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なぜ京大生は「最近地震が多い理由」を答えられなくなったのか?(鎌田 浩毅) | ブルーバックス | 講談社

なぜ京大生は「最近地震が多い理由」を答えられなくなったのか?

おもしろくてためになる「地学のススメ」

いまからでも決して遅くない

「情熱大陸」というTBSテレビ系の全国ネット番組がある。ちょっと変わったことに情熱を傾けている人を追うこの人気番組に、私も2015年11月に出させていただいた。

そのなかで、私が京大生に説教している場面が映し出された。激烈な入試を突破した彼らは、しかし、受験科目以外のことはほとんど何も知らない。たとえば、「近頃こんなに地震が多いのはなぜか?」という質問に答えられないのだ。

実は、ここには深いワケがある。現在、日本の高校生の大部分は「地学」を学んでいない。かつての高校理科では、物理・化学・生物・地学が全生徒の必修科目だった。よって、地震や噴火や気象災害に関する最低限の知識は、誰もが持っていた。

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ところが、多くの大学の受験科目から地学が外されてから、地学を開講しない高校が次第に増えてきた。その結果、地学のリテラシー(読み書き能力)は中学生のレベルで止まったまま、という日本人が激増してしまったのだ。

よって私は京大生に毎年、「地学的には君たちは義務教育を終えただけの中卒だから、もう一度高校をやり直してほしい」と宣言しているのである。

最近の日本では地震や噴火がやけに多いことに、みな不安を抱いている。その一方で、これが2011年に起きた東日本大震災(いわゆる「3・11」)と関係があることを知る人は少ない。

実は、いまの地震と噴火の頻発は、「3・11」によって地盤に加えられた歪みを解消しようとしているのだ。

もはや日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」が始まってしまっていて、今後の数十年は地震と噴火は止むことはないだろうというのが、われわれ専門家の見方なのである。

Photo by Mike Campbell / Flickr

これに加えて、近い将来には、約6千万人を巻き込むと予想される激甚災害が控えている。首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山をはじめとする活火山の噴火、などの自然災害が、いつ始まっても不思議ではないのだ。

こうした大事なことを高校で学ぶ機会が激減してしまったことは、国民的損失と言っても過言ではない。

では、どうするか?

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