温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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【すべて1人泊可能】2024年上半期に泊まって良かった温泉宿をエリア毎に8軒厳選した

2024年の1月~6月に1人で泊まった、各エリアで最も印象深かった温泉宿をご紹介

2017年から毎年、1年間で泊まった宿の中から「部屋・風呂・食事が良かった」「2食付き2万円以下でコスパ最強」という観点でピックアップした記事を公開しています。

最新記事は2022年版で、2023年版は現在内容を詰めているところです。宿泊した宿すべてを公平に比較してしっかりとご紹介したい!という思いから、どうしても選定・執筆に時間がかかってしまいます。

また、毎年ご好評いただいているまとめ記事ではあるのですが「選出された宿のエリアが偏っている」というお言葉をいただく年もありました。

「今回は西日本の宿が少なめだからこっちの宿を選ぼう」というような忖度をせず、純粋に良かった宿を選んでいるので仕方がないのですが……。これらのまとめ記事とは別に、偏りなくすべてのエリアの宿をご紹介する記事を出したい気持ちもあり、今回この記事を公開することにしました。

本稿は、私が2024年の1月から6月に1人で宿泊した宿の中で、各エリアで1番印象に残った宿を紹介する記事です。詳細な選定基準は設けず、いい意味で印象に残っている宿、端的に言えば「また泊まりたい」と思った宿をピックアップしています。

今回選定した7軒の宿はすべて、公共交通機関を利用して私が1人で泊まった宿です。みなさまが2024年後半の旅を計画する際の参考になりましたら幸いです。

2024年7月31日追記

本稿では各エリアに1軒、計8軒の宿を選出しましたが、惜しくも選から漏れた「次点の宿10軒」を紹介する記事をnoteに公開しました。

選外となった理由は「現時点で1人で予約が取りにくい」だったり「個人的には最高の宿だけど人を選ぶかも」などさまざまですが、どの宿もまた泊まりたいと思っているすばらしい宿ばかりです。よろしければこちらも合わせてお楽しみください。

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温泉宿や登山についてのブログには書けなかった情報や本音、日記などが読めます。

著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

北海道エリア:湖畔の宿 支笏湖 丸駒温泉旅館

土曜日も1人泊OK・2食付き28,500円~

北海道エリアから選出したのは支笏湖畔の秘湯の宿、丸駒温泉旅館です。

新千歳空港から支笏湖まで直通の路線バスがあり、空港から1時間弱で着きます。支笏湖バス停周辺にも温泉宿はあるのですが、丸駒温泉旅館は支笏湖のバス停から車で15分ほどの場所にあり、バス停から宿の送迎を利用します。

支笏湖の対岸には風不死岳と樽前山が見えました。以前利尻山に登った際に、登山道で出会った札幌にお住まいの登山女子に「札幌周辺でお気に入りの山ってありますか?」と聞いたら風不死岳だと教えてくれたことを思い出しました。

支笏湖を見下ろせてすごく気持ちいい山だけれど、熊がめちゃくちゃ多いとのこと。それを聞くと私はちょっと登りたいという気持ちにはなりませんでしたが……下から見てもとても格好いい山でしたね。火山が好きなので、お隣の樽前山にはいつか登ってみたいかな。

とにかくお湯がよくて、露天風呂・客室からの眺めもすばらしい!

丸駒温泉旅館は、建物や客室には秘湯っぽさはあまりないのですが、実は電気が通っておらず、24時間自家発電機を回しているという紛れもない秘湯の宿です。それもあって客室にエアコンはありませんが、宿泊した6月上旬は暑くもなく寒くもなく、気持ちよく過ごすことができました。真夏の昼間は少し暑く感じるかもしれませんね。

客室の窓からも支笏湖が眺められますが、もちろん露天風呂からもレイクビューが楽しめます。

大浴場の露天風呂からは入浴目線でも支笏湖を眺めることができました。

お湯も鉄っぽい香りのする濁り湯で、鹿児島の妙見温泉を思わせる好みのお湯です。

それから、大浴場から少し離れた場所に源泉の異なる足元湧出の露天風呂もあります。

6月はもっともお湯の量が少ない時期とのことでしたが、浴槽に座れば問題なく浸かれました。ぷくぷくと源泉が湧いてくるのを眺めつつの湯浴みが楽しめました。

ちなみに丸駒温泉旅館の浴室は撮影禁止なのですが、清掃前の朝9時10分~9時30分までが「オフィシャル撮影タイム」として設定されており、その時間は自由に撮影してOKというありがたい取り組みをされている宿でした。浴室の写真はその時間帯に撮らせていただいたものです。

食事は「囲炉裏会席」プランを予約。

囲炉裏が付いたテーブルに案内いただきました。個室とまではいかないけれど、視線を遮る簾がついていてありがたかったです。

お刺身にはウニがたっぷり!

