KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

人民元安続くも安心感に変わる

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日経平均は本日反発。前日のNYはダウはDisneyが決算を受けて売られていることから下げ幅を拡大し、一時500ドル超の下落に。WTI原油も3%超の下落となり、長期金利も一時1.6%を割り込んで16年大統領選挙前以来の安値水準でした。ただその後ダウは200日線を意識して切り返し、10年債入札が順調で無難だったことから金利も一服。終わってみれば下げ幅を全て取り戻しました。

それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。ただ中国人民元基準値の発表を控え、次第に警戒感から売りに押されました。そして10時15分に人民元基準値が11年ぶりに1ドル=7人民元を突破したものの、元安推移がマイルドだったことから一転安心感に繋がる格好。上げ幅を拡げる展開になり、20600円台を回復しました。売買高は前引け時点で5億株台と低調。


投資判断は「買い」に。FOMCというビッグイベントを通過してやれやれと思った途端、9月から対中関税第4弾発動(3000億ドル相当の品目に10%)というトランプ砲が市場を一気に冷やしました。

株価が高値圏に来たら放たれるクセのあるトランプ砲にスッカリ油断していました。特に次回は9月上旬にワシントンで貿易交渉再協議と即決まったので、とりあえずイベントが少なく夏休みモードの8月に米中貿易絡みでネガティブな発言は出てこないだろうと高をくくっていました。もし株価が大きく崩れてしまったらFOMCも終わったばかりですし、株価のトレンドを戻し辛いですから。

ただ今回の関税は実施までの期間が長い点が特徴的。これまで例えば第1弾、第2弾は決定から約2週間後、第3弾は記憶に新しい令和改元直後の連休最終日に決定され、週末からすぐ適用開始となりました(ただ急過ぎて実務的に追いつかず、現実的には延長されましたが)。

ところが今回は一ヶ月後からということで、9月協議再開の手前に設定してきました。勿論夏休みモードというスケジュールもあるのでしょうが、それならば何故こんなに早く宣言してしまったのか。むしろ株価に過熱感が出る前に意図的に一旦冷やしたいのか、と思う程。 

あるいはパウエル議長に対する当てつけだったのか。「お前が十分に利下げしないからだ!」と、お得意の人のせいにできるタイミングだったことも幾分か影響しているかも知れません。あとは曲がり屋の私が強気に転向したからかも知れませんね・・・。

単に金額だけで論じれば、今回3000億ドルの中国からの輸入に対する10%の追加関税ですから、300億ドル(3兆円規模)の関税となりますけれど、第3弾は2000億ドル分の関税を10%→25%に差し引き15%引き上げたので、やはり300億ドル分と前回と同水準です。

例えばAppleは5月に自社株買いの規模を750億ドル(8兆円規模)増額してきました。このApple1社の自社株買いの半分以下の金額です。勿論そういう問題では無いのですが、あくまで関税のサイズ感として過剰に心配する必要が無いのでは無いかとも思います。

FOMCの個人的な感想として、まず0.25%の利下げは規定路線。一方、資産圧縮停止を元々予定していた9月末→8/1に2ヶ月前倒しとしたことはポジティブサプライズでした。この点に関しては、先んじてトランプ大統領Twitterで圧力をかけていた部分に呼応したような格好です。ただ会見のコメントで景気が強いことを強調し過ぎて、追加利下げに対する期待感を醸成できなかった点は予想外で結局トランプ大統領に叩かれています。

その辺りは少々真面目さが前面に出すぎてしまったような感じがしますが、予防的な利下げであると言っていることなどと辻褄を合わせると、本来非常に当たり前のコメントではあります。ともあれ市場の期待に応えられなかったということで、パウエル発言以降株価は一段安となりました。

実態面で言えば利下げに加えて資産圧縮停止が今月から早速始まったわけですから、市場に流れる資金の量(M2)は増えやすい下地が整います。市中に資金が溢れるわけで、そうなってくると利回りを求めて各金融商品に資金が流れ込んでいく形になります。

好景気の金余りはバブルですし、あるいは景気拡大が止まったとしても「設備投資などにお金を回せないから、自社株買いや値上がりが続くところに投資しようか」という「不景気の株高」というケースにも成り得ます。個人的には特に資産圧縮が止まったことから、ここから相場に対しては強気派に転向せざるを得ないと思いました。

アメリカの利下げが政策的に正しいかどうかは別問題。世界中のあらゆるパワーバランス(WTOを無視しても成り立つアメリカの傲慢さや、中央銀行などに対する大統領や投資家の圧力、左右二極化する国民感情など)を考慮すると、もう双方に妥協点を見つけて均衡を保つという世の中ではないのだろうと思います。

ですからバブルが正しいとは思いませんが、自分の希望とは別にそうなっていくと思うのであれば、それに従った投資をせざるを得ません。MMTがどうとか、プライマリーバランスがこうとか難しいことは頭の良い方に議論を任せ、我々小口投資家は世の流れに合わせるしかありません。逆に、私のようなプライドもポリシーも無い弱小助言者の強みは、そういうところの柔軟さにあるのかも知れません。それらの政策が正しいか否かは後講釈で無責任に語ることができます。

個別では、比較的金融株が好決算ですが、中身を見ると「債券売買益」が目に付きました。つまり景気や株はイマイチでも債券が高い(=金利が低い)ので、債券トレーディングで稼げているので大丈夫、ということです。

本来の銀行(貸出)業務では無いのですが、足元金利低下=利ざや悪化で売られてきた銀行株に、裏返しのメリットが出て来たところは良かったです(※ただし、これはあくまで債券売買主体で出来る準メガバンクまでのメリットであり、地銀は引き続き厳しい)。


新興市場は「やや買い」。本日は両指数共にしっかり。東証1部が安定する中で、新興市場にも買い安心感が拡がりました。ただ昨日のマザーズの売買代金は今年最低の581億円となっており、決算発表を控える中で警戒感もあります。


ポートフォリオ銘柄】
カナディアンソーラーインフラ投資法人(9284)は堅調。足元で世界的に利下げ競争が進み、安定的な利回り商品に注目が集まる中、REIT指数の高値更新に合わせてインフラファンドも買われています。すっかり暑くなってきて、電力需要の拡大と発電効率が上がる点も一応プラスではあります。


トッパン・フォームズ(7862)は続伸。まだ本日場中の段階ですが、このまま終われば底値圏で3陽連の形になり、上昇トレンド転換のチャート形状になります。既に8月の高値を付けており、200日線突破にかかる段階。米中貿易戦争の影響を受け辛い銘柄ですし、まずは8/1急落時の窓埋めから。


・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。

なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。

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