前回、触覚の発生について、正攻法でないやり方があると記した。今回はその方法について紹介してみたいと思う。この方法を発見したのはフランス人であるが、いかにもウィットに富んだフランス流のやり方であり、常に正面突破をねらう日本人のわれわれにとって「目から鱗」の部分が多い。 この発想の原点は、我々が日常的に行っている、マウスによるカーソル操作である。マウスを前後左右に動かすと、画面上のカーソルがそれに応じて動く。言うまでもなく、マウスに触力覚の発生装置などついていないから、通常のマウス使用に際し、力など感じることはない。 ところが、計算機の負荷が大きくなった時などに体験することだが、マウスの動きに対するカーソルの動きが鈍くなると、面白い現象が起こる。カーソルがついてこなくなり、そこにある種の力覚を感じるようになるのである。人間の腕は拮抗筋という2本の筋肉に加わる力のバランスによって動かされているが
![力を使わない力覚ディスプレイ-Pseudo Haptics- [世界VR史] | mine](https://images.weserv.nl/?url=https%3A%2F%2Fcdn-ak-scissors.b.st-hatena.com%2Fimage%2Fsquare%2Fa1e5635a7e4b4b73cb7793e24526fe4896642c6f%2Fheight%3D288%3Bversion%3D1%3Bwidth%3D512%2Fhttps%253A%252F%252Fcdn.api.everforth.com%252Fimg%252Fpost%252Fa32936b8-566c-45bf-99b5-6ffb78d673f3%252Fcb65089957076bf1c71389acbcda3939.jpg&q=12&output=webp&max-age=110)