マッツが耕し、私が埋める。
【愛を耕すひと】 2023年 - デンマーク・スウェーデン・ドイツ - 127分
原題:
Bastarden/The Promised Land
監督:
ニコライ・アーセル
キャスト:
マッツ・ミケルセン
アマンダ・コリン
シモン・ベンネビヤーグ
原作:
イダ・ジェッセン『The Captain and Ann Barbara』
18世紀のデンマーク。貧しい退役軍人のケーレンは、「開拓が成功した暁には、貴族の称号と相応の領地と使用人がほしい」という条件のもと、誰も耕すことができないと言われている荒地"ヒース"の開拓に名乗りをあげる。
しかし、ケーレンを敵対視した有力者デ・シンケルがありとあらゆる非道な手段を用いて、ケーレンの開拓を阻止しようとし...
ようやく私もマッツに耕された人になりました。
いつものごとく、な〜んの前情報も入れずに観た。
最後で、あ、実在の人物のお話だったんだ...と知るレベルに無知。
公開から約1週遅れて観たのに、前日の日付が変わったくらいにチケットを予約した時からすでに結構席が埋まっていて、実際劇場に入ったらもう満席状態で、老若男女こんなにもマッツに耕されたいひとたちが...おかげでパンフレットも完売だったので悲しい。
ハリウッド大作に出てるマッツももちろん好きだけど、好きのウェイトで言ったら、断然私は母国の映画やインディーズ映画に出ているマッツの方が好き。決して派手さのない映画でも、マッツの重厚な演技によって感情を大きく揺さぶられる映画になっているから。
マッツが耕そうとしている土地が想像以上にガッチガチで、自分だったら秒で投げ出して手が痛いと泣き出すレベルだったり、常々マッツと子どもの組み合わせは最高!と言っていたのに、その最高!に至るまでがまた険しい道のりだったり、相変わらずマッツの演じる役は女性から迫られるパターンが多いなとなったり...
それと、有力者のデ・シンケルが本当にムカつくやつで、この手の怒りにつき動かされた狂人の敵役は案外嫌いじゃないんだけど(あまりのイかれっぷり周りが引く瞬間が好き)、嫌いじゃないんだけどめちゃくちゃムカつき過ぎて、荒地に頭からめり込ませたくなった。マッツが耕し、私が埋める。
まあまあわりとず〜っとしんどい映画なんだけど、最後の終わり方がすんなり胸に染み込んできて良かったというか、あるべき形で終わった気がして好きだったというか...うまく言語化できないけど、終わり方がとにかく好きな映画だった。
というかこの作品、私の好きな脚本家/監督のアナス・トマス・イェンセンが脚本に関わってるので、ああ、そのせいかもと納得。
(2025/02/23)映画館(字幕)