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七夕賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
七夕賞
第51回七夕賞(2015年7月12日)
優勝馬:グランデッツァ
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 福島競馬場
創設 1965年8月15日
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量 ハンデキャップ
出典 [1][2]
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七夕賞(たなばたしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が福島競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

競走名の「七夕」は五節句のひとつで、7月7日の行事[3]。織姫星に女性が技芸の上達を祈れば叶えられるとされ、奈良時代から貴族社会では星祭りをしていたといわれる[3]。近世では民間にも普及し、現代でも各地で祭事が行われている[3]

正賞は福島県知事賞、福島商工会議所会頭賞[2][1]

概要

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第51回七夕賞の優勝レイを着装したグランデッツァ

1965年に4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走として創設。第1回は福島競馬場の芝1800mで施行された[4]

1969年・1971年ならびに1975年から1979年は10月に開催されたが、施行時期が名称に合わないことから、1976年から1979年は競走名を「東北記念(とうほくきねん)」に改称して施行[4]。その後、1980年からは施行時期が夏季開催に戻されたことから「七夕賞」の名称が復活し、あわせて施行距離も芝2000mに変更した[4]

1984年からグレード制施行により、GIII[注 1] に格付け。1995年からは混合競走に指定され外国産馬が出走可能になったほか、2002年からは特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬も出走可能になった[4]。また2006年から国際競走になり、外国馬も出走可能になった[4]

2006年からは夏季競馬を盛り上げるために設けられたサマー2000シリーズの第1戦(2025年からは第2戦)に指定されており、夏の中距離チャンピオンを目指す馬が集結する[4]

負担重量は1972年と1973年が別定で行われたほかは、ハンデキャップで定着している[4]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[2][1][5] のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:ハンデキャップ

賞金

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2024年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[2][1]

歴史

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2009年に行われた第45回七夕賞で勝利したミヤビランベリ
  • 1965年 - 4歳以上の馬による重賞競走として創設、福島競馬場の芝1800mで施行[4]
  • 1972年
    • 負担重量を別定重量に変更。
    • 前年末に発生した流行性馬インフルエンザの影響で、8月に順延。
  • 1974年 - 負担重量をハンデキャップに戻す。
  • 1975年 - 開催時期を7月から10月に変更[4]
  • 1976年 - 名称を「東北記念」に変更[4]
  • 1980年
    • 開催時期を7月に戻す。
    • 名称を「七夕賞」に戻す[4]
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け[4]
  • 1995年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[4]
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。
    • うつくしま未来博開催記念」の副称を付けて施行[4]
  • 2002年 - 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[4]
  • 2004年 - 「日本中央競馬会創立50周年記念」の副称を付けて施行[4]
  • 2006年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる[4]
    • サマー2000シリーズの構成レースに指定[4]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[4]
  • 2011年 - 東日本大震災および福島第一原発事故の影響による福島競馬の開催中止に伴い中山競馬場で施行、出走可能頭数(フルゲート)も17頭に変更。
  • 2014年 - 「JRA60周年記念」の副称を付けて施行[4]
  • 2018年 - 「福島競馬場開設100周年記念」の副称を付けて施行[6]
  • 2020年 - COVID-19の流行により「無観客競馬」として実施。
  • 2021年 - 福島県沖地震の影響による福島競馬場の来場者エリアの復旧に時間を要するため、「無観客競馬」として実施[7]
  • 2025年 - 施行時期を1週間遅らせ、7月2週目の開催に変更。