囲炉裏料理は帆立や蟹味噌などの魚介のほか、骨付きソーセージや味噌チキンなどもあってバラエティ豊か。下味がしっかりと付いているのでおいしくいただきました。

ただ、楽しいけれど囲炉裏で焼く作業で慌ただしくなってしまうので、次泊まるとしたら普通のコース料理で良いかなとも。囲炉裏会席だと席が広く使えるのはよかったですが。

夕食時は宿オリジナルの日本酒をいただき、〆の釜飯まですべておいしくいただきました。

朝食は湖を眺められるレストランでバイキング。

なぜかソース焼きそばがおいしくて、お弁当に入ってきそうなミートボールと共にお替わりして食べてしまいました……。

湖畔の温泉リゾートホテルを想像してくるとイメージと違った!と思われてしまうこともあるかもしれません。しかし、電気の通じていない秘湯の宿だと思うと、これだけのサービスを提供してくれることに感動を覚えたりしました。

東北エリア:飯坂温泉 青葉旅館

平日のみ1人泊可能・2食付き20,900円~

東北エリアから選出したのは、福島県の飯坂温泉にある青葉旅館です。

2024年に福島県で泊まりたい宿にも選んでいたこちらの宿、実は十数年ぶりの宿泊でした。

初めての宿泊は友人と2人での宿泊だったこともあり、ものすごく酔っぱらってしまった記憶しか残っていなかったのですが……。

今回改めて1人で宿泊したところ食事もお湯もすばらしく、先日公開した「山菜料理がおいしい宿」の記事でもご紹介しています。

浴室はすべて貸切利用!朝夕部屋食で30種類以上の小鉢料理に圧倒される

青葉旅館は1人で泊まれるのは平日のみ、かつ人気の宿で金曜日や日曜日の予約は早々に埋まってしまいます。

特に、春の山菜料理と秋のきのこ料理の評判が良く、私は山菜料理が食べたくて3ヶ月ほど前に予約しました。

1人で泊まれるお部屋は四畳半のコンパクト和室。チェックイン時から布団が敷いてありました。
数寄屋造りの歴史の感じられる建物ですが、客室内はしっかりと手を入れられており快適でした。

青葉旅館には岩風呂の内湯2ヶ所と露天風呂1ヶ所の計3ヶ所の浴室があり、すべて貸切で利用します。予約制ではなく空いているときに中から鍵をかけて貸切で利用する方式です。

