父の代までは、常連で賑わった下町のリストランテ。だが店主兼シェフが次男の敦(あつし)に代わってから、いつしか客足は遠のき、店には閑古鳥が鳴く始末。幼なじみの寅次郎(とらじろう)に夜、賄いのナポリタンを食わせる以外は、客といえば日々高額のワインを開けランチとディナーを食べて行く謎のスーツの男だけ。店の財政は火の車、借金の取り立てもシャレですまなくなる。だがなぜか、その謎の男・中川が借金を返済すると言い出し……!? 顔だけはいい中川の真意はどこに!? そして幼なじみの敦と寅次郎、互いに抱えてきた複雑な思いの行く末は……!?