ゲノム解読から明らかになったカメの進化 -カメはトカゲに近い動物ではなく、ワニ・トリ・恐竜の親戚だった- 甲羅を背負った「カメ」のかたちはユニークですね。実は背骨の一部で、脱ぐことができないカメの甲羅。昔話に出てきたり、アニメの主人公だったりと、爬虫(はちゅう)類の中でも愛されているほうではないでしょうか。 さて、カメの起源ですが、これまでに3つの説がありました。①原始的な爬虫類であるという説②トカゲに近いという説③ワニやトリに近いという説、です。これをハッキリさせようと、理研の研究者らのグループはカメのゲノム解読に取り組みました。 スッポンとアオウミガメのゲノムを解読したところ、カメはワニやトリ、恐竜に近い進化的な起源を持つことを突き止めました。しかも、約2億5000万年前の生物大量絶滅期前後にその祖先は登場したようです(図)。では、カメのように特異な形状はどうやって進化したのでしょう?