1人で泊まれるコンパクト和室は岩風呂の目の前にあり、空き状況を確認しやすいので便利でした。

風情のある岩風呂の浴槽には、飯坂温泉の熱めの源泉をかけ流しで楽しめます。

また、露天風呂では宿オリジナルの日本酒をいただけるサービスもあり。

飯坂温泉のお湯はかなり熱いイメージでしたが、青葉旅館のお湯はいずれも熱めの適温。おかげでのぼせることなく露天風呂で日本酒を楽しむことができました。

お楽しみの食事は朝夕ともにお部屋に運んでいただきます。

「百味百珍」と銘打たれた30皿以上の小皿料理は、季節の山菜料理を中心とした福島県産の源泉食材を使用した手作りの料理がずらりと並びます。

食べきれるか心配になる種類と量ですが、すべておいしいので福島の地酒を飲みつつ平らげていました……。

小皿料理の他にも、和牛の陶板焼きや天ぷらもしっかりとボリュームがあってすべておいしく、お腹いっぱい。

浴室が夜通し利用可能なのもうれしいポイントで、お酒が抜けたあとの深夜早朝にせっせとお風呂に入って極上湯を満喫し、お腹を空かせて朝食を待ちます。

朝食もかなりの品数で、食後はチェックアウト時刻までのんびりと過ごしました。

秋の天然きのこの料理も評判が良いそうで、また違う季節に泊まりに来たい宿です。

関東エリア:塩原温泉 創作料理と源泉掛け流しの宿 本陣

土曜日も1人泊OK・2食付き15,400円~

関東エリアから選んだのは塩原温泉の本陣です。

那須塩原駅から塩原温泉行きのバスに乗り、終点塩原温泉バスターミナルから徒歩12分。

バスターミナルから徒歩圏内ではありますが、あらかじめ連絡しておけば宿の車で送迎してもらえます。

以前から良い宿らしいと評判を聞いていたのですが、2024年の2月に初めて宿泊し、予想以上にすばらしかったので早々に宿泊レポートを書き上げ、公開しています。

風呂・食事・日本酒の品揃えがすばらしい!「利き酒セットプラン」がおすすめ

本陣は土曜日も1人で泊まれる宿ですが、人気があるので土曜日の予約はけっこう先まで埋まっています。1人で休前日に泊まりたい場合は特に、早めの予約がおすすめです。

全5室の宿で客室は10畳の和室です。チェックイン時から布団が敷いてありましたがそれでも1人だとかなり広々。

トイレ洗面所は客室内にはなく共同のものを利用しますが、清潔で設備も新しく、特に不便さは感じませんでした。気になる方は宿泊レポートのほうで詳細ご確認ください。

浴室は2ヶ所あり、空いているときに貸切で利用します。

宿泊した日は全5室の部屋が満室でしたが、入りたいときに空いていなくて入れない!ということは特にありませんでした。また、夜通し利用可能なので深夜早朝に長風呂を楽しめるのもありがたいです。

お湯は成分表上では単純温泉だそうなのですが、ほんのりと黄みがかってうっすらとモール臭のするとても良いお湯でした。

本陣で特に印象深いのはこちらの日本酒の入った冷蔵庫です。

季節限定のお酒も数多く揃っています。1合でのオーダーも可能ですが、予約時に「利き酒セットプラン」で申し込んでおくと、この中から自由に3種類選んで利き酒セットでいただくことができるのです。

十四代や新政などの貴重な限定酒についても、プランの料金に+650円で利き酒セットでオーダー可能です。

また、プランに含まれる利き酒セットは3種1回分のみですが、追加料金(通常の利き酒セット1000円、プレミアム利き酒セットで1650円)で追加オーダーも可能です。

そして……驚いたことに利き酒セットはお酒だけでなくおつまみもついてくるのです!

プランに含まれる1回目の利き酒セットオーダーでは、おつまみとして「鮎の塩焼き」が。

お替わりした2回目の利き酒セットオーダーではたっぷりの馬刺しがおつまみとしてついてきました。ボリュームとおいしさにびっくり。

もちろん、利き酒セットをオーダーしなくても料理はすばらしいのです。上州豚の寄せ鍋は野菜やきのこも盛りだくさん。

トマト味のグラタンが出たり、メイン料理はチキンソテーだったりと、和洋折衷のすばらしいコース料理でした。

朝食も品数豊富でしっかりと手作りされているのがわかるお味。食後のコーヒーまですべておいしかったです。

甲信越・北陸エリア:魚沼の隠れ温泉 くつろぎ庵

土曜日も1人泊OK・2食付き36,400円~

甲信越・北陸エリアからは、新潟県六日町温泉の「くつろぎ庵」を選出しました。

2024年に新潟県で泊まりたい宿にも選出していた宿で、今回が2度目の宿泊です。

昨年秋に初めて泊まってお湯・食事・サービス共にすばらしいうえに土曜日も1人で泊まれることに感激し、2024年春に早くも再訪。

実は、春に宿泊したのはこの宿の最寄り駅である六日町駅から徒歩圏内に、坂戸山というカタクリの群生地を持つ低山があるのです。今回は坂戸山を歩く前日に宿泊したのですが、獲れたての山菜の料理が予想以上にすばらしく、印象に残りました。

こちらの記事↓でもご紹介しています。

露天風呂でお酒やアイスを楽しめる&ジビエをはじめとした料理がすばらしい

くつろぎ庵は全3室の宿ですが、客室の広さは16畳・16畳・24畳の3室。狭いほうの部屋でも16畳あるので1人では持て余すほどの広さです。

縁側から庭に出られるのですが、庭には足湯があるので天気がよければこちらでくつろぐ時間も楽しいです。

くつろぎ庵には浴室が2ヶ所あり、夕食前までは予約制で貸切利用となるのですが、貸切中は露天風呂でお酒やアイスをいただくことができます。

お酒・ジュース・アイスは有料のものと無料のものが半々ぐらいです。新潟の地酒や新潟限定ビールが(こちらは有料ですが)お風呂で飲めるのはなかなか楽しいし、旅気分が盛り上がります。

