10月1日から郵政民営化がスタートした。当初、小さなコンピューターのトラブルはあったものの、大きな混乱もなく、まずまずの出だしであったといえよう。メディアの報道も総じて祝賀ムードで、これでいよいよ金融が正常化するといった政府寄りの発言が目立っていた。 ところで、郵政民営化は、2年前の総選挙で圧倒的な国民の支持を得たことになっているが本当だろうか。冷静に思い起こしてみれば、小泉純一郎対造反組の政治ドラマを見て、「悪代官をやっつけろ」というイメージで投票した人が大部分ではないのだろうか。郵政民営化が本当に行われるとどういうことが起きるのか、国民が細かい議論をしたとは思えない。 そこで、民営化された今の時点で、本当に郵政民営化にメリットがあるのか再確認してみたい。 政府が主張する郵政民営化のメリットは次の三つだ。 競争原理の導入と経営の自由化によって、業務分野の拡大やサービスの改善が図ら