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2022.05.19

【シェフ考案】チキン南蛮の作り方。衣はザクザク、肉はジューシー! 甘酢、タルタルレシピも必見です

チキン南蛮のイメージ

チキン南蛮とは、卵を衣にして揚げた鶏肉を甘酢だれに漬け、タルタルソースをかけて食す、宮崎県の郷土料理。今回、そんなチキン南蛮を「大人好み」の味わいにプロがアレンジして紹介します。教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフです。

「本場のチキン南蛮は、揚げた鶏肉を甘酢だれに浸してしっとりした食感を楽しみます。一方、今回ご紹介する私のオリジナルのチキン南蛮レシピでは、甘酢だれをトロッと煮詰め、揚げた鶏肉にかけるスタイルなので、衣のザクッとした食感が楽しめます。ごはんのおかずとしてだけでなく、酒の肴としてもおすすめの一品です」

甘酢だれやタルタルソースの作り方にも、知らなかったプロのテクニックが満載というから気になります! シェフ考案のこだわりポイントとともに詳しく教えてもらいましょう。

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大人好みのザクザク食感! シェフ考案チキン南蛮の「4つのこだわり」

【こだわり① 肉】使うのは鶏もも肉。ブライン液でしっとりジューシーに

チキン南蛮の本場・宮崎では淡白な鶏胸肉を使いますが、今回は脂がのっている鶏もも肉を使ってチキン南蛮を作ります。漬けておくだけで驚くほど肉がやわらかくなる塩と砂糖を加えた水「ブライン液(ソミュール液とも)」を使って、しっとりジューシーな食感に仕上げます。

これは鶏肉を美味しくするテクニックで、漬けておいた鶏肉はどんな料理にも使えます。鶏肉を買ってきたら、とりあえずブライン液に漬けて保存するように習慣づけておくのもいいでしょう。

【こだわり② 衣】バッター液&片栗粉で、ザクッと香ばしい竜田揚げ風に

揚げ物の醍醐味は、ザクッと香ばしい衣! ということで、今回紹介するチキン南蛮は薄力粉と卵と水を混ぜたドロッとした液状の「バッター液」をからめてから、片栗粉をまぶして揚げた竜田揚げ風。バッター液がつなぎとなり、肉に片栗粉がしっかりとつくので、ザクッとボリューミーな衣に揚がります。

また「二度揚げ」という揚げ方にも注目! ぶ厚い衣でも外はカリッ、中はふわっと揚がります。レシピで詳しく解説しているので、参考にしてください。

【こだわり③ 甘酢だれ】トロ~リと煮詰めて、濃厚なソース仕立てに

シャバシャバの甘酢だれに揚げた鶏肉を浸してジューシーに仕上げるのが、本場流。でも今回はザクッとした衣を堪能したいので、甘酢を煮詰めてソース風に仕上げる柬理シェフオリジナルのレシピをご紹介します。甘酢が染み込んだ部分とザクッとワイルドな衣の食感の対比を楽しんで。

【こだわり④ タルタルソース】香味野菜たっぷり! 大人好みの味に

チキン南蛮に欠かせないのがタルタルソース。ここでも「ブライン液」が登場。香味野菜を漬けて浅漬け風にしたものをたっぷり加え、大人好みの味に仕上げます。パリパリとした食感が心地よい市販の漬物を加えてアクセントに!

【柬理シェフのオリジナル】大人がハマるチキン南蛮の作り方

チキン南蛮の材料

<材料>(4人分)

  • 鶏もも肉…2枚 
  • 【ブライン液】
    ・水…1ℓ
    ・塩…25g
    ・砂糖…25g  
  • 【甘酢だれ】
    材料と作り方はこちら
  • 【タルタルソース】
    材料と作り方はこちら
  • 【バッター液】
    ・卵…1個
    ・薄力粉…50g
    ・水…30ml
    ・塩…ひとつまみ
    ・白こしょう…適量
  • 片栗粉…適量
  • 揚げ油…適量

<作り方>

1. ブライン液を作り、鶏もも肉を30分~1時間漬け込む

鶏もも肉をブレイン液に浸すイメージ

鶏肉は余分な脂と筋を除き、1枚を4等分に切る。ボウルにブライン液の材料、水1ℓ、塩25g、砂糖25gを入れて混ぜ、鶏もも肉を加えて30分~1時間漬け込む。

「ブライン液は肉をやわらかくするための調味液です。塩が肉のたんぱく質を分解して、砂糖の作用で保水力がアップ。加熱しても肉が縮みにくくなり、ふっくらジューシーな仕上がりになります。肉に下味をしっかりつける役割もあります」

