベルでいえば『宇宙の果ての本屋』に軍配があがる。それぐらい全15篇すべてのレベルが高く、時間や猫など様々なテーマ・題材がある中で、どれもが一生記憶に残るような鮮烈な印象を遺してくれる一冊だ。 huyukiitoichi.ha
平和という名の廃墟 上 帝国という名の記憶 (ハヤカワ文庫SF) 作者:アーカディ マーティーン早川書房Amazonこの『平和という名の廃墟』は、前作『帝国という名の記憶』で長篇デビュー作ながらもヒューゴー賞を受賞したアーカディ・マーティンの第二作にして二部作の後篇となる。前作は書名に「帝国」と入っているように、宇宙をまたにかける銀河帝国と、その宮廷で繰り広げられる皇帝の跡継ぎ問題なども関わってくる陰謀劇を中心に描き出す、いわばスペース・ポリティカル・サスペンスとでもいう作品であった。 著者は大学でビザンツ帝国史の博士号を取得し、別の大学で都市計画の修士をとるなど専門的背景のある人物だが、まさにそうした専門性や知識を活かして、前作では宇宙帝国とその在り様を生き生きと、美しく描き出していた。宇宙帝国ならではの特殊な文化・概念の書き込み、帝国とそれが実質的に植民地支配した周辺諸国との微妙な力関
アポロ18号の殺人 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリス ハドフィールド早川書房Amazonこの『アポロ18号の殺人』は、アポロ17号でアポロ計画が終わり、その後宇宙開発が停滞に入ってしまった現代とは異なり、アポロ計画が18号まで持続し、さらに米ソの戦いが宇宙、月でも繰り広げられるようになった「架空の宇宙開発史」を描きだす宇宙SF長編である。近年、長らく停滞していた宇宙開発がコストダウンや民間企業の参入が重なってにわかに盛り上がってきているが、それに呼応するように宇宙SFのヒット作も(たとえば『宇宙へ』『火星へ』など)出始めてきている。 本作もいわばそうした流れに連なる宇宙開発ものの作品なわけではあるけれども、他作品と異なる本作ならではの特徴は、著者クリス・ハドフィールドが、カナダ出身の引退した宇宙飛行士であるという点だ。しかも、カナダ人としてはじめて宇宙空間で船外活動を行い、2回のスペ
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ダルゲティーの牧場に突き刺さったスペースXの破片。天体物理学者のブラッド・タッカー氏提供(2022年7月29日撮影)。(c)Photo by Brad TUCKER / various sources / AFP 【8月4日 AFP】オーストラリアの羊農場で黒焦げの宇宙船の破片が突き刺さっているのが見つかった問題で、当局は4日、破片はイーロン・マスク(Elon Musk)氏率いる宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の宇宙船の一部だと発表した。 【字幕】スペースX宇宙船の破片、豪牧場で発見 破片が発見されたのは、シドニーから南西に車で5時間ほどのスノーウィー山地(Snowy Mountains)に程近い、人里離れたダルゲティー(Dalgety)。7月9日に地表に落下したとみられている。 天体物理学者のブラッド・タッカー(Brad Tucker)氏は先
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:アンドレアス エシュバッハ早川書房Amazonこの『NSA』は、ドイツを代表するSF作家アンドレアス・エシュバッハが18年に発表した、ドイツが舞台の歴史改変SF小説である。歴史改変ものとは、「もし歴史のあの時点で結果がこうなっていたら?」といった実際の歴史と異なる仮定をおき、別の歴史を空想するジャンルのことだが、その舞台とされる歴史の分岐点にも人気の多寡がある。もっとも書かれてきたのは、おそらく第二次世界大戦時の話だろう。 たとえば、第二次世界大戦でもし大日本帝国、ドイツ、イタリアの枢軸国側が勝利したら……? は『高い城の男』や『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』など多くのSF作品で描き出されてきた。で、『NSA』も改変歴史SFで、大人気の第二次世界大戦期のドイツが舞台なのだが、題材的には先行作と比べても変わり種だ*1。 『NSA』が描き出して
サハリン島 作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行本このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリスキィな褒め言葉だ。何しろ、これでつまらなかったら他のこの期間に発表されたロシアSFはいったいなんなんだ、という話になってしまう。 なので、話半分というか……、勢い余って言い過ぎちゃった人がどっかのメディアにいたのかな? ぐらいの心持ちで読み始めてみたのだけれども、いやはや……。これはたしかに、この10年で最高のロシアSFかどうかはわからないがめちゃくちゃおもしろい! 表面的な題材だけ抜き出してみれば、ゾンビ的な感染症に第三次世界大戦による終末世界化、変容してしまった世界を二人の男女が旅をするという、ありきたりなポストアポカリプス物
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