歴代優勝馬

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コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第12回から第15回が「東北記念」、ほかは「七夕賞」[4]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 斤量 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1965年8月15日 福島 1800m パナソニツク 牝5 58 1:51.0 島田功 稲葉幸夫 那須野牧場
第2回 1966年8月7日 福島 1800m ハイアデス 牡3 54 1:50.0 稲部和久 小西喜蔵 椎野浅五郎
第3回 1967年8月6日 福島 1800m ヒシヤクシン 牡4 58 1:51.4 小野定夫 稗田敏男 阿部雅信
第4回 1968年7月28日 福島 1800m ダーリングヒメ 牝4 54 1:50.5 古山良司 山岡寿恵次 諏訪忠兵衛
第5回 1969年10月5日 福島 1800m マツセダン 牡3 50 1:49.6 星野信幸 橋本輝雄 松岡冨治
第6回 1970年7月5日 福島 1800m ハクセツ 牝5 53 1:49.3 岡部幸雄 高橋英夫 中村勝五郎
第7回 1971年10月3日 福島 1800m ジョセツ 牝4 53 1:49.2 岡部幸雄 鈴木清 中村勝五郎
第8回 1972年8月13日 福島 1800m スイジン 牡7 58 1:50.3 町田精生 田中和夫 渡辺君江
第9回 1973年8月12日 福島 1800m サンヨウコウ 牡4 55 1:51.0 堀井雅広 宮沢今朝太郎 山口幸保
第10回 1974年8月4日 新潟 1800m ムツミバロン 牡6 53 1:48.0 蛯沢誠治 佐藤勝美 関口睦雄
第11回 1975年10月19日 福島 1800m ノボルトウコウ 牡6 57 1:51.8 安田富男 加藤朝治郎 渡辺喜八郎
第12回 1976年10月24日 福島 1800m ニッショウ 牡7 54 1:50.0 堀井雅広 田中朋次郎 宮崎昌則
第13回 1977年10月23日 福島 1800m ニッショウダイヤ 牝4 53 1:47.7 柴崎勇 鈴木清 勝又豊次郎 
第14回 1978年10月22日 福島 1800m カミノハヤブサ 牡5 55 1:48.3 増沢末夫 鈴木清 保手浜弘規
第15回 1979年10月21日 福島 1800m タケノテンジン 牡3 51 1:50.1 坂井千明 山崎彰義 竹下繁實
第16回 1980年7月6日 福島 2000m サクラエイリュウ 牡4 56 2:02.5 森安重勝 尾形盛次 (株)さくらコマース
第17回 1981年7月5日 福島 2000m ビゼンセイリュウ 牡4 53 2:05.4 蛯沢誠治 成宮明光 藤田正蔵
第18回 1982年7月11日 福島 2000m スイートネイティブ 牝5 56 2:00.7 岡部幸雄 野平祐二 和田共弘
第19回 1983年7月10日 福島 2000m スピーデイタイガー 牡5 55 2:04.3 岡部幸雄 前田禎 穴澤正
第20回 1984年7月8日 福島 2000m ホクトキンパイ 牡5 53 2:04.8 蛯名信広 久保田金造 佐藤フジエ
第21回 1985年7月7日 福島 2000m ロシアンブルー 牡6 52 2:05.0 柴崎勇 畠山重則 栗林英雄
第22回 1986年7月6日 福島 2000m サクラトウコウ 牡5 56 2:03.7 東信二 境勝太郎 (株)さくらコマース 
第23回 1987年7月12日 福島 2000m ダイナシュート 牝5 55 2:00.3 柴崎勇 矢野進 (有)社台レースホース
第24回 1988年7月10日 福島 2000m コーセイ 牝4 56 2:04.0 増沢末夫 尾形盛次 (株)アイ・ケイ・テイ・オーナーズ 
第25回 1989年7月9日 新潟 2000m バレロッソ 牡4 54 2:00.6 柴田善臣 中野隆良 一柳博志
第26回 1990年7月8日 福島 2000m イダテンターボ 牡4 50 2:00.7 牧之瀬幸夫 鈴木勝美 加藤裕朗
第27回 1991年7月7日 福島 2000m シーキャリアー 牡7 54 2:00.9 小島太 高橋直 藤田宗平
第28回 1992年7月12日 福島 2000m リーゼンシュラーク 牡5 54 2:02.0 坂井千明 新関力 三島武
第29回 1993年7月11日 福島 2000m ツインターボ 牡5 55 1:59.5 中舘英二 笹倉武久 黒岩晴男
第30回 1994年7月10日 福島 2000m ニフティダンサー 牡6 55 2:01.2 竹原啓二 松山康久 (有)社台レースホース 
第31回 1995年7月9日 福島 2000m フジヤマケンザン 牡7 58.5 2:02.2 蛯名正義 森秀行 藤本龍也
第32回 1996年7月6日 中山 2000m サクラエイコウオー 牡5 55 1:59.0 西田雄一郎 境勝太郎 (株)さくらコマース 
第33回 1997年7月5日 福島 2000m マイネルブリッジ 牡5 58 2:00.3 武豊 伊藤正徳 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第34回 1998年7月11日 福島 2000m オフサイドトラップ 牡7 57 1:59.2 蛯名正義 加藤修甫 渡邊隆
第35回 1999年7月10日 福島 2000m サンデーセイラ 牡4 53 2:00.3 菅谷正巳 菅谷禎高 加藤守
第36回 2000年7月9日 東京 2000m ロングカイウン 牡7 52 2:01.1 菊沢隆徳 長浜博之 中井敏雄