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2. 甘酢だれ、タルタルソースをそれぞれ作る

甘酢、タルタルソースのイメージ

【甘酢だれ】の材料と作り方はこちら>>

【タルタルソース】の材料と作り方はこちら>>

3. ブライン液から鶏もも肉を取り出し、水気をふき取る

鶏もも肉をザルに上げたイメージ

ブライン液から鶏もも肉を取り出し、バットにのせて水気をきってから、ペーパータオルで肉の表面をふく。

4. バッター液を作り、鶏もも肉をくぐらせ、片栗粉をまぶす

鶏もも肉をバッター液にくぐらすイメージ

ボウルにバッター液の材料を入れてよく混ぜ合わせ、鶏もも肉をくぐらせる。

「バッター液とは、卵、小麦粉、水を混ぜ合わせたもの。本場のチキン南蛮は小麦粉、卵を順につけて衣にしますが、あらかじめ混ぜ合わせておくバッター液は時短になるうえ、ドロッとした液状なので、衣がしっかりついて揚げるときにはがれにくいのがいいところ。ボリューム感が出て食べ応えも増します」

鶏もも肉に片栗粉をまぶすイメージ

バッター液をつけた鶏もも肉に片栗粉をまんべんなくまぶす。

「揚げたときにザクザクッとした食感になるように、小麦粉ではなく片栗粉を使います。片栗粉はでんぷんを多く含んでいるため、小麦粉で作るよりもザクッとした食感になるんです」

5. 鶏肉を二度揚げする。まずは160℃の揚げ油で、鶏もも肉を2分揚げる

熱した揚げ油に鶏もも肉を入れるイメージ

二度揚げ(一度揚げて油を切った後、温度を揚げてもう一度揚げる)することで、しっかりと火を通し、カラッと仕上げる。まずはフライパンに鶏もも肉がかぶるくらいの揚げ油を入れ、160℃に温めたら、鶏もも肉を静かに入れて約2分揚げる。

「バッター液をひとつまみ油に入れ、鍋底に沈んでからゆっくり浮き上がる状態がおおよそ160℃です」

「油に入れてすぐに鶏肉に触ると、衣がはがれてくるので、衣がかたまるまでは、触らずに待ってください。その時間が約2分です」

6. 鶏肉の上下を返して、さらに2~3分揚げて取り出し、バットに立てて置き、5分休ませる

鶏肉を裏返して、2~3分揚げる。

鶏もも肉を揚げたイメージ

揚がったらバットに鶏もも肉を立てるように置き、5分休ませる。

「こうして休ませている間も余熱で中までしっかり火が通ります。同時に衣の油が下に染み出てくるので、寝かせて置いてしまうと下になっている面が油っぽくなるのですが、立てて置くと時間が経過してもサクサクの状態が保てます」

7 揚げ油を180℃に熱して、二度揚げする

鶏もも肉を二度揚げするイメージ

揚げ油にちった片栗粉の衣を網じゃくしですくい取ってから、180℃に熱して、休ませておいた鶏肉を入れて二度揚げする。

「バッター液をひとつまみ油に入れ、鍋底に沈まずにすぐに浮き上がればおおよそ180℃です。一度目に揚げたあと休ませることで中までしっかり火が通っているので、二度目に揚げるときは、衣の表面の水分を飛ばすのが目的。こんがりとしたきつね色になるまで揚げれば取り出しましょう。金属製の菜箸やトングで肉を持ち上げてみて、ジリジリと振動が伝わってきたら、中までしっかり火が通って揚がっている証拠です」

チキン南蛮のイメージ

揚がったらバットに鶏もも肉を立てるように置く。

8. 器に揚げた鶏肉を盛り、甘酢、タルタルソースをかける

「お好みで粗びき黒こしょう(分量外)をふってください」

お肉のうまみが口いっぱいに溢れ出す! 衣のザクザク食感と香味野菜の香りが最高

チキン南蛮の香味野菜のタルタルソースをかけたイメージ

ザクッとした厚い衣ですが、卵が入っているのでフワッと軽い食感。鶏肉はブライン液のおかげでしっとりジューシー! 衣に甘酢がかかっている部分とそうでない部分の味の違いにメリハリがあるので、食べ飽きません。

タルタルソースは香味野菜がたっぷりで重くなく、とくにきゅうりの食感と爽やかな香りがいいアクセントになっていて、新発見のおいしさでした。タルタルソースだけでもビールがすすみそう!

シェフ直伝のレシピで、チキン南蛮の新しいおいしさを発見できること間違いなし。ぜひ試してみてください!

