「どうしたら研究ができるようになるのか?」 身近な話で恐縮ですが、大学には研究者の卵である学生もおおぜいいて、数多くの悩みや、疑問や、文句を日々いろんなところから聞きますが、突き詰めればそれはこの質問に集約されます。 「研究」「リサーチ」を始めるときは、どこか小説を書く作業に似ていて、いつ終わるともしれない千里の旅の一歩を踏み出すような当ての無さがあります。わくわくもしますが、間違いやすく、不安な一瞬でもあります。 なので、「何を研究すればいいのかわからない」「どこから始めればいいのかわからない」「すべてが手を付けられている気がする」 という怨嗟の声がよく聞こえてくる訳です。自分も普通の人の倍近い時間をかけて博士号をとったので、これはよく自問自答していました。 いまでは自分なりの研究テーマの探し方が確立できましたが、こうした戦略は身に付く前は地道ですが次のような方法で興味の対象を絞るという
最近は研究に一日のほとんどを費やす日々を送っています。毎週の研究会で厳しく突っ込まれることを繰り返しながら、アカデミックな世界で生きていく厳しさをひしひしと感じています。将来、経産省でキャリアを積んでから、再度アカデミックな道に戻るのもアリだなどと生意気なことを軽々しく言っていましたが、生半可な決意で進むべき道ではないことを痛感しています。 でも、何らかの成果が出た時の満足感も感じられることが多くなりました。また、お互いの研究について同じ研究室の同期と議論し合う時間は素晴らしく知的に楽しい時間です。最近研究室に毎日朝から晩までいられるのも、同期とのディスカッションが楽しいからという理由が大半を占めています。 冬学期は研究会で一週間〜二週間に一回、教授陣と研究室のメンバーに対して研究の進捗報告をするのですが、最近自分の弱点やダメな点が明らかになってきました。論理の飛びが多いことと、Q&Aが下
研究テーマのみつけかた まず研究対象(たとえばブナ林)を良く見る.良く見るための手段として,毎木調査や植生調査などの記載的な調査を行ってみることも良くある. 何かテーマを思いついたら,つまらないテーマでも良いので,すぐにメモ帳にメモしておく.他の人がやっていないことを考えるよう心がける. 簡単な調査を行ってみて,当たりをつける. そのような研究に役立ちそうな情報がないか,本や論文を読むときに注意しておく.どの論文が関係しそうなのか,というインスピレーションや視野の広さも重要な能力である. フィールドと文献を行ったり来たりしているうちに,自然に対する自分のイメージができあがってくる.自分なりの自然のイメージと,文献などで得られた自然のイメージに差があれば,この差にあたる部分が非常に重要な研究テーマになる. このように,いろいろなテーマについて試行錯誤を行った結果をゼミや学会で紹介し,みんなの
100冊読む時間があったら論文を100本「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers の続きというか、補遺。 大学等に所属してる人は、そこの図書館と契約してる有料データベースを駆使されたし(使い方はガイダンスがあったりするし、図書館のレファレンスでも教えてくれるだろう)。っていうか、言うまでもないだろ、そんなことは。 ここではフリー(市井)の人が使える手を考える。手はたくさんあるが、いっぱいあっても混乱するだろうから、少しだけ。必要なら追記していく。 とりあえず3つのケースに分けてみた。 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている 2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる 3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん 番外.論文なんて本屋で買えるぜ 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている A.まずは
物事の調べ方にはいろいろあるが、新しいトピックだと、なかなか適当な文献が見当たらないことも多い。 先日も書いたが、本に載っているのは「最新」の情報ではない。書いたものが本になるまでには、かなりの時間がかかるのだ。 さて、研究は「早い者勝ち」の世界だから、誰も手をつけてないことか、まだあまり手がつけられていないことをやることになる。そのため取り扱うトピックはよりマイナーになっていく。 どマイナーなトピックなど、書いても売れないから、書店で買える書籍にはならない。では、それはどこにあるか? 答:博士論文にある。 新しく、いっぱしの研究者になろうとする者が書く博士論文。 新参者が、すでに分厚い先行研究がある(その業界では)メジャーなトピックにチャレンジしようというのは、これまでの蓄積をひっくり返せる何年に一度出るか出ないかという実力者か、単なる勘違い野郎である。 もっと慎ましやかな庶民研究者は、