第37回 2001年7月8日 福島 2000m ゲイリートマホーク 5 55 2:01.2 郷原洋司 秋山雅一 (株)東京サラブレッドビューロー
第38回 2002年7月7日 福島 2000m イーグルカフェ 牡5 57 1:59.2 田中勝春 小島太 西川清
第39回 2003年7月13日 福島 2000m ミデオンビット 牡6 56 2:00.7 田中勝春 河野通文 ミデオン興業(有)
第40回 2004年7月11日 福島 2000m チアズブライトリー 牡6 57 2:01.7 柴田善臣 山内研二 北村キヨ子
第41回 2005年7月10日 福島 2000m ダイワレイダース 牡6 56 2:00.4 後藤浩輝 松山康久 大城敬三
第42回 2006年7月9日 福島 2000m メイショウカイドウ 牡7 59 1:59.3 武豊 坂口正大 松本好雄
第43回 2007年7月8日 福島 2000m サンバレンティン 牡6 57 2:00.3 後藤浩輝 佐々木晶三 吉田勝己
第44回 2008年7月13日 福島 2000m ミヤビランベリ 牡5 53 1:59.8 吉田豊 加藤敬二 村上義勝
第45回 2009年7月12日 福島 2000m ミヤビランベリ 牡6 57 2:00.2 北村友一 加藤敬二 村上義勝
第46回 2010年7月11日 福島 2000m ドモナラズ 牡5 52 2:00.4 柴田善臣 音無秀孝 小田切有一
第47回 2011年7月10日 中山 2000m イタリアンレッド 牝5 52 2:00.5 中舘英二 石坂正 (株)東京ホースレーシング
第48回 2012年7月8日 福島 2000m アスカクリチャン 牡5 55 2:01.1 内田博幸 須貝尚介 上野武
第49回 2013年7月7日 福島 2000m マイネルラクリマ 牡5 57 1:58.9 柴田大知 上原博之 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第50回 2014年7月13日 福島 2000m メイショウナルト 騸6 56 1:58.7 田辺裕信 武田博 松本好雄
第51回 2015年7月12日 福島 2000m グランデッツァ 牡6 57 1:58.2 川田将雅 平田修 (有)社台レースホース
第52回 2016年7月10日 福島 2000m アルバートドック 牡4 57 1:58.4 戸崎圭太 須貝尚介 (株)G1レーシング
第53回 2017年7月9日 福島 2000m ゼーヴィント 牡4 57 1:58.2 戸崎圭太 木村哲也 (有)シルクレーシング
第54回 2018年7月8日 福島 2000m メドウラーク 牡7 54 2:00.8 丸田恭介 橋田満 吉田勝己
第55回 2019年7月7日 福島 2000m ミッキースワロー 牡5 57.5 1:59.6 菊沢一樹 菊沢隆徳 野田みづき
第56回 2020年7月12日 福島 2000m クレッシェンドラヴ 牡6 57 2:02.5 内田博幸 林徹 広尾レース(株)
第57回 2021年7月11日 福島 2000m トーラスジェミニ 牡5 57 2:02.2 戸崎圭太 小桧山悟 柴原榮
第58回 2022年7月10日 福島 2000m エヒト 牡5 54 1:57.8 田中勝春 森秀行 平井裕
第59回 2023年7月9日 福島 2000m セイウンハーデス 牡4 57 1:59.8 幸英明 橋口慎介 西山茂行
第60回 2024年7月7日 福島 2000m レッドラディエンス 牡5 57 1:57.9 戸崎圭太 友道康夫 (株)東京ホースレーシング

その他

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福島競馬場「ローズガーデン」

福島競馬場馬場内広場ターフビジョン裏の「ローズガーデン」(2013年春造成)は七夕賞にちなんで「天の川」を模してデザインされた[8]

脚注・出典

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注釈

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  1. ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 25. 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d 2024年第2回福島競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  3. ^ a b c 2024年度第2回福島競馬特別レース名解説(第4日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2024年7月21日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 今週の注目レース(第51回七夕賞:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月10日閲覧。
  5. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  6. ^ 平成30年第2回福島競馬番組日本中央競馬会、2018年4月9日閲覧
  7. ^ 第1回福島競馬の無観客競馬の実施(7月3日(土曜)から18日(日曜))”. 日本中央競馬会 (2021年5月1日). 2021年5月1日閲覧。
  8. ^ 福島競馬場 ローズガーデン花だより Vol.1

各回競走結果の出典

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外部リンク

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