コツ

数学オリンピック突破のための不等式証明のコツ

3変数の対称な不等式(または巡回式)証明の問題は2変数の不等式を3つ足し合わせる,または掛け合わせることで証明することが多い

この方法で必ずうまくいくわけではありませんが,3変数の不等式証明の問題に取り組むときは,やみくもに式をいじるのではなく,3つに分解できないか考えてみると突破できることが多いです。

具体例を4つほど紹介するのでコツを掴んでください。

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不等式証明のコツ3:Ravi変換

三角形の各辺の長さが変数の不等式証明問題は,Ravi変換と呼ばれる以下の置き換えを用いるとほとんどの場合でうまくいく。

Ravi変換:a=x+y,b=y+z,c=z+xa=x+y, b=y+z, c=z+x

→ 不等式証明のコツ3:Ravi変換

対称式を素早く正確に展開する3つのコツ

難関大学の入試問題や数学オリンピックの不等式証明問題では複雑な対称式を計算しなければならない問題が出題されます。

気合いで1つずつ展開すると脳のエネルギーを無駄に消費してしまうので,対称式の性質をうまく利用してサクッと展開できるようになっちゃいましょう!以下の3つのコツは 主に3変数の展開で威力を発揮します。

→ 対称式を素早く正確に展開する3つのコツ

関数方程式の解き方のコツ〜全射と単射〜

全射と単射:

行き先の候補となるどんな元 yy を持ってきても f(x)=yf(x)=y となる xx が存在するとき, f(x)f(x) は全射であると言う。

また,f(x)=f(y)f(x)=f(y) なら x=yx=y が成立するとき, f(x)f(x) は単射であると言う。

このページでは,全射・単射のイメージ,具体例,関数方程式への応用を紹介します。全射,単射は高校数学では扱わず,専門用語っぽくてとっつきにくいですが,イメージを理解すれば難しくありません。

→ 関数方程式の解き方のコツ〜全射と単射〜

条件式abc=1を持つ不等式の証明

条件式 abc=1abc=1 を持つ不等式証明の問題では以下のいずれかの変換を用いるとうまくいく場合が多い。

変換1:a=xy,b=yz,c=zxa=\dfrac{x}{y}, b=\dfrac{y}{z}, c=\dfrac{z}{x}

変換2:a=1x,b=1y,c=1za=\dfrac{1}{x}, b=\dfrac{1}{y}, c=\dfrac{1}{z}

→ 条件式abc=1を持つ不等式の証明

n変数の不等式証明のテクニック

数学オリンピックの不等式証明問題は 33 変数のものとn変数のものがほとんどです。

→ n変数の不等式証明のテクニック

isolated fudging

isolated fudging:

f(a,b,c)+f(b,c,a)+f(c,a,b)kf(a, b, c)+f(b, c, a)+f(c, a, b)\geq k

を証明する代わりに

f(a,b,c)karar+br+crf(a, b, c)\geq \dfrac{ka^r}{a^r+b^r+c^r}

を証明する手法

→ isolated fudging

方程式の有理数解

定理:

整数係数多項式 =0=0 の形の方程式が有理数解 qp\dfrac{q}{p} を持つなら,

pp は最高次の係数の約数であり,qq は定数項の約数である。

このページでは,三次方程式の有理数解について述べたあと,上記の定理の証明を解説します。

この定理は三次,四次方程式を解くのに役立つだけでなく,整数問題にも頻繁に登場します。

→ 方程式の有理数解

場合分けの意義と方法|絶対値・二次関数・数列

場合分けとは,一気にまとめて扱うのが難しい問題を(変数の値などに応じて)いくつかの場合に分割して考えることをいう。

この記事では,「場合分け」とは何なのか,どうして必要なのかを絶対値・関数・方程式・数列など複数の例題を使って解説します。また,場合分けのコツも解説します。

→ 場合分けの意義と方法|絶対値・二次関数・数列

部分積分の公式と覚え方,例題

2つの関数の積の積分を変形する部分積分の公式を紹介します。

不定積分: f(x)g(x)dx=f(x)g(x)f(x)g(x)dx\int f(x)g'(x)dx=f(x)g(x)-\int f'(x)g(x)dx

定積分: abf(x)g(x)dx=[f(x)g(x)]ababf(x)g(x)dx\int_a^b f(x)g'(x)dx=\left[f(x)g(x)\right]_a^b-\int_a^b f'(x)g(x)dx

難しい積分に立ち向かうための基本的なツールのひとつです。

→ 部分積分の公式と覚え方,例題

「分数の分数」の形をした繁分数・連分数

分数の分母や分子に分数があるものを繁分数という。

また,以下のような形の数を連分数という。 a0+b1a1+b2a2+b3a3+ a_0 + \dfrac{b_1}{a_1 + \dfrac{b_2}{a_2 + \dfrac{b_3}{a_3 + \cdots}}}

「分数分の分数」という形をした数に関連する話題をいくつか紹介します。

→ 「分数の分数」の形をした繁分数・連分数

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