Google Scholar では、さまざまな学術文献を簡単に検索できます。多岐にわたる分野と出典の論説、論文、書籍、要約、法律関係資料をお探しいただけます。
先輩の卒論審査会・発表会を見てきました。先輩が卒論で何をやっていたのか、指導教員からどのような指導を受けていたのか、卒論というのはどの程度教授陣に期待されているものなのかを知ることができました。 発表を見ていて気になったこと 発表の仕方 返事は肯くだけではなく声に出さないと伝わりにくい。 スライドにはページ数を入れた方が発表を聞きながら紙面で追う人には分かりやすいし、質疑のときに円滑に進む。 喋り方 声が通るように喋らないと通じるものも通じない。 「えっと」が多いと聞き取りづらい。5秒に1回くらいある人がいた。 この2点は事前に発表練習をすれば解決できるはず。 緊張すると失敗しやすいので練習は多分必須。 その他 大教室で発表をするとき、教授からの質問は後ろの席の人には聞こえない。 質問を要約してマイクで反復した方がよさそう。 既存技術と新規技術を組み合わせることが多いと思うけど、「どこまで
大学院生(修士課程、博士課程)が卒論・修論指導をすべき理由は大きくわけて二つ。第一の理由は、後輩の論文を指導することにより自分の論文執筆能力および研究能力の向上をはかるため。第二の理由は、論文中の初歩的な点を大学院生の方にあらかじめ指摘してもらうことによって、教員がより本質的な点について指導することができるようにすること。 指導をしてもらっている卒論生や修論生はこちらも読んで欲しい。 真っ赤な論文原稿が指導教員から帰って来たら? 「あっ、それ**さんにも、指摘されました」はメリットがないので言わないこと 他人の考えを勝手に想定して諦めちゃダメ! ちなみに、私の所属研究室では、修士1年が卒論指導、博士課程の学生が修論と卒論の指導をすることにしている。 論文指導で得られると期待されること 後輩の論文を指導することによって、自分の論文執筆能力および研究能力の向上が期待できる理由は以下のとおり。
毎年、年度頭の挨拶でも書いた方が良いかとおもうのですが、形式張ったのもどうかとおもうし、研究室に新入生も入って慣れてくるころなので、何か自分のスキルから学生に役立ちそうなものを書いてみることにしています(昨年と今年)。 自分で公開するのも恥ずかしい、とんでもない駄文ですが、誰かの役に立てばと思い、研究室向けに公開した文章をこちらにも掲載します。今年は、論文の情報収集の話にしてみました。ちなみに、昨年は、インターネットの情報収集の話をしました。1年経って状況も変わったので、アップデートしてあります。http://d.hatena.ne.jp/sesejun/20080404/p1 - この文章では、個人的には、なんだか当たり前の事を書いています。書いて公開するのを躊躇する位のレベルです。しかし、「この論文読んでみて?」とか「この章読んでみて?」とお願いした時や、輪講の時、その論文や本で参照さ
すみい (sumii AT yl.is.s.u-tokyo.ac.jp) [Q] この文書はなんでQ&A形式なんですか? 文体が不自然じゃありませんか? [A] すみません、長い文章を書くのが苦手なんです。口調が変なのは許してください。 [Q] なんでこんな文書を書いたんですか? [A] 最近の米澤・小林研に、普段からサーベイをする習慣が身についていない(当てられたときしかやらない)人が増えているような気がして、ものすごく気になったためです。 [Q] 単なるM2の学生のくせに、生意気&余計なお世話じゃありませんか? [A] はい、そうです。ごめんなさい。(_ _) でも、嘘はいっていないつもりです。 [Q] サーベイって何ですか? [A] この文書でいうサーベイとは、一般に「人の研究について勉強すること」を指します。 [Q] どうしてサーベイが必要なんですか? 人の研究ばかり勉強していては
自宅にあった、ここ5年間に読んだ論文を集めたらこれくらいになりました。(ちなみに全部両面印刷。ラボにも、もう1山分?くらいあります) 今や論文のPDFファイルはネットで簡単に入手できる時代で(ただし英語に限る)、画面の大きなディスプレイなら、そのまま読んでも特に不自由がありません。(なぜ印刷するかというと、電車の中やカフェで読んだり、お風呂で読んでも安心だったり(え?)、読み終わったら子どもに落書きさせたり(ええ?)するためです)。とにもかくにも、印刷された論文は家に置いておくとスペースをとってしまうので、1ページ目だけ読んだ記録用に残し、後は廃棄するために、子どもがホチキスの針をはがしてくれました。いい子。
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