浴室は内湯・露天風呂共に源泉かけ流しで、適温のとてもいいお湯です。

夕食後は2つの浴室が男湯・女湯になるのですが、宿泊客が2組以下の場合は夕食後も貸切利用となるのがうれしいポイント。

浴室は夜通し利用可能で、かつ客室のすぐ目の前にあるので深夜早朝の行き来も苦ではありません。

そして、こちらの宿のすばらしいところはやはり食事です。

前菜からして彩り・ボリューム・味すべてすばらしく、お酒が進む料理ばかり。日本酒の飲み比べセットも数種類あり、魚沼の地酒を1人でもいろいろと楽しめます。

今回は春先の宿泊だったので、宿の裏山で採れたばかりだという山菜の小鉢が3種類も並び、これだけで永遠に飲めそうでした。

こちらの宿の名物であるジビエ料理は、今回は猪肉のハンバーグ!さっぱりしているのに旨みが強く、大変おいしくいただきました。

山菜の天ぷらは量もたっぷりで、もちろん揚げたて。

ファンが多いという〆のお粥は、お腹いっぱいなのにいくらでも食べられそうなおいしさでした。

食事は、釜炊きの魚沼産コシヒカリと、ご飯がすすむおかずの数々。

チェックアウト後は坂戸山を登るとお話したところ、ご飯をおにぎりにして持たせてくれたのもありがたかったです。

また季節を変えて泊まりたい宿です。

東海エリア:平湯温泉 平田館

平日のみ1人泊可能・2食付き16,280円~

東海エリアからは岐阜県の平湯温泉にある平田館を選出しました。

上高地や新穂高温泉方面への玄関口となる平湯温泉バスターミナルから歩いてすぐという絶好の立地で、登山前・下山後の1泊に最適な宿です。

宿泊した際の旅日記をnoteに公開しています。

リーズナブルにも泊まれるし、檜の温泉浴室付きの部屋でゆったりするのも良し

平田館に1人で泊まれるのは平日のみですが、夕食でたっぷりの飛騨牛ステーキがいただけて2食付き16280円からと比較的お安く泊まれる宿です。

高級旅館!というわけではないので、館内も高級感はありませんが、こちらの宿のすばらしいところは檜の温泉浴室付きの特別室があり、1人でも2食付きで3万円前後で泊まれることです!

私は、GWに蝶ヶ岳に登った後、谷間の平日にこちらの特別室に宿泊しました。広々とした部屋にはふかふかの布団がチェックイン時から敷かれていました。

部屋風呂は檜の良い香りがして、浴槽は足を伸ばして悠々と浸かれる広さなのもうれしいですね。

また、客室に設置してあるドライヤーも、女湯の脱衣所にあったドライヤーもPanasonicのナノイーだったのも地味にうれしかったです。

大浴場も広々としており、かけ流しのお湯が楽しめます。

お風呂で登山の疲れを癒やした後には、奥飛騨の山の恵みがたっぷり詰まった夕食を。

お刺身は奥飛騨サーモンと河ふぐの紅白2種盛り。

特別室でも一般客室でも食事の内容は同じなのですが、ということはつまり、16280円でたっぷりの飛騨牛ステーキをいただけるわけで。

飛騨の地酒の飲み比べセットと共においしくいただきました。脂が多すぎない健康的なお肉なので、たくさん食べても胃が重くならないのがうれしい!

