虐げられて育ったヒロインが何もかもすぐに諦めてしまう、変な物分かりの良さに切なさが溢れる。義兄である王から勝手に決められたヒーローとの結婚。でも、一目で心惹かれ、捨てられる立場と覚悟して悟っていても、訳ありで離れて暮らす5年の間に知らず知ら
ずのうちに一途に思いを深くしていたけど、心に蓋をしてそれに気づかないように自分を守って暮らしていた健気さ。辺境の地で妻を思いながら必死に開墾していくヒーロー。そしてそれが身を結び国への税金も多く納め、離れて暮らす妻へも送金もしていたのに、それを阻み2人を引き離す動きが。直接話すこともせずにいたせいですれ違いから誤解を生み波瀾万丈な再会となる。なかなかにすれ違いが微妙で心がザワザワして先が気になる。送金をかすめていたり手紙を渡さなかったり邪魔をしていたのは王の侍従のような気がする。この巻では明らかにならないけど。2人の気持ちも寄り添えてきて、さあこれから!と言うところでおしまいでした。続きがありそうな気配に、後書きからやはり!と思うコメントが。カラスと罵られて萎縮して生きてきた少女が夫となるヒーローの言葉で、言いなりになるのはやめて、自分の人生は自分でつかむ。と、試練に向かって挑んでいき成長していく心踊る物語です。
もっとみる▼