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【チキン南蛮の甘酢だれレシピ】トロリと煮詰めた、やさしい酸味のまろやかな味わい

一般的なチキン南蛮の甘酢だれは、揚げた鶏肉にしみ込ませるために、シャバシャバしたレシピが多いですが、今回は甘酢だれを揚げた鶏肉にかけて食べるので、あえて甘酢を煮詰めてトロリと仕上げるレシピをご紹介します。

酢の量を減らし、代わりにレモンの絞り汁を加えることで、酸っぱすぎないまろやかな味わいの甘酢に。

甘酢の材料のイメージ

<材料>(4人分)

  • 水…40ml(大さじ2と2/3)
  • みりん…40ml(大さじ2と2/3)
  • しょうゆ…20ml(大さじ1と1/3)
  • 砂糖…15g(大さじ1)
  • 酢…10g(小さじ2)
  • おろしにんにく…1/2片分
  • 赤唐辛子(半分に切って種を除く)…1本
  • レモンの絞り汁…10ml(小さじ2)

<作り方>

1. レモンの絞り汁以外の甘酢だれの材料を鍋に入れ、1/4の量になるまで中火で煮詰める

甘酢を煮詰めるイメージ

2. 最後にレモンの絞り汁を加える

甘酢だれの材料を鍋に入れているイメージ

煮詰めたら、最後にレモンの絞り汁を加える。

【チキン南蛮のタルタルソースレシピ】香味野菜たっぷりの大人味!

タルタルソースはゆで卵と玉ねぎとマヨネーズで作るレシピが定番ですが、今回は玉ねぎの代わりに長ねぎを使い、香味野菜や市販の漬物を加えた具だくさんのタルタルソース。野菜をブライン液に漬け込んで浅漬け風にしているので、パリパリした食感が楽しい! 隠し味のカレー粉がコクと風味を深めます。

香味野菜のタルタルソースの材料のイメージ

<材料>(4人分)

  • 【ブライン液】
    水…1ℓ
    塩…25g
    砂糖…25g
  • みょうが(粗みじん切り)…3本
  • 新しょうが、またはしょうが(粗みじん切り) …30g 
  • きゅうり(粗みじん切り)…30g
  • 長ねぎ(粗みじん切り)…20g
  • 青じそ(粗みじん切り)…5枚
  • 固ゆで卵(粗みじん切り)…2個
  • 市販のつぼ漬け大根の漬物、またはたくあんや柴漬け(粗みじん切り)…30g
  • 【調味料】
    マヨネーズ…100g(大さじ7)
    砂糖…5g(小さじ1)
    しょうゆ…5g(小さじ1)
    黒こしょう…適量
    カレー粉…ごく少々

<作り方>

1.【ブライン液】の材料を混ぜ、粗みじん切りの野菜を加えて15分漬ける

刻んだ香味野菜をブライン液に浸しているイメージ

ボウルにブライン液の材料(塩、砂糖、水)を入れてよく混ぜ、みょうが、新しょうがまたはしょうが、きゅうり、長ねぎ、青じそを加えて15分漬ける。ザルに上げて、さらしやキッチンペーパーで絞って水気をしっかり絞る。

「ブライン液で香味野菜を浅漬けにすることで、下味をつけるとともに野菜の水分を引き出します」

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2. ボウルに1と【調味料】の材料を入れてよく混ぜる

香味野菜のタルタルソースのイメージ

別のボウルに1、固ゆで卵、壺漬け大根の漬物、調味料の材料を入れてよく混ぜる。

「野菜はみょうが、長ねぎ、大葉は必須。壺漬け大根の漬物の代わりにたくあんや柴漬けなどでも美味しいタルタルソースができます」

【プロの愛用品】タルタルソースを作るときに役立つみじん切り器

柬理シェフがプロ目線でおすすめする調理道具を紹介します。今回は、香味野菜のタルタルソースを作るときにあると便利なみじん切り器です。

手動で簡単操作! <貝印>セレクト100 みじん切り器

<貝印>セレクト100 みじん切り器

<貝印>セレクト100 みじん切り器 4,730円(税込) ※販売期間:通年

ハンドルを回すだけで、切れ味のいいステンレス製の刃が高速回転して、野菜のみじん切りがあっという間にできる優れモノです。刃を取り外し、部品を交換すればサラダスピナーとして野菜の水切りとしても大活躍! 使わないときは部品はまとめて収納でき、ふたからハンドルも取り外せるので、場所を取らずに収納できます。

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伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

写真:矢野宗利
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
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※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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