朝食は奥飛騨の郷土料理朴葉味噌はもちろんのこと、飛騨牛の牛すじと奥飛騨山椒を使ったカレーも登場。

ついついご飯を食べ過ぎてしまいました……。

登山と関係なく泊まっても、もちろん満足できる宿だと思います。

関西エリア:奥白浜椿温泉 湯治のできる宿 しらさぎ

土曜日も1人泊OK・2食付き13,200円~

関西エリアからは、2024年5月に初めて白浜温泉に行った際に宿泊した「椿温泉 しらさぎ」を選出しました。

白浜温泉、初めて行きましたが天気が良かったこともありますが、出来たてのビールを飲んだり、おいしい回転寿司(回ってない)を食べたりしてかなり楽しめました。今回ご紹介する宿もそうですが、温泉地としてもまた訪れたい温泉が増えました。

白浜温泉を歩いた日についてはこちらのnoteに書いています。

ご紹介する「湯治のできる宿 しらさぎ」は、白浜温泉から少し離れた「椿温泉」という温泉地にある全20室の宿。

客室の種類もいろいろとあり、リーズナブルに連泊湯治も可能です。最寄り駅の椿駅(白浜駅から2駅)から送迎していただけます。

素泊まりなら7700円から、朝食付きで9350円から、2食付きで13200円から1人で泊まることができます。

宿泊した日の旅日記はこちらに公開しています↓

非加熱のぬる湯がすばらしく、部屋は快適、食事は海鮮を目一杯楽しめる

私は今回、湯治館の5階に新しくできたという「コンセプト和室」に宿泊しましたが、こちらがすばらしく快適な部屋でした。

畳にベッドのツインルームで、小さな座卓も和室に置いてあるのですが、何よりも素敵だったのは縁側にPC作業をするのにちょうどいいデスクがあったこと!

Wi-Fiも速くて快適でした。この宿の中ではお値段の張る客室なので、こちらで長期滞在するのはあまり現実的ではないけれど……執筆が捗るありがたいお部屋です。

浴室は男女別の大浴場で、海を眺めつつの湯浴みが楽しめます。

椿温泉の源泉温度は31度ほどなので、大きな浴槽は加温しているのですが、浴室の隅に3つの小さな浴槽が並んでおり、こちらでは非加熱の源泉が楽しめます。

3つの浴槽それぞれに、ハーブや薬草、フルーツなどが日替わりで浸かっており、ハーブ湯などを楽しめるのが売りなのですが……個人的には1つぐらい、源泉そのままの浴槽があるとよりうれしかったな、などと思ったり。

しかし、蛇口からはいつでも新鮮な源泉を注ぐことができますし、なるべく泉質に影響のなさそうな「ビワの葉」などの浴槽を選んで、加温浴槽との交互浴を楽しみました。

そしてこちらの宿、食事が本当にすばらしかったです!

私は初めての宿泊ということもあり、しっかり食べたかったので「季節会席」のプランで予約していましたが、ものすごいボリュームでした。お刺身盛り合わせも豪華!

鯛の頭も、上手に煮てあってお酒が進みます。お酒の品揃え(特に日本酒)が良いとは言えなかったのは少し残念でしたが、満足度の高い食事でした。

宿の名物だという〆の釜飯も、帆立をはじめとした海鮮に山菜など具だくさんで、お腹いっぱいなのにかなりたくさん食べてしまいました……。

朝食はシンプルながらも鯵の干物がおいしく、癒やされるお味。

さまざまな使い方ができる宿だと思いますので、白浜温泉に再訪した際はまたぜひ泊まりたいと思っています。

中国・四国エリア:川棚温泉 小天狗さんろじ

平日のみ1人泊可能・2食付き42,000円~

中国・四国エリアからは「2024年に泊まりたい宿」にも選んでいた、山口県川棚温泉の小天狗さんろじを選出しました。

私は川棚温泉駅から30分ぐらいのんびり歩いて行きましたが、本数は少ないものの駅からバスも運行しています。また、下関駅からの直通バスもあるのでお好みで。アクセスについてはこちらをご参照ください。

小天狗さんろじは隠れ家のような宿で、Googlemapを頼りに歩いていったところ駐車場にはたどり着いたのですが、その後どうやって宿に入るのか少し悩みました。

全8室、12歳未満のお子様はお断りの全室温泉露天風呂付きの大人のための隠れ家のような宿です。

河豚づくしの食事がすばらしく、お隣の姉妹館「小天狗」の湯にも浸かれる

全室が離れという造りで、1人では持てましてしまうほど部屋が広いです。

寝室もかなり広いのですが、リビングのソファが快適で、ソファでけっこう長時間寝てしまいました……。

小天狗さんろじには大浴場はなく、部屋付きの浴室を利用します。洗い場のある内湯も立派ですがこちらは非温泉。

露天風呂は加水・加温・循環なしのかけ流し。泉質は含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉です。

