前立腺がんの新薬「Zytiga」、臨床試験が中断されるほどの効果

  • author 福田ミホ
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前立腺がんの新薬「Zytiga」、臨床試験が中断されるほどの効果

こんなに効く薬、早く全員使えるように! というくらいすごいみたいです。

Johnson & Johnsonの前立腺がん向け新薬、「Zytiga(ザイティガ)」が臨床試験でてきめんの効果を見せました。

前立腺がんを発病する人はアメリカでは毎年20万人もいて、毎年3万人が死亡しているのですが、転移する前に発見されれば治療も可能です。ただし骨に転移することが多く、そうなるとホルモン療法への耐性ができてしまい、前立腺がんの生存を助けるテストステロンをブロックできなくなります。

Zytigaには、がん細胞の中に入り込んでテストステロンの生産をストップさせる効果があります。また、がんが転移して他の薬が効かない場合でも、その効果は持続します。すでにZytigaは昨年FDA(アメリカ食品医薬品局)からの認可を受けていましたが、その使用対象は進行した前立腺がん患者ですでに他の組織に転移しており、化学療法を受けている人に限られていました。

でも今回カリフォルニア大学サンフランシスコ校ヘレンディラーファミリー総合がんセンターが行った臨床試験で、Zytigaはより早期の患者にも効果的であることが認められたのです。

臨床試験には、12ヵ国1088人の前立腺がん患者が参加しました。試験参加者は標準的な少量のプレドニゾン(ステロイドの一種)での治療を受けつつ、半数はZytigaを、半数はプラセボ薬を服用しました。開始後すぐに、Zytigaを服用するグループでのがんの進行スピードは、そうでないグループに対して半分ほどになっていることがわかりました。さらに患者の痛みも極めて小さくなり、化学療法が必要になるまでの時間も明らかに遅くなりました。結果があまりに顕著だったため、臨床試験は中止となり、すべての試験参加者がZytigaを使えるようになったのです。

「最初の1瓶目を飲んだときから痛みが消えて、人生が元に戻り始めたように感じました。」とニュースサイトSFGateで語るのは、元港湾労働者で83歳のロドルフォ・シャベスさんです。彼は1997年に前立腺がんと診断され、2006年には転移が見つかり、化学療法も受けていました。「今も飲み続けています。今10瓶目で、今日もう1瓶飲む予定です。」

FDAはZytigaをがんの初期段階で使用することはまだ承認しておらず、承認は早くとも来年、研究の最終結果が発表されてからになると思われます。早く結果が検証されて、患者さんの元に届けられると良いですね。

[SFGate - Image: Thinkstock]

Andrew Tarantola(原文/miho)

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