
検索エンジン向けの対策であるSEOはもはや一般的だが、最近では生成AI向けの対策、すなわち「GAIO(GenAI Optimization)」の必要性も叫ばれている。GAIO時代に、企業に求められるものは何だろうか。(小林 啓倫:経営コンサルタント)
二人暮らし向けの炊飯器をどう探す?
突然だが、いま炊飯器を買い替えようと思っている。筆者は3人家族で、筆者以外は小食のため、あまりご飯を炊く必要がない。そこで、「家族2人用の炊飯器」をネットで検索してみたところ、次のような結果が得られた。
これはあくまで筆者のGoogleアカウント上で表示させたものなので、皆さんが同じ検索をしても違う結果が出るかもしれない。検索するタイミングでも変化するだろう。
さらに言えば、筆者はいま「家族2人用の炊飯器」というキーワードをセットしたが、結果には「二人暮らし向け炊飯器」が出てきたので、こちらをキーワードにしていたらまた違う結果となったはずだ。
このように、検索エンジンはさまざまな条件によってその出力結果を変えるが、炊飯器を売りたい企業や、炊飯器の紹介をしたい(そして、あわよくば自分のページからそれを購入して欲しい)ウェブサイトの運営者にとって、検索結果の表示順がどうなるかは死活問題だ。
そこで企業は、検索結果のより上位を狙ってあの手この手を尽くしており、それは「SEO(Search Engine Optimization)」、すなわち「検索エンジン最適化」という行動・手法として知られている。
現在のSEOは非常に複雑化していて、一筋縄ではいかないのだが、それでも多くの企業が自社サイトへのアクセスを呼び込もうと対策に取り組んでいる。
しかし、いまやネット上で情報を調べる手段は検索エンジンだけではない。たとえば、ChatGPTのウェブ検索モードを使い、「家族2人用の炊飯器をリストアップして」という指示を与えてみた。出力されたのが次ページの結果である。