実は、小天狗さんろじは後からできた別館的な位置づけの宿で、お隣にある昭和4年創業の姉妹館「旅館小天狗」のほうが歴史は古く、こちらには時間帯で男女が交換となる大浴場があります。

小天狗さんろじに泊まると「旅館小天狗」の大浴場にもいつでも入れるのがうれしいポイント。というか本当は旅館小天狗に泊まれたら良いなと思っていたのですけど、こちらの宿は1人泊不可なんですよね……。

部屋もお風呂もすばらしかったですが、こちらの宿のもう1つのポイントは食事です。
下関ということで、ふく会席が1人でも楽しめるのはかなりうれしい!

ふくちり、ふく刺しもかなり量があります。

川棚温泉の名物だという「瓦そば」も初めていただきましたが、錦糸卵や甘辛く煮た牛肉などがのった具だくさんな茶そばで、蕎麦自体もとてもおいしかったです。

〆の釜飯もかなりしっかりと量があり、もちろん味もおいしくて、瓦蕎麦を食べた後だというのにこちらもおいしくいただいてしまいました。

ふくは冬の食材かと思っていましたが、小天狗さんろじでは1年中ふく会席をいただけるようなので、また泊まりたいですね。

九州・沖縄エリア:四季の杜 紫尾庵

土曜日も1人泊OK・2食付き39,250円~

九州・沖縄エリアから選出したのは、鹿児島県の紫尾温泉にある「四季の杜 紫尾庵」です。

広い敷地内に離れの客室が点在する、すべての部屋に温泉浴室が付いている全8室の宿です。

公共交通機関利用だとやや不便なエリアですが、鹿児島空港もしくは九州新幹線の停車駅でもある出水駅から、南国交通の空港シャトルバス「阿久根・出水・宮之城線」に乗って「宮之城」停留所に向かいます。バス停からは宿の送迎を利用可能です。

こちらの宿、2022年に泊まった宿で「コスパ最高の宿ランキング3位」に選んだ、旅籠しび荘という宿のお隣にある姉妹館です。

しび荘がすばらしい宿だったので、いつか紫尾庵にも泊まってみたいと思っていたのですが、2024年2月に宿泊が叶い、思った以上にすばらしい宿でした。

しび荘の大浴場も利用可能で、食事も朝夕共にすばらしい内容

客室には4つのタイプがありますが、すべての客室に1人で宿泊可能、かつ土曜日も1人で泊まることができます。

私が泊まったのは最もお安く泊まれる「Bタイプ」のお部屋です。
コンパクトなリビングとベッドルーム、広々としたテラスに内湯の温泉浴室が付いています。

私は部屋でノートパソコンを使いたい人なのですが、紫尾庵にはおそらくどの部屋もデスクのようなものはなく、リビングのローテーブルのみのようでした。その点は少しだけ残念でしたが、こんないい宿に泊まっているのだから、この日ぐらいはパソコンを触るのはやめておこうよということでしょうね。

浴室も新しく清潔。紫尾温泉のぬるぬる感たっぷりの源泉が常時かけ流されています。

また、滞在中はしび荘の浴室にも入りにいけるのもうれしいポイントです。

しび荘の大浴場では、湯温の異なる2つの源泉浴槽が設置されているので、紫尾庵の部屋風呂もいいけれどこちらもぜひ楽しみたいところ。

しび荘についての詳細は宿泊レポートでご確認ください。

個室でいただく食事も、評判どおりすばらしいものでした。

鹿児島の宿は日本酒の種類はあまりないことが多いのですが、紫尾庵では和食に合う日本各地のおいしい日本酒がいろいろとラインナップされていたのも良かったです。

姉妹館のしび荘も食事は味・量ともにすばらしいのですが、紫尾庵はさらに見た目の美しさや繊細さも加わって、満足度の高い食事だったと思います。

朝食も、しっかりと手作りされているのがわかるお味でおいしくいただきました。

惜しくも選外となった宿をnoteで公開しました!

今回、1エリア毎に1軒の宿を厳選してご紹介しましたが、甲信越や九州などでは多くの宿に泊まっているため「すごくいい宿で紹介したいけれど惜しくも選外となった」宿がいくつもあります。

選外となった「次点の宿10軒」をnoteのメンバーシップ会員向けに公開しました。
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